不動産のいろは > 家を建てる > ローコスト住宅 > ローコスト住宅で使われる木材の種類や特徴!ハウスメーカー別で使用木材を紹介|シロアリ対策も解説

ローコスト住宅で使われる木材の種類や特徴!ハウスメーカー別で使用木材を紹介|シロアリ対策も解説

PR

ローコスト住宅で家づくりをする場合、ローコストだからこそのデメリットがないか心配になりますよね。

ローコスト住宅の特徴の一つとして、使用する木材の価格を抑えるために品質を落としているから、家の耐久性が低いという点があります。

たとえ初期費用が安くても、30年もたずにボロボロになる家じゃ意味がありませんよね。

家の耐久性が低いというのは、木材の腐敗やシロアリに弱いということなんです・・・。

実際に家を建てる前に、ローコスト住宅の不安や疑問を解消しましょう。ぜひ最後までお読みください!

この記事でわかること
  • 家を建てる時に使う木材の種類
  • ローコスト住宅で実際に使用される木材の樹種は
  • シロアリや木材の腐敗の対策方法
★★★★★

たった一度の無料資料請求で注文住宅のカタログをまとめて取り寄せできる

  • 1,000万円台の建物価格からのお取り寄せ
  • ローコスト、平屋などのテーマ別のお取り寄せ
  • 建設予定地から全部のメーカーをまとめてお取り寄せ
  • 無料でまとめてお取り寄せ
  • 「はじめての家づくりノート!」もれなくプレゼントあり

住宅に使われる木材は集成材と無垢材

住宅に使用される木材には大きく2つの種類があります。

それは、集成材と無垢材です。

そして、

  • 乾燥させたものか乾燥させていないものか
  • 国産か外国産か

という違いもあります。
まずは無垢材と集成材について、それぞれ解説します。

無垢材

無垢材は、伐採した木を分割することなくそのまま切り出して加工したものです。

一般的に無垢材は、集成材より高価で見た目も良くランクが高い家で使われるイメージですよね。

無垢材のメリットとデメリットをみてみましょう。

無垢材のメリット

集成材と比較した無垢材のメリットはこのような点です。

  • 長く乾燥させたものは樹種によって強度がとても長持ちする
  • 接着剤を使用しないので、健康被害の心配がない
  • 内装として使用する場合、見た目がよく色味の経年変化を楽しめる
  • 樹種によって強い芳香があり、リラックス効果がある
無垢材のデメリット

集成材と比較した無垢材のデメリットはこのような点です。

  • コストが高い
  • 樹種や乾燥具合によって強度にばらつきがある
  • 施工に熟練の技が必要
  • ひずみやねじれが起きやすく、割れや反りが出やすい

このように、無垢材はコスト重視の家づくりにおいてはデメリットに気になる点が多いですよね。

無垢材自体の価格も高いですが、施工技術が必要なため職人さんの手間代も高くなります。

入居後に反りや割れが起こるのは仕方のないことで家の強度には関係ないのですが、やはりクレームの原因となることが多く、建築会社としては無垢材よりも集成材を採用する方がスムーズなようです。

しかし無垢材は品質の良いものを使えば、とても耐久性のある家を建てることができます。

集成材

集成材とは、厚さ2cmほどの複数の板を乾燥させてから接着剤で張り合わせた木材のことです。

建材として使われる木材はほとんどがこの集成材です。
特にローコスト住宅では集成材が使われることが多いです。

集成材のメリットとデメリットをみてみましょう。

集成材のメリット

無垢材と比較した集成材のメリットはこのような点です。

  • 細かい木片を組み合わせて無駄なく作れるため、コストが安い
    (中には集成材でも高価なものもあります。)
  • 木の特性を活かして組み合わせているので強度が高い
  • 品質にばらつきが出にくい
  • 割れや反りが出にくい
  • 施工がしやすい
集成材のデメリット

無垢材と比較した集成材のデメリットはこのような点です。

  • 無垢材のような木目の美しさや経年変化はない
  • 使用されている木材や接着剤の種類によって、品質に違いがある
  • 接着剤の経年劣化による、集成材自体の強度低下の可能性がある
  • 接着剤を使用しているため、健康被害を否定できない

