不動産売却トラブルで弁護士に依頼するときの費用と相場について!予算に応じた弁護士の選び方

不動産売却トラブルで弁護士に依頼するときの費用と相場について!予算に応じた弁護士の選び方

できることなら避けて通りたい不動産トラブル。しかし、降りかかる火の粉は何とかして払わなければいけません。

特別な事情や、やむを得ない状況の中で不動産を売却するとき「弁護士に依頼したいけど、費用はどのくらいかかるのだろう」と、思い悩む人は多いのではないでしょうか。

本記事では、不動産売却トラブルで弁護士に依頼するときの費用と相場について!予算に応じた弁護士の選び方について解説いたします。

  • 弁護士はどんなことをやってくれるの?
  • 弁護士費用を負担するのは誰?
  • 費用の相場が知りたい

弁護士費用に関する上記のお悩みをスッキリさせたい人は、ぜひ当ページを参考にしてください。

目次

不動産売却トラブルが発生したとき弁護士が費用内でやってくれること

代理人として相手に改めて慰謝料の支払い交渉をします

もしも、不動産トラブルの悩みを弁護士に相談した場合、どんなことを行ってくれるのでしょうか。弁護士事務所に訪問し「どんなことをしてくれるのですか?」とは聞きにくいものですよね。

そこで、不動産売却トラブルにおいて、一般的に弁護士が行う業務内容4つをピックアップしてみました。

依頼できること内容
交渉の代理・不動産業者や買主への対応
・売却に必要な手続きを代わってもらえる
業者の選定・悪徳な不動産会社との解約
・誠実に交渉を進めてくれる不動産業者の選定
トラブル防止・損害賠償請求されない契約締結
・今後起こりうるトラブルを事前に回避
法的に解決・抵当権や借地権問題を法的に解説
・相続や近隣トラブルにも力になってくれる

不動産売却では、権利関係や自治体の法令など、様々な法律が深く関わってきます。一般消費者は法律や不動産売却に関わる機会がさほど多くはありません。そのため、悪徳な不動産業者の被害に遭ってしまうことも。しかし、弁護士は現状の契約が売主にとって利益をもたらすものか否かを判断する豊富な知識があります。一般的な売買契約において弁護士が登場することはありませんが、どうしても自分たちだけではトラブル解決できないとき、上記の内容を依頼することが可能です。

この他にも不動産売却を弁護士に相談した方が安心なケースはまだまだあります。遺産相続関係や破産管財事件など、様々な不動産事件を数多く取り扱ってきた弁護士が、下記ページで「依頼すべきケース」について詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。

不動産売却トラブルで弁護士に依頼する場合の費用の相場について!コストカットするコツも紹介

弁護士費用の相場は?

弁護士費用は無料ではありません。多くの場合は、相談から費用が発生します。弁護士の報酬はいくつか種類があり、状況に応じて請求される費用名が異なります。不動産売却トラブルで弁護士に依頼する場合の費用の相場は一体どのくらいなのでしょうか。

また、不動産トラブルの中には「弁護士ではなく司法書士に依頼した方がいいケース」または「司法書士ではなく税理士に依頼した方がいいケース」などもあります。適切な専門家に依頼することで、費用を抑えることも可能です。

そこで「弁護士」「司法書士」「税理士」の費用相場、そしてどんなケースに対応してくれるのかについてまとめましたので、依頼するときの参考にしてください。

弁護士の費用相場

弁護士費用の内訳

前述のとおり、不動産取引で問題がこじれたときに弁護士に依頼するのが一般的です。多くの問題は不動産会社が対応してくれますが「その不動産会社に不信感を抱いた」「不動産会社でもお手上げな問題が発生した」という場合に、弁護士に助け舟を出求めましょう。

では、弁護士の報酬の相場をみていきます。弁護士の報酬は「相談料」「着手金」「報酬金」の3段階に分かれています。

費用名発生時金額の相場
相談料相談するとき30分5000円(+税)
着手金依頼契約をしたとき10~30万円程度
報酬金問題解決したとき経済的利益の6~16%程度

相談してから問題を解決してもらった場合は、上記のすべての報酬を支払うことになります。反対に、契約だけして問題が解決しなかった場合、報酬金は発生しません。

このように、依頼の段階によって発生する金額が異なります。ちなみに、経済的利益とは依頼した物の価値や獲得した金額のことです。法律事務所によって報酬の割合が微妙に異なりますので、詳しくは法律事務所に問い合わせてみましょう。

