家に対する理想はあるものの、家づくりはいろいろ面倒なことがあって億劫に思うこともあります。とくに日々仕事や家事・育児で忙しい人にとっては、できるだけ無駄なく効率的に進めたいとも思いますよね。
時間の無い人ほどしっかりと準備をすることが大切です。
準備なしの状態でスタートを切ってしまうと、何かあった時に対応できず立ち止まることになり、かえって時間がかかってしまうためです。
当ページでは、
- 理想の家を建てたい
- 他の人はどんな家づくりをしているのか知りたい
- 家を建てる流れを漏れなく知りたい
- 家づくりでよくあるトラブルに備えたい
このように思う方に向けて詳しく解説しています。
ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
家を建てるのは実際こんなかんじ!全国平均データと先輩100人の声
「家を建てるってどんなかんじなんだろう?」と漠然とした不安をいただいている方には、なにより実際に家を建てた先輩方の声を聞いていただくのが一番だと思います。
実施方法 | インターネットによる選択・記述式 |
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対象者 | 実際に家を建てた経験のある100名(全国) |
実施時期 | 2019年8月 |
<家づくり全般について>
(1)家を建てた理由・きっかけは?
(2)家づくりで重視したことは?
(3)家を建ててよかった?悪かった?
(4)その理由は?
<家づくりの費用について>
(5)住宅購入前の家賃と比べて、購入後の月々の支払金額は?
(6)頭金はいくら用意しましたか?
(7)家を建てるときに不安だったことは?
家を建てる理由・きっかけの第一位「子どもの進学・誕生・成長」第二位「家賃の節約」
家を建てた理由・きっかけは?(複数回答可) | |
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子どもの進学・成長・誕生 | 41人 |
家賃がもったいないから | 14人 |
結婚 | 9人 |
同居 | 7人 |
もともとの夢だった | 7人 |
土地があった/みつけた | 7人 |
建て替え | 5人 |
実家からの独立 | 4人 |
消費税増税 | 3人 |
社宅のリミット | 3人 |
その他 | 5人 |
家を建てた理由・きっかけの第1位は「子どもが幼稚園に入園するから」「子どもが大きくなって子ども部屋が欲しいから」「子どもが生まれるから」といった子どもの進学・成長・誕生に伴うものでした。
第2位は、「賃貸に払う家賃がもったいないから」という経済的な理由でした。
第3位以降は横並びで、結婚や両親との同居といったライフイベントのほか、「両親の土地があった」「実家が古くなったので」といった方、「もともと実家に住んでいたが、家を出たくなったので」という方もいました。
その他では「自治体の区画変更によって、家を取り壊さなければいけなくなった」「年齢的に、住宅ローンを早く組みたかった」という意見もありました。
家を建てるきっかけは、思っていたよりバリエーションがあるのう!
賃貸住まいだけではなくて、もともと実家や社宅に住んでいた人たちにも家を建てるきっかけがあるんだねえ~
家づくりでの最重視はやはり「間取りやプラン」!次に「価格」「外観のデザイン」と続く
家づくりで重視したことは?(複数回答可) | |
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間取りやプラン(部屋数・広さ・収納など) | 92人 |
価格 | 71人 |
外観のデザイン | 40人 |
断熱・気密性 | 35人 |
耐震・耐火性能 | 31人 |
アフターサービス・長期保証 | 28人 |
その他 | 7人 |
100人中92人が「重視した」と答えたのは、間取りやプラン。次いで価格でした。
外観といった見た目よりも、自分たちの住みやすさを重視していることがよく分かりますね。
断熱・気密性や耐震・耐火性能といった家づくりの基礎部分を重視している方も一定数いました。
その他では「大手ハウスメーカーかどうか」「担当者との相性」「防音設備」「駐車スペースがとれるかどうか」といった声があがりました。
家を建ててどうでした? 回答者の【80%】が「家を建ててよかった!」
家を建てて…… | |
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よかった | 80人 |
悪かった | 4人 |
どちらとも言えない | 16人 |
「家を建ててよかったですか、悪かったですか」という問いに対して80%もの「よかった」との回答がありました。この回答は、これから家を建てる人にとっては希望ですよね。
「家を建ててよかった」と答えた人たちの声
「家を建ててよかった」と回答した人たちの生の声をいくつか掲載します。