このように、集成材はデメリットよりもメリットの方がローコストで家を建てる上では採用しやすい特徴があります。

接着剤については問題視されることがありますが、はっきりとは実証されていないのが現状です。

国産か外国産か

集成材と無垢材のどちらも、国産と外国産とがあります。

やはり国産の木を使用する方が、気候が同じなので木材の経年変化の点で安心です。

日本は世界的にみてもとても多湿な国ですので、乾燥している国の木材だと湿気による品質の低下が心配です。

しかしコストの面から外国産の木材を使用するハウスメーカーが多いのが現状です。

外国産の木材の場合は、日本の湿度問題から発生する腐朽菌(木を腐らせる菌)やシロアリに対して、どのような対応策をとっているかを確認することをおすすめします。

木材には乾燥材と未乾燥材がある

木材は集成材と無垢材という2種類とは別に、乾燥材か未乾燥材かという違いがあります。

このことは、ハウスメーカーでよく使われる“KD材”という木材に関係するので、簡単に解説します。

木というのは、伐採されると放っておいてもある程度は乾燥します。

そのまま木材として使用するものが未乾燥材で、さらに乾燥させたものが乾燥材です。

自然乾燥か強制乾燥か

木材の乾燥方法には、自然乾燥と強制乾燥の2つの方法があります。

自然乾燥させた木材をAD材とよびます。

AD材は建築後も時間をかけてどんどん強度が増していき、その耐用年数は樹齢の長いものだと100年以上といわれています。

しかし自然乾燥には時間とコストがかかることと、表面がひび割れること(強度には関係ありません)などのデメリットがあります。

一方、強制乾燥させた木材をKD材とよびます。

KD材は、乾燥直後の強度はAD材と同程度ですがその耐用年数は30~35年といわれています。

人工的に高温で短時間に乾燥処理をするため、木の本来もっている強度や防蟻性を破壊してしまうというデメリットがあるのです。

しかしKD材は「乾燥期間が短いこと」「コストが安いこと」「反りなどの狂いが少ないこと」などの理由から現在ハウスメーカーでとてもよく使用されています。

未乾燥材

未乾燥材は乾燥処理をしていない無垢材のことです。

集成材は必ず乾燥させた木材を使用して加工しますので未乾燥材であることはありません。

未乾燥の無垢材はコストが安いのでしばしばローコスト住宅でも使われますが、建築後にも自然に木の水分が抜けていくので、反りや割れが生じます。

するとクロスのめくれやひび割れなどの不具合となって表れたり、「ピシッ!」という音が鳴ったりします。

未乾燥材は住宅には向きませんので、注意が必要です。

どんな樹種が良いの?住宅に使う木材は“適材適所”が大切

木材には集成材と無垢材があり、乾燥材と未乾燥材があることを解説しました。

つぎに木材の樹種についてみていきましょう。

住宅に用いられる木材にはさまざまな樹種があり、それぞれに特徴や価格のちがいがあります。

家の木材に必要なのは「強度」「耐久性」「防蟻性」

家を建てるならだれもが、丈夫で長持ちして災害時も家族を守ってくれる“強い家”を建てたいですよね。

高品質な木造住宅を建てるためには、断熱材や外壁材や窓の性能など、本当にたくさんのことが気になります。

その中でも木材は非常に重要なものです。

その理由は

  • 木材は家の構造体(土台と骨組み)である
  • 構造体の木材は家が完成すると目視することができないので、傷みの早期発見が難しい
  • 構造体の補修は、非常にコストと手間がかかる
  • 構造体の損傷がひどいと、建て替えを選択せざるを得ないケースが多い
  • 構造体が損傷していると、地震などの大災害で家が倒壊するリスクが上がる