司法書士の費用相場

司法書士の費用相場

弁護士同様に司法書士も法律問題解決のエキスパートです。しかし、司法書士は訴訟問題よりも不動産登記など書類の作成に強く、また弁護士よりもコストがかかりません。そのため、訴訟ではなく登記に関する疑問や悩みは司法書士に依頼するという人もいます。

では、司法書士の報酬の相場をみていきましょう。司法書士の報酬は自由化されており、各事務所が好きに金額を定めてもいいと決められています。以下の表に相場を記載しますが、あくまで目安としてお考え下さい。

費用名発生時金額の相場
相談料相談するとき無料
基本報酬契約したとき2~3万円程度
報酬金問題解決したとき経済的利益の20%程度

相談料と着手金がかからない司法書士が多い傾向です。ただし、基本報酬として契約したときに依頼料として基本報酬がかかることがあります。基本報酬の内訳は調査料や相手側との交渉金です。

税理士の費用相場

税理士の費用相場

税理士は税金計算のエキスパートです。不動産取引には思った以上に税金が深く関わってきます。確定申告だけでなく相続対策や投資など税金が絡む問題は、税理士に相談することも検討してみてください。

では、税理士の報酬の相場をみていきます。税理士の報酬も司法書士同様に報酬の基準規定などはありません。各事務所によって金額が異なりますので、以下の相場の表はあくまでも目安としてお考えください。

費用名発生時金額の相場
顧問料契約期間の基本報酬1~3万円(+税)
作業料金書類作成代金1~10万円程度
オプション費用その他にかかった費用経済的利益の6~16%程度

まず期間内の契約料が発生します。1カ月間依頼するのであれば1カ月分、1年間依頼するのであれば1年分の顧問料が必要です。それ以外に、書類の作成費用として作業料金がかかります。記帳代行・確定申告代行など、どんな書類を作成してもらうかによって追加料金が必要となります。それ以外に、年末調整や調査費用も支払うことがありますので、こちらも税理士事務所に問い合わせてみましょう。

弁護士の費用は誰が負担?不動産売却トラブルごとに負担者を解説!

弁護士費用を負担したくない人

弁護士にトラブルを依頼したい人の中には「弁護士費用を負担したくない」「弁護士費用を支払う余裕がない」とお困りの人もいるのではないでしょうか。

原則として、弁護士費用は依頼した本人が支払わなければいけません。

しかし、法的なトラブルの中には「相手側の負担」になることもあります。これは、不法行為などによる損害賠償請求訴訟時に発生するケースです。例えば、交通事故で相手にケガをさせた、残業のしすぎで体を壊したなどが不法行為に該当します。

では、不動売却で以下のようなトラブルが発生した場合の弁護士費用は誰の負担なのでしょうか。弁護士費用を支払う人は誰なのか解説していきます。

任意売却時の弁護士費用は誰が支払う?

任意売却時の弁護士費用

任意売却時の弁護士費用は、売却金から支払われるのが一般的です。そのため売主自身のお財布から支払うことはほぼありません。

任意売却は、通常の売却契約と同じ流れで進みますが、売却金は住宅ローンの返済と売却費用に当てられます。「ローン返済や費用負担をしないで売却金を手元においておきたい」ということはできません。

立ち退きの弁護士費用は誰が負担する?

立ち退きの弁護士費用

売却予定の物件に占有者がいる場合の立退料は、依頼者の負担になります。売主が弁護士に依頼したのであれば、売主が弁護士費用を支払わなければいけません。

不法に占拠されていた場合「何で自分が負担しなきゃいけないのか」と不満に思うことは当然です。しかし、時間をかけるほど問題が大きくなるため、結果として不動産取引が不利になることもあります。損害を大きくしないように早めに問題を解決していきましょう。

不動産売却トラブル内容や予算に応じた弁護士の選び方!満足のいく結果のために知っておくべき3つの依頼方法

弁護士に依頼する売主

弁護士に依頼するとき、売主の状況によって重視したいポイントがそれぞれ異なると思います。

「お金はかかってもいいからとにかく優秀な弁護士に依頼したい!」
「あまり費用をかけたくない!」
「今の弁護士よりも対応がいい人にお願いしたい!」

せっかく安くない費用を払って弁護士に依頼するのですから、満足のいく結果がほしいと願うのは当然のこと。そこで、トラブル内容や予算に応じた弁護士の選び方も知っておきましょう。

