住宅ローンの清算や新居の購入などのため、できるだけ早く売却金を受け取りたいですよね。しかし、売却金の振り込みひとつにしても、複雑な手続きを済ませなければならず、ついイライラしてしまったり不安になってしまったりする人も多いのではないでしょうか。
このページでは、売却金の振り込みに関する以下のお悩みについて回答します。
- 売却金が振り込まれる時間が知りたい
- 出来るだけ早く売却金を受け取るには?
- 住宅ローン完済のための売却金の送金方法は?
不動産取引後に売却金が振り込みされるまでの流れと、いち早く着金確認する方法を解説します。売却金が正しく振り込まれるかどうか不安な人は、ぜひ参考にしてください。
まずは不動産売却金が振り込みされるまでの流れを知ろう
売却金がどのようにして入金されるのかを知るために、まずは振り込みされるまでの流れについておさらいしていきましょう。
売却金が入金されるのは、「売買契約締結時」と「決済日」です。売却金は、数回に分けて支払われることもありますが、決済日には全額受け取れます。
このように、売却金の振り込みまでには意外に時間がかかるものです。売却金を使う事情がある場合、できるだけ早く全額受け取りたいと思うのは当然ですが、入金に時間をかけることにはちゃんとした理由があります。決して売主を困らせたり、不動産会社が振り込みを面倒くさがっていたりする訳ではありません。
そこで、売却金がどのような形で振り込まれていくのか、なぜ複数回に分ける必要があるのかについて、それぞれ詳しく解説していきます。
不動産売却の流れと入金タイミング
不動産取引の大まかな流れは以下の通りです。
1.不動産会社と媒介契約を締結する
2.広告や内覧などの売却活動
3.買主から申込みをもらう
4.売買契約の締結
5.住宅ローン審査
6.残金決済
7.引き渡し
上記のうち、売却金が入金されるのは「4.売買契約の締結」と「6.残金決済」です。売買契約の締結時には「手付金」を受領し、残金決済時に残りの売却金を受領します。
ちなみに、決済時には売却金の受け取りと所有権移転登記を同時に行います。
原則として双方の手続きが完了するまで、金融機関などの別室で待機するのが一般的です。これは、買主と売主のリスクを軽減させるために行われます。ただし、不動産が遠隔地にあったり、当事者が多忙のため決済時に来れなかったりする場合は、例外として先に所有権移転登記を行うこともあります。
手付金と残代金の違い
契約の担保として支払われる「手付金」
手付金は、売却金の10~20%が売主側に支払われます。この手付金が表すのは契約の本気度。つまり、「買主はこの契約を本気で締結します」という意思表示のひとつになります。
もし、契約が途中でキャンセルされた場合、売主は不動産を引き渡さずともこの手付金を受け取れるのです。これが手付金の役割となります。ただし、契約の進め方や状況によっては、売主側がこの手付金を返還したり倍返ししたりすることもあるため、手付金の取り扱いには要注意です。
売却金から手付金が差し引かれて支払われる「残代金」
売却金から手付金を差し引いた金額が残代金として支払われます。
正確には、売却金受領時に売主は買主に手付金を返還するのですが、この手続きが省かれ、「売却金-手付金=残代金」が売主の手に渡るのです。
一般的にこの残金は、手渡しではなく銀行を経由し売主口座に振り込みされます。決済は金融機関の別室で行われると解説しましたが、この日に買主が売却金を売主口座へ振り込むことになります。
この決済日の詳しい流れを以下のページで解説しています。決済日はどんな流れで入金されるのか、下記リンクからご確認ください。
振り込みされた不動産売却金を住宅ローンに充てることはできる?