構造体の木材は一度家が完成すると取り換えが効きません。
ということはつまり、家を長持ちさせるためには“傷みにくい木材”を選ぶことがとても重要だということです。

傷みにくい木材とは、「強度」「耐久性」「防蟻性」の高い木材です。

木材の強度とは

ではまず木材の強度について解説します。

家の構造体となる木材には強度が必要です。

簡単にいうと木材の「強度」=「硬さ」ですが、家を支え万が一の衝撃に耐えるためには次のような強度が必要です。

  • 上からや横からの圧縮力や重みに耐える強さ
  • 引っ張る力に耐える強さ
  • ねじる力に耐える強さ
  • 曲げる力に対する強さ

木材の耐久性とは

家をつくる木材には耐久性も必要不可欠です。
家は何十年と住むものですから。

木材の耐久性に必要な特徴は

  • 水分を含みにくい
  • 乾燥の変化に耐える
  • 腐朽菌などの菌に強い
  • 本来もっている強度が長く保たれる

などの点です。

木材の防蟻性とは

家の構造体となる木材には防蟻性(ぼうぎせい)も大変重要です。

防蟻性という言葉ははじめて聞くという人が多いですよね。
防蟻性とは、「シロアリに強い」ということです。

硬い・水を含みにくく乾燥している・強い芳香があるなどの特徴がある樹種は、シロアリが好まないため防蟻性が高いです。

防蟻性と耐久性は広い意味では同じことで、防蟻性が高いということは耐久性が高いとも言えます。

家の部位によって適した樹種はちがう

家をつくる木材には「強度」「耐久性」「防蟻性」が必要だとお伝えしました。

家づくりにおける木材選びは、適材適所が大切です。
つまり家の部位によって必要な特徴が違ってきます。

部位ごとに適した樹種をみていきましょう。

家の部位 必要な特性 よく使われる樹種
土台 土台はそのほかの構造をずっと支えていくものですので、腐りにくい木材でなければいけません。上に載るたくさんの木材の重みで押しつぶされることなく耐えられるだけの強度も必要です。また、防蟻性も必要不可欠です。 ・防腐防虫加工した米ツガ
・ヒノキ
・ヒバ(アテ)
・ツガ(トガ)
・カラマツ
・スギ(赤い部分)
・米ヒバ
・クリ
柱は土台によって支えられますが、柱自体も重い家を支えなければいけません。
上からの重みによる圧縮力に耐える強度と、シロアリ被害に強い防蟻性が必要とされます。
・ヒノキ
・スギ
・ツガ(トガ)
・エゾマツ
・米ツガ
・スプルース
・ホワイトウッド
梁となる木材に求められる特徴は、強度です。
梁は柱と柱を横の方向でつなぎ、二階の床や天井を支えます。
梁は横使いされるので、宙に浮いている部分に上からかかる荷重に耐える強度が必要です。
(この強度は“曲げヤング係数”という尺度で表されます。)

また、柱との接合部にかかる力に耐える強度も必要です。
(これをせん断強度といいます。)
・スギ
・アカマツ
・米マツ
・ホワイトウッド

住宅によく使われる木材の樹種は?

次に住宅によく使われている木材の樹種別に特徴や使用部位や価格をみていきましょう。

スギ(国産)

スギ(杉)は古くから日本で建材として使用されてきました。
柔らかく調湿性があります。

柔らかいので内装材としてよく使われますが、縦の繊維が強いので柱としても使われています。

価格はヒノキに比べて安いです。

ヒノキ(国産)

ヒノキ(檜)も古くから日本で建材として用いられてきました。

乾燥性があり、柔らかく軽い木材です。
それでいて耐久性・耐水性がありとても強度が高いため、家の土台や柱によく使われます。
防蟻性も高いです。

独特の芳香がありリラックス効果があるので、お風呂や内装材としても人気ですが、価格は高いです。

アカマツ(国産)

アカマツ(赤松)はヤニ(脂)を多く含むので、手が触れないところに使われることが多く、建材としては梁に使われます

ヤニが多いというデメリットはありますが、非常に強度が強く曲げる力や引っ張る力に強いのが特徴です。

北海道以外の日本全国に生息しているので、価格が比較的安いです。

ツガ(国産)

ツガ(トガ)は伐採量が減ったため貴重ですが、とても硬く強度があるので家の土台や柱として使われます。

国産のものは最近ではほとんど建材として流通しておらず、価格は高いです。

ヒバ(国産)

ヒバ(アテ)は木材の中でも非常に高い耐水性をもっています。
ヒノキの仲間なので特有の強い芳香をもっており、高い防虫効果があり建材としては土台に使われます。

価格はヒノキより安価です。

カラマツ(国産)

カラマツ(落葉松)はヤニの分泌が多いため、建材としてはあまり使われてきませんでした。
しかしこのヤニには腐敗や害虫を防ぐ効果があるので、家の土台としては優れています。
強度も非常に高いです。

価格は割安ですが、樹齢が長いものは高級材として扱われます。

エゾマツ(国産)