そもそも、これまで大きなトラブルに巻き込まれたことのない人が優秀な弁護士を探すのは、かなり難しいでしょう。法律トラブルに縁がなかった人は、まずは弁護士を紹介してもらうことから始めます。

  • 知人に紹介してもらう
  • 弁護士会や法テラスに問い合わせる
  • 不動産会社に紹介してもらう

弁護士に限った話ではありませんが、プロにも得意分野と不得意分があります。弁護士事務所によって運営方針が異なることもありますので、できれば不動産取引に強い弁護士に依頼することがおすすめです。

ここからは、優秀な弁護士に出会う上記の3つの方法についてそれぞれ解説していきます。

方法1.知人に紹介してもらう

知人に紹介してもらう

弁護士の知り合い、もしくは知人経由で弁護士を紹介してもらいましょう。

親しい間柄であれば、小さな悩みごとも気軽に相談することができます。親密度が高ければ相談料金をオマケしてもらうという点も大きなメリット。

方法2.弁護士会や法テラスで紹介してもらう

弁護士会や法テラスで紹介してもらう

知り合いに信頼できる弁護士がいれば話は早いのですが、もし知人に親しい弁護士がいなければ弁護士会や法テラスに問い合わせてみましょう。

弁護士会は日本各地に設置されており弁護士の紹介も行っています。一般市民でも弁護士の紹介をうけることができます。

 営業時間相談料金
弁護士会平日10~16時30分あたり5,000円(+税)
法テラス平日9~21時無料

弁護士会の相談料金は一般的な法律事務所同様に5,000円程度ですが、法テラスは無料で相談に乗ってくれます。コストを削減したいときは法テラスに相談してみましょう。

方法3.不動産会社に紹介してもらう

不動産会社に紹介してもらう

不動産会社では法律事務所と連携をとっていることがあります。弁護士の知り合いもいない・法テラスに相談するのは敷居が高いと感じるときは、現在、依頼している不動産会社に相談してみましょう。

ただし、媒介契約を交わしている不動産会社に不信感を抱いているときは、この方法は有効的とは言えません。このような場合は、不動産会社自体を選びなおすのも検討しましょう。

媒介契約が満了するのを待ち、信頼できる不動産会社に売却を依頼するのもひとつの手段です。

不動産売却で弁護士費用が発生した時の確定申告方法

譲渡費用

不動産を売却するためにかかった費用は、譲渡費用に含まれます。

弁護士に依頼してかかった費用が譲渡費用に含まれるかどうかは、どのような経緯で弁護士を依頼することになったかどうかで判断していかなければいけません。

譲渡費用に該当した場合は、売却益から差し引くことができ、結果として譲渡所得税が安くなります。譲渡費用は、「該譲渡のために直接要した費用」が原則となり、「維持又は管理に要した費用は、譲渡費用に含まれない」となっています。そのため登記や固定資産税などは譲渡費用には含まれません。

弁護士費用のうち、譲渡費用に含まれるのは以下のものです。

譲渡費用に含まれるもの譲渡費用に含まれない
・契約書作成費用
・契約に関する紛争または訴訟費用
・遺産分割
・取立て費用

まず、支払った弁護士費用が「売却するための費用か」「維持管理のための費用か」どうかを考えます。契約書の作成費用は不動産売却に直接関わりますが、遺産分割に関する事案は間接的に不動産売却に関わるだけのため、譲渡費用とは言えません。

ちなみに、不動産売却にかかる税金については、下記ページにて詳しく解説しています。税金面で恩恵を受けたい人は、ぜひ参考にしてください。

まとめ

不動産売却で何らかのトラブルが発生した場合の弁護士費用は、経済的利益の6~16%程度です。しかし、コストを抑えたい場合は法テラスを利用して相談料を無料にすることもできます。

もし、現在契約している不動産会社に不信感を抱いた時は、弁護士に頼る前に媒介契約を解約し不動産会社を選びなおすという方法もあります。契約書を交わす前であれば、不動産会社を変えても大きな損害もありませんので、ぜひ検討してみてください。

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