原則として、住宅ローンを完済してからでないと売却金は受け取れません。
売却金をそのまま返済にあてる場合は、先に抵当権を抹消しておく必要があります。
抵当権を抹消してから、所有権移転登記と同時に売却金を受け取る流れです。
住宅ローンを組んでいる場合、不動産には抵当権という担保が設定されています。
抵当権がついたままの不動産は売りに出せませんので、売買契約前に抵当権を外さなければいけません。抵当権を外すとは、住宅ローンを完済しているということ。
つまり、完済していない状態で買主に不動産を引き渡すことはできないのです。
また、決済日には抵当権を抹消したという証明書が必要となります。
買主に「この不動産に設定されている担保はありませんよ」ということを証明するためです。
買主としても、抵当権がついたままの不動産を引き渡されるのは、リスクがあります。これらのことから、買主に不動産を引き渡す前に、住宅ローンを完済しておかなければいけません。
では、決済日当日までに抵当権を抹消していない場合は、どのような手続が必要なのでしょうか。
決済日には抵当権抹消するため長時間拘束される
決済日までに、住宅ローンが完済されていないときは、売却金で残債を清算します。
残債を清算するための流れは以下の通りです。
1.当事者と債権者(抵当権を設定した金融機関)の売却金が入金される銀行へ出向く
2.支払いまたは新規融資確認する
3.債権者の銀行へ振り込み手続き
4.金融機関が住宅ローンの完済処理を行う
5.売主または司法書士が金融機関に抹消書類を受け取りにいく
6.抵当権抹消手続き
これらの手続きがすべて終了するまで、売主・買主・不動産会社・司法書士・金融機関担当者は拘束されることになります。誰かひとり欠けても決済日に抵当権抹消手続きを終えることはできませんが、多忙な場合は司法書士に委任状を与え、代理してもらうことも可能です。
また、事前に住み替えローンなどで融資を受け、残債を清算していた場合は、抵当権抹消登記の証明書類を持参すればいいだけなので、かなり手間が省けます。
以上が、振り込みされた売却金で住宅ローン残債を支払う流れです。残債がある人は、ぜひ参考にしてください。
振り込みされた不動産売却金はどこにどう入るのか、一括受け取りは可能?
住宅ローン以外にも何らかの返済や支払いが待っているとき、いち早く入金を確認して売却金を受け取りたいものです。
「受け取るまでどのくらい時間がかかるんだ」
「1分でも早く受け取ることはできないのか」
このような不安を解消するために、どの口座に振り込まれるのか、振り込みされたお金を確認する方法について詳しく解説していきます。
売却金は所有権者である売主の口座に直接振り込まれる
売却金は所有権者である売主口座に振り込まれます。
もし、夫婦で不動産を共有していたり、相続不動産を兄弟で所有していたりする場合は、それぞれの持分の売却金が口座に振り込まれるのが一般的です。
ただし、1円単位で正確に持分の売却金が支払われる訳ではありません。他の所有権者の都合や事情を考慮し、代表口座に入金するという方法も可能です。この場合、他の所有権者の委任状が必要になるため、事前に準備しておきましょう。
所有権者が複数いる場合、振り込みではなく預手小切手などで支払うこともおすすめです。
小切手であれば、送金に時間をかけることなく人数分の売却金を分配できます。
預手小切手は不渡りがなく信用度の高い小切手です。売却金を分けるのが面倒な場合は、振り込みに限らず、預手小切手の作成も検討してみましょう。
売却金を一括で受け取ることもできる
一般的には、売却金を手付金と残金を分けて受け取ります。
しかし、一括受取りで契約を交わしたり買取を選択したりした場合は一括受取りも可能です。
売却金を一括で受け取る場合は、口座入金と同時に所有権を買主へ移転させます。この流れに関しては、決済日の流れと同じになりますので、当ページ上部の「不動産売却の流れと入金タイミング」をご確認ください。
小切手と振込ではどちらが早く受け取れるのか
例えば、同日中に小切手と振り込みを行った場合、少しでも早く現金で受け取れるのは「振り込み」です。
決済日には、振り込みが確認されるまで、金融機関で待機することになります。振り込みが確認できたら所有権を移転するため、決済日には振り込み確認が取れるということです。
一方で、決済日に小切手自体を受け取ることができますが、現金化するまでに2~4日ほどかかることもあります。小切手の中でもより現金に近い預手小切手であっても、現金そのものではありません。