エゾマツの強度はヒノキに匹敵するほど高いのですが、柔らかく摩耗に弱く保存性も高くないため、建材としてはあまり優秀ではありません。

柱などの建材として利用されることもありますが、集成材の材料として使われることが多いです。

米ツガ(外国産)

北米から輸入される木材で、ヘムロックともよばれます。

強度があるので土台や柱として使用されますが、耐水性は高くなく水分の多いところでは腐りやすいという弱点があります。

米ヒバ(外国産)

こちらも北米産の木材で、別名イエローシダーとよばれます。

耐水性と耐久性が高いことが特徴で、土台に使用されます。

米マツ(外国産)

米マツは北米産の木材の中でもっとも輸入量が多い木材です。
別名ダグラスファーともよばれます。

ヤニが多いので乾燥などの処理が必要ですが、その分防虫性が高く強度もあるので梁として使われます。

ホワイトウッドとレッドウッドは樹種名ではない

ローコスト住宅で使われる木材としてよく、“ホワイトウッド”や“レッドウッド”という名前を聞くことがありませんか?

「ホワイトウッドはシロアリに弱い」という点を気にしている人がいらっしゃるかもしれません。

じつはこの“ホワイトウッド”と“レッドウッド”は、樹種の名前ではありません。

いわゆる俗称で、いくつかの樹種をまとめてこのように呼んでいます。

ローコスト住宅を検討している人のために、ホワイトウッドとレッドウッドについて解説します。

ホワイトウッドとは

ホワイトウッドとは、ドイツトウヒ(ドイツ松)や米ツガなどのヨーロッパや北米産の白色の針葉樹の総称です。

ドイツトウヒとはいわゆるモミの木で、クリスマスツリーとして使われるので日本人にもなじみのある木です。

コストが安く見た目がきれいで加工や施工がしやすいため、集成材に加工して日本の住宅で柱や梁に使用されることが多いのですが、湿気に弱いというデメリットがあります。

ホワイトウッドといわれる樹種は乾燥した極寒の地に生息する針葉樹なので、日本の高温多湿な気候には合いません。

柔らかく湿気を含みやすい特徴があるので、シロアリの格好のエサになってしまいますし、腐敗しやすいという難点もあります。

ハウスメーカーは「施工方法をきちんとしていれば問題はない」という趣旨で説明をしますが、家は長年住むものですので何が起こるかわかりません。

施工をきちんとしていてもたとえば大地震などの災害で基礎に亀裂が入ったりして湿気が入ることもあり得ます。

ホワイトウッド自体は良い木材なのですが、日本の気候には合わないということに注意が必要です。

レッドウッドとは

レッドウッドもホワイトウッドに次いでよく日本の住宅で使用されています。

レッドウッドは、米マツやスコッチパインなどの外国産の赤色の木材の総称です。
ホワイトウッドと比べて耐久性があり価格も比較的高いです。
梁として使用されることが多いです。

レッドウッドは、ホワイトウッドほど防蟻性の低さについて言われませんが、日本の気候に合わないことは否定できません。

ローコスト住宅でよく使われる木材の樹種は何?

ここまでは住宅全般における木材の基本的な知識を解説してきました。

でもローコスト住宅を検討中の人が本当に気になっているのは、「実際にローコスト住宅で使用される木材はどのようなものか」という点ですよね。

ハウスメーカーの公式サイトやカタログには、木材の説明自体なかったり、あっても具体的な樹種名などは載っていないことがほとんどです。

そこでローコストハウスメーカー数社に樹種名についてメール問い合わせをしたところ、3社から回答が得られましたので、ご紹介します。

ローコスト住宅の木材について具体的にイメージがしやすいと思いますので、ご参考にしてください。

ローコストハウスメーカー別木材の仕様

ローコストハウスメーカー数社に、木材の標準仕様として以下の部材にどのような樹種を使用しているかを問い合わせました。

  • 土台
  • 筋交い
  • 胴差し

問い合わせに回答があったのは、アイフルホーム・タマホーム・レオハウスの3社です。

それぞれ順にご紹介します。
(この情報は2019年10月に得た回答をもとにしています。)

アイフルホーム

土台 (集)レッドウッド薬剤加圧注入
(集)ホワイトウッド/レッドウッド
(集)ホワイトウッド/レッドウッド
筋交い (無垢)米マツ/ホワイトウッド
胴差し (集)ホワイトウッド/レッドウッド