ぜひ参考にしてみてください。
自分の家なのでモチベーションが上がります。間取りも理想的なものになったので、過ごしやすいです。家が広くなり、子どもも遊ぶのがとても楽しそうです!(30代・女性)
年ごとにローンの支払い額が減っていき、お金を家賃のように捨てているような感覚がないことがいいです。(30代・男性)
マンションでは敷金を気にして、少しでも綺麗に住まなければと思っていましたが、今は気楽に暮らせますし、ペットも飼えるようになりました(20代・女性)
そこの土地に腰を据えるという感覚がありました。奥さんの地元だったということも良かった点だと思います。(40代・男性)
「家を建ててよかった」と回答した人の中では、自分のこだわりを実現した間取りでのびのびと暮らせていることや、老後の心配がないことを理由にあげている方が目立ちました。
「家を建てて悪かった」と答えた人たちの声
「家を建ててよかった」という人が多い一方で、真逆の意見を持つ人も。
ここでは、家を建てて後悔している人の声をピックアップします。
間取りが悪く、家事導線が最悪。住みづらい。(30代・女性)
家を建てた事により経済的に苦しくなり、結局は家を売り離婚してしまいました。
ローンだけではなく、月々のランニングコストも大きく変わってしまいました。(40代・男性)
近所付き合いが多くて大変。賃貸の時は気楽に過ごせたのに一軒家って面倒。(20代・女性)
家を建てるのが本当に大変だった。ハウスメーカーの人と何度も打ち合わせをしましたが、主人が単身赴任だったのでほとんど妻の自分だけで決めることに。良い家はできたけれど、主人とはすれ違いが多くなり離婚することになりました。(30代・女性)
「家を建てて悪かった」と答えた人は、家自体への不満、資金計画のほころび、近所づきあいといった環境面により家づくりを後悔しているようですね。
「家を建ててよかったとも悪かったとも言えない」と答えた人たちの声
家を建てたけれど、実際には良いも悪いも判断できないという人も一定数います。
「よかった」と言い切れない理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
家を建てたことで子育てはしやすくなりましたが、自己資金を貯められていなかったため、立地が良くないことが不満です。(30代・女性)
断熱性のすぐれた家で、土地も良かったし、小さいけど住み心地はいいと思います。
失敗したところは、玄関が狭かったのと、収納がもう少し欲しかったです。住んでみないとわからない点でした。後から色々でてきましたね。(20代・男性)
自己所有の家があるということは、安心して住める場所があるということです。その意味では良いと思います。しかし、近所トラブルなどに巻き込まれると簡単には引っ越せませんしランニングコストもかかるため、良くない部分もあります。(50代・男性)
「家を建てて、よかったとも悪かったとも言えない」と答えた方からはリアルな声が聞かれました。とくに、妥協したことが不満へと繋がっているケースは参考になりますね。
このような生の声をぜひこれからの家づくりに生かしていきましょう。
家を建てたあとの月々の支払額は、6割が「増えた」
家を建てたあと、月々の支払額は | |
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増えた | 58人 |
あまり変わらない | 28人 |
減った | 14人 |
家を建てたあとの月々の支払額は「増えた」と答えた方が58%でした。
一方、「あまり変わらない」「減った」と答えた方も半数近くに。
この「増えた」にもさまざまあり、
単純に月々の負担が辛いと感じる人もいれば、終わりがあるから頑張れる、賃貸ではなく自分の物となるのだから賃貸よりマシ…など人によって捉え方が異なるようです。
月々の支払い額については、多少増えたとしても、無理のない範囲に留めておくのがベターです。
家を建てるための頭金の額、半数以上が「300万円未満」と少額
頭金はいくら用意しましたか? | |
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頭金なし~100万円未満 | 29人 |
100万円以上~300万円未満 | 22人 |
300万円以上~500万円未満 | 15人 |
500万円以上~700万円未満 | 13人 |
700万円以上~900万円未満 | 3人 |
900万円以上 | 18人 |
頭金を900万円以上用意したという方も一定数ながら、半数以上の方が頭金300万円未満で家を建てていることが分かりました。
低金利が追い風になって「貯金するよりもローンを組んでしまった方がいい」と考えたのじゃろうな!一理あるぞい
子どもが家を建てるきっかけなら、教育費は手元に残しておきたいもんね~
長期間でローンを組んでも繰り上げ返済しているという人もいるよね!
