「不動産売却後に確定申告をしなかったら脱税になるの?」
「譲渡所得税分を確定申告しなかったら、税務署にばれるって本当?」
結論から言うと、不動産売却後の確定申告漏れは税務署に必ずばれます。
売主と買主が不動産を売買した際、買主へ所有権を移転する際の登記変更の段階でばれるのです。この記事は、確定申告漏れが税務署にばれる理由を解説します。ばれた時のペナルティや、税務署から届く「お尋ね」も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
▽税務署が不動産売却の事実を把握している
4つの方法をチェック!
- 税務署は土地やマンション、戸建てを売却した際の情報(売却先・譲渡価格・時期)を把握している!
- 不動産の登記簿や不動産会社からの報告、抵当権を設定する金融機関などから情報を得ている
- 不動産売却の確定申告が漏れたら、所得税法違反で10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金が!
- 不動産を買った値段より、売った価格の方が安ければ確定申告は不要
【実際に届いた】税務署からの「お尋ね」はこんな内容
不動産売却を行い税務署に申告せずに放置していると、売却から数年後に税務署から「お尋ね」が届きます。
以下は、私の自宅宛てに届いた実際の「お尋ね」です。
こちらは、不動産売却に関する「お尋ね」ではなく、ある投資信託を売却した際に確定申告をせず放置していた際に届いた「お尋ね」です。
私の場合は、速やかに税務署へ修正申告を行い、当日中に所得税を納税しました。
ちなみに税務署からの「お尋ね」を無視(放置)していますと、税務調査が入ります。
その際、税務署長が税務調査に基づいて税額を「決定」することがあります。
なぜ不動産売却したことが税務署に「ばれる」のか?
まず税務署は、ありとあらゆる手段を使って土地、マンション、戸建て等の不動産を売却した情報(売却先、譲渡価格、時期)を把握しています。
また、不動産売却をして確定申告が必要な方は、申告漏れを防ぐために確定申告の案内と申告用紙が郵送で送られてきます。
この段階で税務署から確定申告の案内が届いた方は、税務署が不動産売却の事実を把握しているため、逃げることはできません。素直に確定申告しましょう。
初めて確定申告をされる方は、下記の記事をぜひ参考にしてください。
また共有名義などの複雑なケースにおける確定申告については、訳あり物件買取プロの記事も参考にしてください。
参考:共有名義の不動産を売却した際の確定申告を完全網羅(運営:株式会社AlbaLink)
それでは確定申告をしなかった場合、税務署に絶対に「ばれる」のでしょうか?次に、どのようにして「税務署が不動産売却の事実を把握しているのか」を詳しく解説します。
税務署が不動産売却の事実を把握する方法
どのようにして「税務署が不動産売却の事実を把握しているのか」を順番に解説します。
不動産の登記簿(法務局)
税務署は、不動産の登記簿からも不動産を売却(譲渡)した事実を把握しています。登記簿には、譲渡先、売却年月日、ローンの額など記載されており不動産取引全般を把握することができます。
「登記しなければ売却の事実は証明されないのでは?」という考えは通用しません。
なぜなら、不動産登記の目的は、不動産取引の事実を証明するものではなく、第三者へ自身の権利を主張するために登記簿があるからです。
不動産売却の事実を証明する目的ではありません。従って、登記簿に記載されていないからと言って、「売却していない!」という主張は通用しません。
不動産会社(売買を仲介した業者)
不動産会社は売買取引の事実を税務署に報告する義務があります。当然、税務署側は仲介業者を通じて把握することができます。
金融機関
不動産取引における送金の記録やローン返済さらに、金融機関による抵当権設定の事実から、税務署側が把握することになります。
売却先(譲渡先)
売却先の買主が住宅ローン控除の適用を受けるため、確定申告した場合や金融機関からの送金、さらに不動産業者からの報告によって税務署側が把握します。
さらに、買主側の資金調達の流れを把握するため、税務署が「お尋ね」を送ることによって把握することもできます。
このように税務署に「ばれない」で取引することの方が難しいくらいです。
くれぐれも変な気を起こすことがないようにしましょう。
不動産売却で確定申告をしないとペナルティが課される
ここでご注意いただきたいのが、不動産売却は、自分で売却益(譲渡所得)を計算して申告納税する必要があります。
会社員の給与所得のように会社側が所得税と住民税を天引きしてくれません。
しかし、前述の通り、税務署は申告納税制度をきちんと機能させるための調査が行われ、脱税などを厳しくチェックしています。
税法には「脱税」という用語は出てきませんが、不正行為で税金を逃れようとすると、所得税法違反で処罰されることになります。
個人の不動産売却におけるペナルティは、「所得税法違反」に該当します。
【豆知識】罰則規定は意外と厳しい
「所得税法違反」の罰則は意外と厳しく、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金です。
例えば、所得隠しの場合、ペナルティーの意味で35%または40%と高率の「重加算税」が課税されます。
さらに、損害遅延金にあたる「延滞税」が原則として年7.3%または14.6%、その上に本来の税金を納める必要があります。
また、このページをご覧の方が心配されている申告漏れよる修正申告をしたり、税務署から正しい納税額を通知される「更正」の処分を受けた場合も、原則10%の「過少申告加算税」がかかります。