※(集):集成材 (無垢):無垢材

アイフルホームはフランチャイズチェーンなので使う木材は各加盟店(工務店)によって違いがあります。上記の仕様はあくまで基本的なものです。

土台はレッドウッドに薬剤を加圧注入したものが使用されます。
これはシロアリに食べられないようにする処理です。

アイフルホームは基本的に外国産の木材を使用しているようです。
土台を国産ヒノキに変更することが可能ですが、コストは上がります。

タマホーム

土台 (KD)国産ヒノキ
(EW)国産スギ
(KD)米マツ/(EW)米マツ×国産スギ
筋交い (KD)国産スギ
胴差し (KD)米マツ/(EW)米マツ×国産スギ

※(KD):KD材 (EW):エンジニアリングウッド

タマホームは国産木材の使用率が1棟あたり74.1%です。

エンジニアリングウッドとは、KD材(強制乾燥材)を集成材に加工した木材のことです。

土台にシロアリに強い国産ヒノキを使用しているのは安心ですね。

レオハウス

土台 (KD)ヒノキ120角
(集)オウシュウアカマツ120角
(集)オウシュウアカマツ120角
筋交い (KD)米マツ45×90
胴差し (集)オウシュウアカマツ幅120

レオハウスも、土台に防蟻性の高いヒノキを使用しています。

柱の太さは105角のものが一般的ですが、レオハウスは120角のものを使用し、構造躯体に力を入れています。

ハウスメーカーで自然乾燥材を使用しているところはほとんどない

アイフルホーム・タマホーム・レオハウスの木材の標準仕様をご紹介しましたが、 共通しているのは自然乾燥材(AD材)を使用していないということです。

これはローコスト住宅に限ったことではなく、有名な高級ハウスメーカーでもKD材やホワイトウッドの使用が一般的です。

理想をいえば、オール国産の自然乾燥材を使いたいところですがコストの問題があるので、現実的にはそうはいきません。

このような今の日本の住宅事情の中、最大限良い家づくりをするためには施工と点検とメンテナンスをきちんと行うことが重要となってきます。

ローコスト住宅の大敵!!シロアリと腐食から木材を守るために

ローコスト住宅の木材について不安がある人の中には、

  • ローコスト住宅の木材は安物だから長持ちしない
  • ローコスト住宅の木材はシロアリに弱い
  • ローコスト住宅の木材は、20年で腐ってボロボロになる

このような心配をされている人がいらっしゃるかもしれません。

限られた予算の中で、できるだけ理想に近い安全な家を建てようと努力しても、35年の住宅ローンを返し終わる前に家がボロボロになってしまうなんて、考えたくもないですよね。

そこで最後に、木材の腐食とシロアリ被害について詳しく解説します。

何となくしか知らないという人も、この機会にしっかり知識をつけていただけたらと思います。

本当にこわい!木材の腐食

木材の腐食は恐ろしいものです。

重い家を支えている骨組みがスカスカになってしまうのですから、想像したら本当にこわいですよね。

日本の住宅が寿命を迎える一番の原因が「木の腐食」です。
平均しておよそ30~40年で寿命を迎え、建て替えや取り壊しになってしまう日本の住宅。

ではどのようにして木が腐るのでしょうか?

腐食の原因

木が腐ることは、正確には「腐朽(ふきゅう)」といいます。

その原因はたった一つであり、それは腐朽菌という菌です。

腐朽菌も生物なので栄養を必要とするのですが、その栄養が木に含まれるリグニン・セルロース・ヘミセルロースという3つの成分です。

腐朽菌が木に含まれる栄養分を食べることで、“木が腐る”という現象が起こるわけです。

腐朽菌はどこにでも存在する菌で特別なものではありませんが、木を腐朽させるには一定の条件がそろう必要があります。

  • 木材含水率が20%以上であること(木材が水を20%以上含んでいる状態)
  • 温度が20~30度であること

この2つの条件がそろうと、腐朽菌が木材に付着して繁殖を始めます。
一般的に腐朽する家の部位は、土台・窓周り・屋根下地です。
どこも見つけるのがむずかしい場所ですよね。

