三階(界)に家無し?~外的な要因で引っ越しせざるをえなかった時の話~

三階(界)に家無し?~外的な要因で引っ越しせざるをえなかった時の話~

はじめまして、髙田ナッツと申します。普段はネコノラ通信で、猫のような夫婦の日常マンガを描いています。よろしくお願いします。

今回は、外的な要因で、引っ越しを余儀なくされるに至った体験談を、4項目にわたって、赤裸々に語らせていただきます。

【著者】髙田ナッツ

20歳以上年の差のある、猫のようにマイペースな夫婦です。ささやかだけどポカポカな日常生活を、楽しく四コマ漫画で描いています。
ブログ:https://www.nekonora.com/
X(旧Twitter):https://twitter.com/nut_1107

目次

パトカー出動多発!事件

激しすぎる下の階の住人さん

当時、新婚ほやほやだった我々。アタシ達の収入に見合った、住みやすい街を求め、ネットの住宅情報を血眼で物色。希望は築浅で家賃7万円代、間取は2LDKで30平米以上。最寄り駅から徒歩10分程度で、都内は譲れない。あぁ、こんな物件あるんかいな。

その後、なんとか条件に合う物件を見つけ、新生活をスタート!したはずだったのですが…

あれは、住み始めて3日目の夜の事。布団に入った23時半。下の階から「ウルセー!」という怒号と共に、耳を塞ぎたくなるような衝撃音と地震のような揺れ!どうやら酔っぱらった男性が、暴れている模様。

しばらく経つと、その日は収まったのですが、また翌日の夜も!今度は、女性の嗚咽まじりの悲鳴まで!驚いたけれど「夫婦喧嘩か、激しいな~」ぐらいに留めておきました。

しかし、刃傷沙汰のような夫婦喧嘩は毎晩のように行われ、日に日にヒートアップ!何を叫んでいるのかわからない子供の泣き声が聞こえてきた日(お子さんもいらしたようです)、ついに近隣住民の誰かが、警察に通報して下さり、パトカーが到着。

興奮状態のためか、警官の訪問を拒む夫婦喧嘩の夫。すったもんだの悶着があった後、ようやく一件落着。アタシ達は、なんとか眠りにつく。

その翌日の晩。深夜布団に入りウトウトしかけていた所、今度はリコーダーを吹く音が床下から鮮明に聞こえてきたんです。

これが鳴り止まない。10分くらいで終わるかな、とのんびり考えていたら、2時間近くもやっているんです!これには閉口しました。

その日から「夫婦喧嘩→リコーダー」という忌々しいパターンが、毎晩のように繰り返されるようになり、かなり神経が擦り減りました。

ところが、3か月後下の住人さんは夜逃げのようにある日忽然と消えました。

その後は3度住人が変わり、そのたびに必ず警察沙汰になっていました。そして、出ていった部屋の窓が必ずどこか割れていたのです。

激しい人を引き寄せる磁場のようなものが、下の階の部屋にあるのではないか…と感じずにはいられない、後味の悪い体験でした。

向かいのアパートの住人の消息

ちょっとゾッとするタイプの通報も。

とある日のお昼、向かいのアパートのドアを激しくドンドン!っとたたく音が聞こえました。窓からこっそり様子をうかがうと、40代位の女性が、激しめにノックしているのが見えます。

「〇〇さん、大丈夫ですか?」「会社を無断でお休みになられているから気になって」

その後、警察や大家さんがやってきて、一時騒然としましたが、住民は訳あって長期の留守のようでした。我々を含む周囲の住民は、ひとまず孤独死でないことに安堵。

後日、「大島てる」で事故物件リストに上がっていないか確認しましたが、なかったので、たぶん生存されていることでしょう。(それからお姿をお見掛けしてないけれど、ご無事を祈るばかり)

住めば都…のはずが!