先輩たちも「住宅ローン」が、家を建てるときに不安だった
家を建てるときに不安だったこと(複数回答可) | |
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住宅ローンがちゃんと支払えるかどうか | 47人 |
近所に変な人がいないか。うまく馴染めるかどうか | 16人 |
希望通りのプランで家が建つのか | 12人 |
費用 | 11人 |
手抜き工事されないか | 5人 |
災害が起こったときに家が壊れないか | 3人 |
その他 | 7人 |
なし | 9人 |
家を建てる前に心配だったことのダントツ1位は「住宅ローンがちゃんと支払えるかどうか」でした。約半数の先輩が住宅ローンについて不安を抱いていたようです。
家は一生に一度の大きな買い物であることから、本当に進めてしまっても大丈夫だろうかと不安に思うのは当然です。しかし、「住宅ローンの支払いが不安」と答えた47人中38人は「家を建ててよかった」と回答しています。ぜひ前向きに検討していきましょう。
家を建てるなら、まず最低限これだけは整理しよう
家を建てることを考え始めたときに、最低限は整理しておきたいポイントをお伝えします。
賃貸か持ち家か。おトクなのはどっち?
実際には、賃貸と持ち家のどちらがトクかを一概に言うことはできません。
というのも、どちらをトクに感じるかは個々のライフプランによるところが大きいためです。
例えば、転勤を伴う仕事をしている、都度転職しながらスキルアップをしていきたい、高額な出費をしたくない、などという人にとっては賃貸の方がトクです。
一方、家を建てたら引っ越しするつもりはない、資産が欲しい、家賃を払うくらいならローンを払った方が良い。と考える人は家を建てる方が向いています。
このように、これからの人生をどう考えるかによって賃貸か持ち家か、どちらが適しているかがわかってきます。
ただ、住居にかかる費用を抑えたい人にとっては、持ち家がおすすめです。
持ち家は最初に頭金等かかるため、支出を少なくしたい人からは敬遠されがちです。
しかし以下のグラフを見てみてください。
持ち家の場合、ローンが終われば、あとは固定資産税とメンテナンス費で済みます。
いつまでもお金を払い続ける必要はないのです。
つまり、長生きすればするほど持ち家はトク、賃貸は損、ということになります。
厚生労働省によれば、2017年の日本人の平均寿命は、男性は81.09歳、女性は87.26歳と、過去最高を更新しています。医療技術の進歩により、平均寿命はますます延びると予想できます。そのため、コスト面を重視するのであれば持ち家の方がトクと言えるでしょう。
「持ち家」には3種類ある!
「持ち家」と一口に言っても、家にはいくつか種類があります。大きく分けて「中古住宅」「分譲住宅」「注文住宅」の3つです。
「中古住宅」とは
すでに家が建てられ、そこに誰かが過去に住んだことのある住宅です。
新築に比べ割安で一戸建てに住めることで人気があります。
ただし、築年数によってはリフォームが必要になったり、耐震・耐火構造に不安があったりすることも。また、昔の家主がペットを飼っていたり喫煙者だったりすることで、過敏な体質の人にとっては、クリーニングで取り切れない有害物質によるアレルギーや副流煙の心配もあります。新築に比べて、登録免許税などの税が多くかかる場合もあります。
入居の有無に関係なく、建てられてから2年以上経過した住宅を「中古住宅」と言う場合もあります。(フラット35など)
「分譲住宅」とは
建売住宅とも呼ばれます。すでに家が建てられており、土地とセットで販売されています。
すぐに入居可能なことから、転勤や入学などの期限がある方や家づくりにパワーをかけられないという方におすすめです。まとまった分譲地では、同じ年代の家庭が集まりやすいメリットもあります。
実際の建物を見てから買えるため、「イメージと違った」ということはなく安心です。
注文住宅よりも安価で購入できる点もメリットです。
ただし、間取りは画一的な設計が多く、家づくりを楽しむということはできません。
また、家の価格を提示して大々的に宣伝されることが多いため、近隣の人などに家の価格を知られるという点もネックです。
「注文住宅」とは
土地があり、そこに施主がこれから打ち合わせを重ねて意向を反映した住宅を作るものです。「家を建てる」という場合はほぼこちらにあてはまります。
設計から完成まで、施主と担当者とで計画していくため、「こういう家に住みたい」を最も実現できるのがメリットです。
また、基礎工事から立ち会えるので、手抜き工事を阻止できるというメリットも大きいでしょう。
ただし、オーダーメイドなので分譲住宅に比べても費用と手間が多くかかります。
実際の家が出来ていない状態で契約することのリスクもあり、注意深く勉強する必要があります。
注文住宅の中には、部分的に施主が設計を選べる「セミオーダー型」の住宅や、建築会社が決まっている「建築条件付き土地」なども含まれます。
最近では、コストをぐんと落として必要な箇所だけこだわる「ローコスト住宅」という選択肢もあります。
「なんで家が欲しかったんだっけ?」は迷ったときの道しるべ
これから家づくりを進めていくのなら、この答えはずっと大切にして、いつでも振り返られるようにしておきましょう。
家を建てるには多くの打ち合わせや決断が必要になります。
親やパートナーと意見が合わないときもあるでしょう。そんなとき、家を建てるキッカケを思い出せると、優先順位を付けることができます。
あなたはどんな理由で家を建てる?