発見が遅れるとどんどん木がボロボロになり、取り返しのつかない状態になってしまいます。

腐食への対策

木材の腐食への対策は、予防と早期発見が大切です。
人の病気と同じですね。

腐朽菌が繁殖する条件は水分と温度です。

温度を管理するのはむずかしいので、水分つまり湿気対策をしっかりしておくことが重要です。

腐朽菌は乾燥した環境だと木を食べることはありません。

では腐朽菌の対策をみていきましょう。

①腐朽菌に強い樹種を選ぶ

腐朽菌に強いとされる樹種は
・ヒノキ
・スギ
・ヒバ

などの香りの強いものです。

新築する際に、これらの樹種を土台や柱に選んでおくと予防になります。

②外部からの漏水を防ぐ

家の外部からの水漏れの原因には以下のものがあります。

・屋根
・窓周り
・災害による構造木材の水没
・基礎内部の結露による吸水

これらの漏水が起きないような施工とメンテナンスが予防になります。

③万が一災害で浸水しても乾燥できる仕様にしておく

水害のリスクがある地域に建築する場合は、たとえ浸水してもそのあと乾燥しやすい構造にしておくことが重要です。

乾燥できない構造の家は、一度浸水すると木材の腐敗が起こりやがて建て替えが必要な時期が遅かれ早かれ必ずおとずれます。

④窓の室内側の結露を防ぐ

窓の結露による内部からの浸水も腐敗の原因になります。

窓周りが結露している場合はなんらかの対処をしておきましょう。

⑤早期発見のためには点検しかない

木材の腐敗は見えないところで進行していってしまうので、早期に発見するためには定期的な点検しかありません。

床下や屋根裏を点検することで早期発見できれば、初期症状のうちに補修ができます。

なお、窓の結露対策としては、窓選びが大切です。

ローコスト住宅の窓に関する記事もありますのでぜひご覧下さい。
結露の原因と対策や、ローコスト住宅メーカー別の窓の仕様などについて詳しく解説しています。

ローコスト住宅の窓の断熱性能は?窓は家の断熱性能においてとても大事!

ローコスト住宅を建てることを具体的に考えはじめると、「窓」のことも気になりませんか?窓は、部屋の空気を入れ替えるためだけでなく・・・

11,967view

おそろしい!シロアリ被害

腐食と同じくおそろしいのが、シロアリです。

シロアリは木材の成分であるセルロースに含まれるブドウ糖を栄養源としています。
腐朽菌と同じく、シロアリにとっても木材はエサとなるのです。

シロアリは社会性をもち集団で生活しています。

シロアリが一旦侵入し定着すると、時間をかけて確実に家の構造体である木材を隅から隅まで食べ尽くしていきます。

シロアリ被害が出やすいのは、屋根裏・玄関・水回り(浴室・トイレ・キッチンなど)・土台・床・柱などです。

どこも普段生活していて見ることができない場所なので、初期の段階でシロアリの存在に気づくことはできません。

目に見えて症状がではじめたときには(床がへこむ、建具の建付けが悪くなるなど)家の構造は末期状態であることが多いです。

そうなると家の強度が非常に低くなり、最悪の場合倒壊の可能性もあります。

考えただけでもおそろしいシロアリ被害。

これから新築を考えている人も、もう建てた後の人も、しっかりシロアリ対策をしておきましょう。

シロアリ食害の原因

シロアリが活動するためには

  • 湿気がありジメジメしている
  • 食べ物(木材)がある
  • 生息に必要な水(水分)がある

この3つの条件がそろう必要があります。

つまりこれらの条件になってしまうことがシロアリ食害の原因です。

シロアリへの対策

シロアリ対策を、「家の完成前までにできること」「予防」「早期発見」にわけてみていきましょう。

①家の完成前までにできること

シロアリ対策はこの段階が一番大事だと言っても過言ではありません。
これから新築をお考えの人はしっかり対策しておきましょう。

・点検しやすい家にする
床下の点検がしやすい家にすることが重要です。
点検口は必須です。
基礎の外側の外周が見えやすくしておくことも大事です。
大きな物置やデッキなどで死角を作ってしまうとシロアリの発見が遅れる原因となります。