このアパートで、生活する中で困っていたことは、建付けが悪く、隙間風と砂の侵入が激しかったことや、階段に設置されている常夜灯が全て切れていて、3階まで懐中電灯必須だったこと等など、細々とありましたが、それでも住めば都とばかりにアタシ達は、できるだけおだやかに暮らしていました。

しかし、アタシ(富士額わがはい)が、どうしても我慢ならなかったことが1つだけあります。不快害虫が毎年、大発生したことです。

ある日、玄関で靴を履こうとすると、砂利のようなものが沢山ついていたので、払おうとして顔に近づけてみた所、なんと、その小さな砂利たちが、モゾモゾ動いているではありませんか!

この虫の正体は「コナダニ」。高温多湿な環境を好む雑食性の白いダニで、一度大量発生すると中々完全に駆除することが難しい虫です。

気付けば、靴だけではなく、歯ブラシにもびっしり付着!

歯ブラシは勿論のこと、靴も全滅…捨てました…(´;ω;`)

大家さんのお礼

真下の住民の謎の雨漏りの原因究明のため、ある日リフォーム業者のおじさんがやってきて、我が家の床下の一部を、電ノコでくり抜いて調べることになりました。

結局、床下を覗いても原因がわからず、我が家の床の一部は不格好に穴を塞がれた始末。

後日、やってきたのは、70代のはつらつとした大家のおばちゃま。

「ご迷惑かけたねぇ、これ、そこのスーパーで買ったフルーツです」と頂いたのは、ご自宅のお庭に生えていただろうみかん。(袋こそ近所のスーパーのものだったケド…)

とれたてである証拠のように、大家さんのズボンに青虫がついているのを、黒猫クインシーは見逃しませんでした。

この大家さん、下の住人の家賃の支払いが遅れた際、毎日ドアの前で大絶叫して追い込んだり、退去時に「敷金返還しますよ」と言ったっきり、連絡がなかったりと、中々強烈な方でした^_^;

個性的な隣人さん

隣人さんはヘビースモーカーで、よくベランダで煙草を吸っていたので、我が家はガチでヤニ臭く、消臭スプレーをしょっちゅうふりまいていました。

それだけではなく、隣りのベランダのゴミが、風に乗って我が家のベランダまで運ばれてきてしまったり、時々大音量で、X JAPANの曲をかけて、歌いだす始末。

日々、耐え忍んでやり過ごしていた頃、ふとベランダを見ると、隣人さんの名前の入った処方薬の袋が!

「なんでこんな物がベランダに!(# ゚Д゚)」と、怒り心頭で丸めてゴミ箱に捨てようとした際、ふと記載されていた薬の名前が目に入ってしまった黒猫。「この薬、抗うつ薬ッス…苦労なさってるッスね…」

さっきまでの怒りはどこへやら。なんだかしんみりしてしまい、大家さんにチクるのは思いとどまることにしました。

そして、我が家にも影響が…?

外部の凶要素が多いので、せめて我が家の中だけでも、快適で安心できる空間にしよう!と、部屋をできるだけ片付けたり、霊験あらたかなオフダを貼ったり、こまめに掃除したりしていたのですが、ある時一斉に家電や家具(ガスコンロ・冷蔵庫・トースター・掃除機・パソコン・プリンター・クローゼット等)が壊れてしまいました。

このままではいけない!と、断捨離をしてみたり、法事の際に余ったお線香を炊いてみたりしましたが、効果があったかどうかは分からず。

新しいアパートへ

結局そのアパートには6年ほど住んだのですが、黒猫の転職を期に、離れることとなりました。振り返ってみると、色々な方の人生や世界を、垣間見させて頂いた貴重な6年間だったのかも。(決して戻りたくはないけど;)

新しい引っ越し先は、家賃も安く、騒音トラブルもなく穏やかに過ごせています。

ただ、少しだけ気になることが…。アタシの大の苦手な「ムカデ」が、家の中で何度も発見されていることです。

我々夫婦に、この先待っているものとは!一難去ってまた一難でないことを祈るばかりです。そして、この記事の、なにか1つでも皆様に役立つことがあるといいなあ~っと願っています☆

【著者】髙田ナッツ

20歳以上年の差のある、猫のようにマイペースな夫婦です。ささやかだけどポカポカな日常生活を、楽しく四コマ漫画で描いています。
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