例えば、「子どもが大きくなって家が手狭になった」というきっかけなら、
間取りでリビングを大きめに確保したり、足こぎバイクやプールセットを置けるような庭や物置をつくったりする選択肢もありますよね。その分、キッチンや内装のグレードを抑えるといった工夫もできるでしょう。
例えば、「家賃がもったいなくなって」という理由なら、
将来を見据えたメンテナンス費のかかりにくい家づくりを目指すこともできますね。子ども部屋は多用途に使えるように設計したり、主要設備は1階に集めて、将来減築したりすることだって視野に入ってきます。
費用の計算をしたり必要な事務作業に明け暮れたりしていると、つい「あれもこれも」となんでも取り入れたくなってしまいますが、費用は有限なのに選択肢は無限大にあるのが家づくり。
原点に立ち戻って、必要なものと不必要なものをしっかり見極めてスマートな家づくりを目指したいですね。
自分が家に何を求めているのかをしっかりこの段階でイメージして整理しておくことが、いい家づくりの第一歩です。
家を建てる資金計画はどうやって立てる?
「なんで家が欲しかったんだっけ?」という家づくりの原点を確認したら、いよいよ家を建てるための実現に向けて動き出していきましょう。
自分の家を持つためには多額の費用が必要で、その費用は多くの場合、住宅ローンを組んで数十年かけて返済していくことになります。
そのため、自分や家族の収入や支出が数十年どのような見込みになりそうか、しっかり考えておく必要があります。
この見込みを考えるときに、ライフイベント表・キャッシュフロー表が役に立ちます。
もしこれまで家計簿をあまり付けていなかったような家庭にとっては大変な作業になりますが、資金についてちゃんと考えることなしに家づくりをスタートするのは自分の首をしめるも同然です。無理のないローン返済を実現するためにも、資金の計画はしっかりと詰めておきましょう。
ライフイベント表やキャッシュフロー表は、上記の日本FP協会や、ファイナンシャルプランナーを利用することで作成することもできます。
家を建てる価格とローンの「実際」
家庭の資金状況を振り返ることができたら、家を建てるのに必要な費用や平均額を見ていきましょう。
家を建てるには、土地代・家にかかる本体とオプションの工事費・家の登記や手続きをするための諸費用が必要です。
不動産広告を見ると、建物本体費用のみの金額しか書いてないことがよくあります。
その場合は、だいたい3割程度の追加費用がかかるということに十分気を付けましょう。
家を建てるには、物件価格の2割~3割の自己資金を用意できるのが望ましいとされています。しかし、低金利でローン借り入れが有利なことから、頭金1割や1割以下での借り入れも増えています。
そういった「フルローン」を利用する際には、急な出費や当座の生活費をきちんと確保しておくことが必要です。
家を建てる費用の細かい内訳やフルローンについて知りたい方はこちらへ
家を建てるのにかかる全国の平均工事費や貯金の目安についてはこちら
住宅ローンについて詳しく知りたいという方はこの記事へ
家を建てるタイミングに迷ったら一度止まる
「いつ家を建てるのがベストのタイミングなの?」このよく聞かれる悩みにあえて答えを出すならば、「自分の資金計画が整い、金利や税制優遇措置の恩恵を得られるとき」でしょう。
「増税するから」「金利が低いから」と家を建てるのは早い方がいいのではとつい焦ってしまいますが、資金計画などの準備が出来ていないのにそういった外の声で見切り発車してしまうと、期間や費用がタイトになって計画に無理が生じかねません。
いい家づくりをした人たちに共通することは、計画やローン返済に納得感を持っていることです。
もし「今、家を建てていいのかな……」と迷っている人がいるならば、勇気をもって一度計画をストップしましょう。そして、不確定な要素はなるべく排除し、十分な資金計画と家づくりへの熱意を揃えてまた再出発しましょう。
家づくりのタイミングについてもっと詳しく記事で解説しています。