もし、期限内に申告しないで、納税額を通知される「決定」の処分を受ければ、原則15%または20%の「無申告加算税」が課されます。
従って、「ばれる」リスクを加味しても、確定申告した方が良いと言えます。
不動産売却で確定申告をしなくても良いケース
ちなみに、不動産を売却した方が全員確定申告しなければいけないか?と言うと必ずしもそうではありません。
確定申告が必要か否かの判断は、以下の計算式に自分が売却する不動産価格を当てはめてみてください。
譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用
譲渡価額は、売却価格となります。取得費は、売却物件を取得した際の費用(土地+建物※建物は減価償却が必要、仲介手数料、登記費用)です。譲渡費用は、売却の際に支出した費用(仲介手数料等)となります。
譲渡所得がプラスつまり、売却益が発生していれば、確定申告が必要です。
要するに「売った値段」が「買った値段」を上回っている方は、ご注意ください。
「確定申告しなくてもばれない!」という考えは通用しませんよ。
まずは、確定申告を初めてされる方は、以下のページをご覧ください。
なお、予想以上に譲渡所得が発生する方は、取得費を多めに計上する方法もあります。その際は、以下のページが参考になります。
譲渡所得がプラスでも3,000万円までなら税金を心配する必要はなし
まず、売却不動産がマイホームの方は、朗報です。売却益が3,000万円までなら特例の適用を受けることで税金は発生しません。
先にご紹介した譲渡所得(売却益)の計算式に、特別控除に当たる3,000万円分を当てはめてみて、プラスにならなければ、税金が課税されることはありません。
課税譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除
ただし、特別控除の適用を受けるためには、確定申告が必ず必要ですし、適用されるためには、各種条件があります。詳しくは、以下のページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
不動産売却において赤字が発生した場合
では、次に確定申告しなくても良いケースについて解説します。
不動産を売却して赤字(売却損)だった場合は、確定申告は不要です。
不動産売却においては、赤字は原則切り捨てです。しかし、特別控除と同様、マイホームの売却に限っては、給与所得などの他所得との損益通算が認められる場合があります。
赤字の場合は、確定申告しなくても、税務署から目を付けられる心配はないのですが、税制優遇を受けるチャンスです。活用しない手はありません。
詳しくは、以下のページで詳細に解説しています。マイホームを売却して赤字になりそうな方は、必ずチェックしてみてください。
赤字だと思っていたら実は利益が出ていた場合は要注意
ここで、赤字だと思っていたが実は、「譲渡所得(売却益)が発生していた」というケースが非常に多いため注意が必要です。
それは、減価償却費を考慮に入れていなかったケースです。実例を上げます。
Cさんが2008年4月に3,000万円で新築した木造一戸建ての自宅を、2019年8月に2,800万円で売却した場合の譲渡所得(売却益)はいくらになりますか?この時の譲渡費用は、100万円とします。
では、先に解説しました譲渡所得の計算式に当てはめます。
すると、300万円の赤字(売却損)が出ています。
■譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用
▲300万円=2,800万円-3,000万円-100万円
結果、確定申告しなくてもいいか?というと、そんなことはありません。
建物部分の減価償却費を考慮に入れていないため、減価償却費相当額を建物から差し引く必要があります。
■減価償却費相当額
減価償却費相当額=取得価額×0.9×償却率×経過年数
■建物取得費
建物の取得費=購入代金-減価償却費相当額
主な建物の耐用年数表
業務用 | 非業務表 | |||
---|---|---|---|---|
構造 | 耐用年数 | 償却率 | 1.5倍した耐用年数 | 償却率 |
木造 | 22年 | 0.046 | 33年 | 0.031 |
では、減価償却費相当額を考慮して再度計算してみます。
■減価償却費相当額
7,533,000円=30,000,000円×0.9×0.031×9年
■建物取得費
22,467,000円=30,000,000円-7,533,000円
では、実際の譲渡所得を計算します。
■譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用
4,533,000円=28,000,000万円-22,467,000円-1,000,000円
上記、計算例からもおわかりの通り、建物は減価償却費相当額を差し引いた後の金額が取得費となるため、例え購入時よりも安く売却しても譲渡所得(売却益)が発生することになります。
何度も申し上げますが、譲渡所得が発生すると確定申告が必要となります。くれぐれもご注意ください。
初めて確定申告される方は、こちらのページがとても分かりやすく解説しています。
税理士監修者コメント
税務署は色々な方法で課税できるかどうかの情報収集をしています。
特に不動産取引は登記が動くので税務署には筒抜けだということを頭に入れておきましょう。
税理士:本村健一郎の詳細
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