・使う木材の樹種に気を付ける

シロアリが好む樹種とそうでない樹種があります。

シロアリが好む樹種は

  • ホワイトウッド
  • スプルース
  • エゾマツ など

一方シロアリ対策に有効な樹種は

  • ヒノキ
  • ヒバ など

とされています。

また、心材(赤身の部分)はシロアリに強く、辺材(白く柔らかい部分)はシロアリが好む傾向があります。

これらをふまえて樹種を選んで組み合わせるとシロアリ対策に有効です。

しかし注意が必要なのは、シロアリに強いといわれるヒノキでも絶対にシロアリに食べられないというわけではないということです。

食べるものがなくなれば、最後はヒノキであろうとシロアリは食べてしまいます。

・薬剤選びも重要
新築のときにしかできないシロアリ対策として、木材に薬剤注入するというものがあります。

5年で効果が切れるネオニコチノイド系の薬剤はおすすめできません。
これは使用禁止にしている国がある神経伝達に作用する物質なので、人体への影響を否定しきれません。
築5年で再注入することも現実的ではありませんし、効果も下がってしまいます。

一方ACQという薬剤は、木材に加圧注入するもので効果が半永久的に続きます。
主成分の塩化ベンザルコニウムは、安全性の高いものなので安心です。(歯磨き粉などに含まれています)

また、ホウ酸系の薬剤も安全性が高く効果が半永久的に続くのでおすすめです。

・シロアリの侵入経路にあらかじめ対策しておく

シロアリが家の中に侵入してくる場所はだいたい決まっています。
それは、基礎の立ち上がり・基礎の打ち継ぎ部・玄関ポーチ・配管貫通部の4ヶ所です。

これらの箇所を新築時にきちんと対策しておくことでシロアリの侵入を効果的に防ぐことができます。

・床下の湿気対策をしておく

床下に換気扇をつけておく・防湿シートや炭などの調湿材を施工しておくなどの湿気対策をしておくこともシロアリ対策に有効です。

②予防

家が建って住み始めてからの対策としては、シロアリが浸入しないようにさらなる予防をすることです。

・家の周りに木材を置かない
家の周り特に基礎の近くに廃材などの木材を置かないようにしましょう。
屋外に木材を放置しておくと雨などで湿ってしまいますので、まずそこにシロアリが発生しやすくなります。

するとそこから家の内部へ侵入されるリスクが上がります。

廃材以外の木材、たとえばウッドデッキやアプローチの枕木なども見た目はおしゃれで素敵ですがシロアリ対策としては実は危険です。

どうしても採用したい場合は、極力乾燥しやすいものを選びシロアリがいないかこまめにチェックしましょう。

・シロアリ保証を活用する
最近の新築には「シロアリ10年保証」などがついていることがあります。

シロアリ被害が出始めるのは早いと築5年頃からなので、保証期間内に定期的にチェックしてもらい、しっかり保証を活用しましょう。

③早期発見

シロアリが万一家の中に侵入した場合でも、早期に発見できれば補修が可能ですし費用も安く済みます。

・蟻道(ぎどう)がないかチェックする
蟻道とは、シロアリが作る通り道です。
基礎の部分などに土で出来た細い線のような跡があればそれが蟻道です。

蟻道がある場合は、シロアリが床下などに侵入した可能性が高いのですぐに専門業者やハウスメーカーに見てもらいましょう。

・湿気の多い場所をチェック
シロアリはとにかく湿気の多いところにやってきます。

玄関・お風呂・トイレ・キッチンなどの水や湿気の多いところは定期的にチェックしておきましょう。

玄関は実はとても湿気の多い場所なので要注意です。

・床下のチェックをする
床下に入って点検するのは、じつは素人の方でも可能です。
業者に依頼するとそれだけで費用がかかることがあるので、できそうならまずは自分で点検してみるのもおすすめです。

チェックポイントは、蟻道がないか・木材を金づちで軽く叩いても崩れないか・湿気がたまっていないかなどです。

注意点は、汚れても良い服装で行うこと・配線や配管がある箇所は触らないこと・必ず床上に誰かに待機していてもらうことです。

以上が木材の腐敗とシロアリ被害についての解説と対策です。

生涯をかけた買い物である「家」。

買って終わりではなく、ずっとお金と手間がかかるのがマイホームです。

少しでも長く安心して住めるように、知識をつけておくことがとても大切です。

まとめ

いかがでしたか?