家を建てる流れや手順については、以下の記事で詳しく解説しました。
なお、家づくりにはだいたい1年ぐらいかかることが多いようです。
実際に家を建てるための行動をスタート!失敗しないポイントとは
自分の希望とする家のイメージづくりや資金計画ができれば、いよいよ実際に家を建てるために動き出していきます。
土地と依頼先探しから家が完成して入居するまで、しっかり解説していきますよ。
いい家を建てるには、土地探しと依頼先探しを同時並行する
家を建てるパートナーのことを「依頼先」と呼びます。
というのも、家を建てるパートナーにはハウスメーカーや工務店、設計事務所など種類があるので、「建築業者」と一括りにできないのです。
まずは土地を確保し、その後で依頼先を探して……とイメージする方は多いと思いますが、その二つは同時並行で探すことをオススメします。その理由は2つあります。
土地によって建てられる家が制限されてしまうから
一番の理由は「買った土地次第で、建てられる家が制限されてしまうから」です。
土地には法や自治体の制限など、見えない決まりごとがいっぱい潜んでいます。役所に問い合わせたり調べたりすることである程度はカバーできますが、専門家でないと分からないこともあります。
購入を検討する土地があるならば一度専門家を同伴し、「その土地で建てたい家ができるかどうか」をしっかりチェックしてもらう必要があります。
土地の制限についてはこちらの記事に詳しくまとめています。
土地だけでは原則、住宅ローンを使えないから
土地を確保するには土地代の支払いが必要ですが、土地のみを対象にした住宅ローンというのはほとんどありません。あっても金利が高かったり、住宅ローンと二本立てになることで諸費用が二重にかかってしまったりといったデメリットがあります。
土地代を住宅ローンに組み込むためには、土地と住宅をセットでローン対象にしなくてはなりません。そのためには、土地と建物の完成のタイムラグを少なくすることが大事です。
「ローンのために、土地を確保してから二週間で家を建てる契約をしなくてはならなかった」という人もいます。せっかくの家づくりなのに、たった数週間では納得のいくものは出来ませんよね。
家を建てる依頼先の情報収集
家を建てるパートナーである依頼先には、大きく分けてハウスメーカー、工務店、建築家などの設計事務所の3つがあります。
ハウスメーカーでしたら住宅展示場、設計事務所ならオープンハウスに行ったり著書を読んだりすると雰囲気がよく分かるでしょう。
工務店については、大手から零細までありなかなか調査するのは難しいのですが、地元でサイトを作っているところがあればそこを見て、実際に建てた家を見せてもらえるのが一番の近道のようです。
情報収集の第一歩は、まずは手軽にできるネットから始めてみましょう。
カタログを一括請求できるサービス
資料を見比べるのも難しい場合は、専門アドバイザーに対面で相談できるSUUMO(スーモ)カウンターを利用するのもおすすめです。
もっと家づくりについて知りたい!という方は雑誌や本も活用してみてください。なお、家を建てる前に知っておきたい事前知識については以下の記事でも解説しています。
ローコスト住宅についてのハウスメーカーはこちらで紹介しています。
依頼先は必ず何社か見積もりを取って競合させましょう。一社に絞ってしまうと、見積もりが適正価格かどうか分からなくなりがちです。
「○○一式」というような詳細でない見積書はNGです。手抜きや中抜きを防ぐために数十ページの詳細な見積書を提出してもらうようにし、きちんと施主側でも内容を確認しましょう。
依頼先の決定と家を建てる契約
見積もりや契約書でわからない点を「まあ、なんとかうまくやってくれるだろう」とそのままにしておくのはのちのちのトラブルの元です。分からないことは必ず調べたり質問したりして、依頼先から得られた回答は必ず文書に残しておきましょう。
「仮契約」でハンコは気軽に押さないで!