振り出すまでに日数がかかることも考慮し、小切手か振り込みかを選んでいきましょう。
いち早く着手金を確認する方法
銀行の混雑具合にもよりますが、売却金が売主口座に振り込まれるまで、多少時間がかかります。いち早く確認を急ぎたい場合、売却金が振り込まれたどうかを確認する方法は、以下の通りです。
・処理を行った金融機関に電話で確認する
・金融機関のアプリやサイトで確認する
・振込伝票や控えを見せてもらう
口座への反映は遅くても「振り込まれたかどうか」を早く確実に確認する方法は、振込伝票や控えを見せてもらうことです。口頭で「振り込んだ」と確認するよりも書面を見せてもらう方が確実と言えるでしょう。
このように確認方法は様々ですが、売主に都合がいい方法で確認しましょう。
振込伝票は振り込んだという証拠になる
振込伝票の役割は、3つあります。
- いち早く売却金の支払いを確認するため
- 買主が確かに振り込んだという証拠とするため
- 振り込みミスを確認するため
振込伝票とは、金融機関の窓口に置いてあるA4用紙の半分程度の大きさの紙です。
振込伝票には、「振込先の名称」「振込金額」「振込先口座」が記載してあります。
売却金を振り込むと、「振り込みました」と証明するための控えが渡されます。
このことが売却金を確実に支払ったという証拠になるのです。
しかし、ごくまれに振り込み先が間違っていることもあります。振込伝票は、入金の証明にはなっても、着金の証明にはなりません。そのため、売主は振込伝票と指定口座を照らし合わせ、入金ミスがないかどうかを確認していきましょう。
振込手数料は契約書通りか買主負担
原則として売却金の支払いは振り込みで行われますが、当然のことながら振り込み手数料がかかります。
この振り込み手数料を負担する人は、契約書に記載されているのが一般的です。
契約書に負担者の名前が書かれていない場合、現金を振り込む買主側の負担となります。
不動産売却金の振り込み後はこんな支払いが待っている!
不動産取引では、売却金が振り込まれて終わりではありません。
振り込まれた後も、経費や税金の支払いが待っています。
中には、決済日当日に支払うものもありますので、こちらについても確認しておきましょう。
仲介手数料の支払い
売却金を受け取ったら、そのまま仲介手数料を支払うことがあります。
仲介手数料を支払うタイミングは、以下のいずれかです。
- 売買契約日と決済日の2回に分けて支払われる
- 契約日か決済日のいずれかに手数料を全額支払う
どのタイミングで仲介手数料を支払うのかは、契約次第です。
資金に余裕がない場合は、売却金を受け取ってから支払っても構いません。
また、仲介手数料は現金で支払われます。振込手数料を削減するために、現金で受け取る不動産会社がほとんどです。
売却金から自動的に仲介手数料が差し引かれる訳ではありません。金額を確認してから間違いのないように支払いましょう。
税金の支払い
売却金が振り込まれる決済日には、日割り分の固定資産税と抵当権抹消登記費用が必要です。
通常、固定資産税は1年間分をまとめて確定申告時に支払いますが、不動産を売買した場合は、不平等にならないよう売主と買主とで日割り計算して納税することになります。税務署が親切に負担分を計算してくれる訳ではありません。不動産会社や税理士などに固定資産税の納税額を日割り計算してもらい、税金を納めることになります。
また、決済日当日に抵当権を抹消するときは、抵当権抹消登記費用が必要です。抵当権抹消登記は司法書士に依頼するため、どのタイミングで登記費用を渡すのかは、司法書士に確認してみてください。
ちなみに、不動産を購入するときに支払う登録免許税は買主負担になります。売主の負担ではありませんので、注意しましょう。
まとめ
不動産を売却したお金が振り込まれるのは、決済のときです。売買契約時に手付金が支払われることもありますが、原則として所有権移転登記と同時に売却金が振り込まれることになります。
決済日当日は、売主と買主が金融機関で入金確認を行います。まれに入金先を間違えることもありますので、買主からの振込伝票を受け取り、指定口座に入金されているかチェックしてみてください。
売却金を返済や支払いのあてにしているときは、「一刻も早く入金してほしい」と焦ってしまうものです。もし、何かの事情で売却金を必要としているときは、不動産会社の担当者にその旨を相談してみてください。不動産取引のプロは、現状を打破する対策をいくつも持ち合わせています。ぜひ、ご活用ください。
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