この記事ではローコスト住宅の木材について詳しく解説しました。

木材の腐敗やシロアリ被害については、ローコスト住宅に限らず木造住宅の宿命とも言うべき問題です。

ローコスト住宅は、限られた予算の中での家づくりになります。

その中でもコストをかけるべきなのは、普段目にする設備や内装ではなく、木材や断熱材などの普段目につかない構造部分です。

この記事をきっかけに、家の木材選びやこれからの家のメンテナンスに真剣に取り組んで、長く安心して住める家づくりをしていただければ幸いです。

まず住宅展示場に行くのはNG?!家づくりの成功は「メーカーの比較」が絶対条件!

そろそろ家を建てたい!週末に近所の住宅展示場に行こうかな。

ちょっとまって!それはもしかしたら「失敗する家づくり」の第一歩かもしれません。

「アウェー」の住宅展示場ではなく、「ホーム」で冷静にメーカーの比較検討を

「3回建てないと理想の家はできない」と言われるほど難しい家づくり。ただしそれは前の話。
インターネットが普及した今、多くのハウスメーカー・工務店の口コミや、建てた家の住み心地が分かるようになりました。

家づくりの第一歩として、複数社のカタログを一気に比較検討できるカタログ請求がおすすめです。
自宅なら冷静な頭で判断できますし、住宅展示場ならではの営業トークで契約を早まることもありません。

家づくりは巨額なお金がかかりますよね。

そんな人生最大のイベントなのに、いきなり住宅展示場に行って、営業マンと話が盛り上がりそのまま契約して後悔するという人が後を絶ちません。

住宅展示場はある意味アウェーの場。

豪華な設備やきれいな設えに気分が盛り上がるのはしょうがないことです。
ですから、冷静な頭で考えられる「ホーム」でしっかりと会社を比較検討することが大事なのです。

家での比較検討には「カタログ一括請求」がぴったり

「カタログ一括請求」ってご存知ですか?

家を建てたい地域やイメージ、希望の価格などを入力し、気になる会社にチェックをするだけで、その会社のカタログが自宅に届けられるというものです。

家づくりのカタログの一括請求のサイトはいくつかありますが、こちらのサイトはどちらもオススメです。

★★★★★

たった一度の無料資料請求で注文住宅のカタログをまとめて取り寄せできる

  • 1,000万円台の建物価格からのお取り寄せ
  • ローコスト、平屋などのテーマ別のお取り寄せ
  • 建設予定地から全部のメーカーをまとめてお取り寄せ
  • 無料でまとめてお取り寄せ
  • 「はじめての家づくりノート!」もれなくプレゼントあり
★★★★★

「まだよく決めていない人」~「細かい希望がある人」までカバー可能。本気の家づくりをするあなたに寄り添います。

  • 無料で複数社のカタログを取り寄せ可能
  • 利用満足度、知人に薦めたいサイト、使いやすさすべてでNo.1の堂々3冠
  • 複数の会社と商談する必要なく、細かい希望まで伝わる
  • 「成功する家づくり7つの法則」小冊子プレゼント

家づくり初期段階だからこそ「カタログ一括請求」してほしい

家づくりのイメージが固まっていない初期段階のうちにカタログ請求を使うのは抵抗がある方もいるかもしれませんが、それは逆です。

複数社のカタログを見ているうちに「これは好き」「これは嫌い」とどんどん自分の好みの家のカタチが分かってくるのです。そして、カタログの良いところはなんといっても「家族と見られる」ことです。

ご自身と、大事な家族と一緒にカタログを並べて、理想の家について話し合ってみてください。今度の週末は、こちらのカタログを見ながら、家族で家づくりの会議をしませんか?

★★★★★

たった一度の無料資料請求で注文住宅のカタログをまとめて取り寄せできる

  • 1,000万円台の建物価格からのお取り寄せ
  • ローコスト、平屋などのテーマ別のお取り寄せ
  • 建設予定地から全部のメーカーをまとめてお取り寄せ
  • 無料でまとめてお取り寄せ
  • 「はじめての家づくりノート!」もれなくプレゼントあり
★★★★★

「まだよく決めていない人」~「細かい希望がある人」までカバー可能。本気の家づくりをするあなたに寄り添います。

  • 無料で複数社のカタログを取り寄せ可能
  • 利用満足度、知人に薦めたいサイト、使いやすさすべてでNo.1の堂々3冠
  • 複数の会社と商談する必要なく、細かい希望まで伝わる
  • 「成功する家づくり7つの法則」小冊子プレゼント
 
ページのトップへ