業界では「仮契約」といった言葉がまかり通っています。
しかしながら、契約に「仮」はありません。ハンコを押してしまえば、その瞬間に数百万の支払いが発生してしまうことだってあります。サインでも同様です。
「とりあえず、仮契約だけでも」といった甘言に惑わされないようにしてください。
契約日であっても、不明点があれば勇気をもって押印を断ることもアリです。大きな金額なので、臆病だったり慎重すぎたりするのがちょうどいいと思いましょう。
業者とのトラブルを回避するための考え方について、こちらの記事で解説しています。
いよいよ家を建てるための打ち合わせへ
打ち合わせでは、自分の建てたい家のイメージやこだわりをどんどん出していきましょう。
しかし、実際には「こういう家を建てたい!」と頭の中ではイメージがあっても、なかなかそれを他人に伝えるのは難しいものです。
そういうときはインスタグラムやピンタレストといったアプリを利用すると、好きなイメージが伝わりやすくなるでしょう。打ち合わせで利用するならば、ノートやファイルなどにスクラップブックとしてまとめるとより使いやすくなりますね。
内装・外装シミュレータアプリを使うのもおすすめです。
間取りを考えるならば、部屋の役割や配置を簡単に丸で示したゾーニング(エリア分け)をしてみるといいでしょう。家族でコンペしてみるのも楽しいですよ。
先輩たちも重視した家の間取りについての失敗談・成功談についてぜひ一読しておきましょう!
こだわるべき場所にはこだわり、そうでない場所はグレードを下げるのが費用をスリムにするコツです。
工事が始まってしまえば設計の変更をするのはかなり難しくなります。
打ち合わせの段階でしっかりと納得いくまで話し合うようにしましょう。
家づくりで「絶対に削ってはいけない費用」
家づくりを始めると「どうやってコストダウンしようか」と頭を悩ませることになるでしょう。そんなときでも、絶対に削ってはいけないのが家の基礎部分にかける費用です。
どんなに豪華な家を建てても、家の土壌や土台が脆ければ、家が傾いたりヒビが入ったりする「欠陥住宅」になってしまいます。内装や設備は後から変えることができますが、基礎部分については変更がききません。
見えない・分かりにくい部分なだけについ見落としがちですが、家の構造や外壁、断熱材や窓などには優先して費用をかけたいものです。
とはいえ、良い素材ならば長持ちするのでメンテナンスコストが安く上がるケースが多く、トータルで見ればコストパフォーマンスの悪くない買い物になるのではないでしょうか。
家の工事着工 〜 家の完成
家を建てる工事にはいくつか工程があります。
着工→(地鎮祭)→基礎工事→(上棟式)→木工事(屋根・外壁工事など)→内装工事→追加工事→引き渡し
が大きな一連の流れです。
着工から完成までは通常4~6か月程度かかります。
工事中の写真や動画を撮るのはOKですが、職人の邪魔にならないように注意しましょう。
地鎮祭や上棟式はやらないとダメ?
必ずしもやらなければいけないものではありません。やらない人も増えています。
しかし、地鎮祭や上棟式には、宗教的な意味以外にも職人をねぎらう意味もあります。
もし費用が気になるならば、略式で簡単に行うのはいかがでしょうか?
細かい手順や内容については、こちらの記事にもまとめています。
家の完成!入居へ
ようやく家が完成しました!いよいよ新しい生活のスタートです。
補助金の申請や確定申告、不動産取得税の支払いなどを忘れないようにしましょう。
まとめ
実際に家を建てた先輩方のアンケートのまとめと、家を建てる前に絶対知っておきたい流れとポイントについて解説しました。家づくりのために必要な作業や知識は多いので、一度ですべてをつかむのは難しいと思います。
この記事や紹介したページを参考にしながら、少しずつあなたの家づくりを完成させていってください。
「家を建てて良かった!」と思える、後悔のない家づくりができることを願っています。
一級建築士、インテリアコーディネーター監修者コメント
【監修者】中村 らん
低金利の今は家を建てやすい状況といえます。資金計画や建てる時期について家族とよく話し合いましょう。長期的なくらしの変化についても考えることができれば尚よいでしょう。
一級建築士、インテリアコーディネーター:中村 らんの詳細
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