『最上階角部屋在住』と聞いて、みなさんはどういう印象を持たれるだろうか。
「いいとこ住んでるねえ~」だろうか、それとも「お金持ってるねえ~」だろうか、はたまた「わたしなら絶対ごめんだね」だろうか。もちろん価値観はさまざまながらも、やっぱり「住めたらいいよね、最上階角部屋」な印象を持たれる方が多いのではないかと思う。
しかしである。それはそうだけど、みんなが想像してるのは、港区とかベイサイドとかの新品でイケてる方の、デザインがナーズしてたり、セキュリティがコンシェルジュしとるやつなんじゃないのか?スペックがハイなやつを思い浮かべてしまってはいないだろうか??
……そう、「最上階角部屋」というても一概にすべてがパラダイス銀河(ものすごく素晴らしいの意)しているわけではない。ないんだ、姉さん……!!(誰?)
……という、考えたら至極当たり前のことを、当該形式マンション在住6年目の漫画家サミィ・チャンが、自身の体験を交え皆さまにご紹介申し上げたいと思います。
今、最上階角部屋を狙っている方いない方、また、なう最上階角部屋!って方も、結局みなさん、「中の下の最上階角部屋の話」ちょっと覗いていかれませんか?
【著者】サミィ・チャン
漫画家、作家。「サミィ・チャンの終日ギャグ生活」ライブドアブログ公式ブロガー。
関西出身、東京都在住8年目。続々と友人知人が結婚し、彼らの背中が圧倒的に遠くなったと感じた時、何を血迷ったのか4コマ漫画家になろうと決意。
ブログの書籍化の後、中の下程度の人気を保ちながら、ちょこちょことコラムや漫画の仕事をし、築35年古マンションの最上階角部屋で死ぬほど細々と暮らしています。著書『ダメ子ライフ』(売上も中の下だったとか)
目次
上京したての頃、住んだのは都内の1Rマンションだった。
12階建てマンションの402号室で、その部屋しか空いておらず、一瞬「死に(402)だから空いているのか?」などと若干の不安を感じたものの、家探しに疲れ切っていたこと、立地条件が最高に良かった事でその不安は「幸せに(402)だな」というだいぶ強引な解釈でやり過ごした。
しかし、その読みは大外れだった。
上の階の住人がとんでもない騒音住人だったのだ。(どれほどの騒音だったかという話だけで一万文字書けそうなので、詳細はいつの日か)騒音は毎晩深夜まで続き、それをわたしはある思い一心で耐えた。
願いは怨念となり、情念となり、執着となりガッツとなり、形相も変えて、わたしはその夢を叶えた。(余談だが、私が出ていく3日前、騒音住人も引っ越した。ええ加減にしろよ)
物件探しの手間取る理由に「条件が絞り込めない」「優先順位がブレる」などがあると思う。でも、わかる。駅近がいいけど、風呂がめちゃくちゃキレイだったら、やっぱ駅から遠くてもいいかな。ってなる。
それは当たり前だと思う。しかし、この時わたしは「最上階角部屋」への執着に狂っていたため、条件にブレがなく、そしてそのお陰なのか、意外にも早くしかも予算内かつ23区内に希望物件を見つけることができたのである。
しかしここで、声を大にして言いたい注意喚起がある。
もちろん、これは『最上階角部屋』だけの話ではない。
やべーところに目をつむる代わりに、いいとこを見ろや。と不動産屋さんなり、管理会社さんなりにうまい事ごにょごにょってされたらだめだよー!という事であり、何より一番怖いのは、それを自分の意思でやってしまうという事なのである。
はっきり言う。わたしは、した。
自らの意思で豪快にミスった。『最上階角部屋!』に浮かれ、角部屋なのに二面遮光じゃない事や、窓の雨除けが人差し指の第一関節ほどしかない事や、建物が古すぎてそもそもほんのり臭い事とかが、まったくのおざなり状態だったのである。
この部分、みなさんぜひ今日はこれだけでも覚えて帰っていただきたい。むしろ、このあと、もうおもしろ要員しかでてきませんので。いいですか。ご唱和ください。
「良い条件、輝き増したら、影を見ろ」
ありがとうございます。後生大事にします。(お前がかい)
そうは言っても、あるでしょう?最上階角部屋である「恩恵」が!ですよね。
これから、住まう人々のため少しでも夢と希望をお届けするのがレポをレポする人間の務めです。ですからね、ぜひ言わせて下さい。たった一言こちら。
家による。
これに尽きるんですよね。
一番上に住んでいても、目の前のマンションとの距離5cmとかだったら静岡でもサザエさんの家に住みたいですよね(例えがややこしい問題)一つ前の項目にも書いた通り、本当に一番欲しい条件の光明が差した時こそ、その影を冷静に見て、決めるのですよ。(仏陀のポーズで)
さんざん最上階角部屋っていうか古いマンションをややディスリしながら、ここでまさかの箇条書きで、最上階角部屋(古いマンションver.)あるあるをご紹介します。
いい部分も悪い部分も個人の価値観だと思うので、お気に入り条件があるといいですね。
いかがでしたか?
この、いかがでしたか?って一回やってみたかったんですよね。
いかがもなにも、こうして他人が住んでいる家の情報を読んでも、結局感じるのは自分の気持ち。自分が今住んでいるお家をどう思ったか、これからどう思うか。少しだけ思いを向けてくださるきっかけになったなら幸いです。
最上階角部屋も悪くない!でも悪いところもいっぱい、そんなわたしもしょうもない話の中で「それでもわたしは!」と貫きたいこだわりを見つけたあなたは、ぜひそれを大切にこれからの家選び、住まいつくりに役立てて下さい。
人の話の全部は参考にしないこと。その軽~い感覚が、幸せな住空間獲得への近道なのだとわたしはそう思っています。
【著者】サミィ・チャン
漫画家、作家。「サミィ・チャンの終日ギャグ生活」ライブドアブログ公式ブロガー。
関西出身、東京都在住8年目。続々と友人知人が結婚し、彼らの背中が圧倒的に遠くなったと感じた時、何を血迷ったのか4コマ漫画家になろうと決意。
ブログの書籍化の後、中の下程度の人気を保ちながら、ちょこちょことコラムや漫画の仕事をし、築35年古マンションの最上階角部屋で死ぬほど細々と暮らしています。著書『ダメ子ライフ』(売上も中の下だったとか)
ブログ http://sammychang.blog.jp/
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