できる限り予算を抑えてマイホームを手に入れたいとお考えのあなた。
次のような疑問やお悩みを抱えてはいませんか?
- ローコスト住宅を新築するのと中古住宅を買って全面リフォームするのとではどっちが安いの?
- 具体的にいくらぐらい違うの?
- 新築と中古リフォームとではどんなメリットとデメリットがあるの?
こちらの記事では、これらの疑問に対して詳しくお答えしています!少しでも安くマイホームを手に入れたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ローコスト住宅の価格と全面リフォームの価格を比較してみよう
「ローコスト住宅を新築する」か「中古住宅を購入して全面リフォームをする」かで迷っている方が1番気になるのは、それぞれの価格の目安ではないでしょうか?
こちらでは、ローコスト住宅を新築する場合の費用の目安と、中古住宅を購入して全面リフォームする場合の費用の目安を比較してみましょう。
ローコスト住宅を新築する場合の住宅価格の目安
それではまず、以下のローコスト住宅を新築する際の住宅価格の目安表をご覧ください。
住宅の広さ | ローコスト住宅を新築する住宅価格の目安 ※1 |
---|---|
20坪 | 900万円〜 |
30坪 | 1,000万円〜 |
40坪 | 1,200万円〜 |
このようにローコスト住宅は最も安い金額であれば、30坪の住宅を1,000万円からの価格で新築が可能です。
ただし注意したいのは、この料金には土地価格が含まれていない点です。
土地を持っていない方は別途土地を購入する必要がありますので、土地価格が高額になる場合は総費用も高めになってしまいます。
また、ハウスメーカーがホームページで公開している金額はあくまでも目安です。
例えば、駐車場や門扉を整備するための「外構工事費用」や、ライフラインを整備するための「水道・電気工事費用」は含まれていない可能性があります。
さらに、キッチンや浴室などのグレードを上げたり各種オプションをつけたりすると、総費用はより高額になってしまうでしょう。「実際にはこの価格よりも多くの金額が必要だ」と覚えておくと失敗しにくいです。
全面リフォームと中古住宅購入にかかる費用の目安
それでは次に、一戸建て住宅の全面リフォームと中古住宅の購入にかかる費用の目安をチェックしてみましょう。それぞれの費用の目安をまとめましたので、以下の表をご覧ください。
住宅の広さ | 全面リフォームにかかる費用の目安 ※2 | 中古住宅の価格の目安 ※3 | 合計費用 |
---|---|---|---|
20坪 | 900万円〜 | 1,200万円〜 | 2,100万円〜 |
30坪 | 1,000万円〜 | 1,500万円〜 | 2,500万円〜 |
40坪 | 1,200万円〜 | 1,800万円〜 | 2,800万円〜 |
※3 参考:埼玉県川越市の例(アットホーム不動産)
こちらの表を見ると、全面リフォームにかかる費用の目安はローコスト住宅を新築する場合とほぼ変わらないことが読み取れます。
ただし、全面リフォームの価格を調査する際に参考にしたのは「住友林業のリフォーム」という大手メーカーの金額です。住友林業の住宅は最安のローコスト住宅というわけではないので、このリフォーム価格は若干高めである可能性があります。
つまり、地元の工務店などで全面リフォームを依頼した場合はもう少し費用が安くなる場合もあるということです。あくまで目安としてお考えください。
そして中古住宅の価格は、関東地方でも人気の埼玉県川越市を参考にしてまとめました。
全面リフォームと中古住宅の購入価格を合計すると、ローコスト住宅を新築するよりはるかに高額な金額になっていることがわかります。ただし、埼玉県は地方と比較すると土地価格が高めです。そのため、土地の安い地域で購入する場合はもっと安くなる可能性は十分にあります。
結論として、中古住宅を購入して全面リフォームをする場合は、「どの地域で中古住宅を購入し、どの業者へ全面リフォームを依頼するか」で最終的な費用は全く違ってくるのです。
なお、もしあなたが「現在住んでいる住宅を建て替えるか、全面リフォームするか」で迷っているのであれば、どちらが安くなるかはケースバイケースです。建て替えも全面リフォームも最安値は同程度なので、具体的な見積もりを取って検討してみてはいかがでしょうか?
全面リフォームではなくローコスト住宅を新築するメリット
次に、中古住宅を購入して全面リフォームをするのではなく、ローコスト住宅を新築するメリットを紹介します。
住宅の基礎や構造部分から全てが新しい
中古住宅の全面リフォームではなくローコスト住宅の新築を選ぶ場合の最大のメリットとしては、住宅の基礎や構造部分から全てがピカピカで新しいものに仕上がる点です。
基礎や構造部分に木材が使用されている場合は特に、経年劣化によりもろくなってしまう可能性が高いです。もし木材が腐ってしまっている場合は耐震性も心配。
購入した中古住宅の基礎や構造部分がまだまだ長持ちする状態であればいいですが、築年数が長く構造部分まで劣化している住宅の場合は、全面リフォームだと対応しきれないケースもあります。
そう考えると、ローコスト住宅だったとしても新築住宅の方が構造部分は頑丈になるため、安心して住み始められます。
中古住宅の全面リフォームより耐震・耐火の面で安心
次に挙げられるローコスト住宅を新築するメリットは、中古住宅を購入して全面リフォームするより耐震・耐火に優れている点です。
先述したように築年数の長い中古住宅は基礎や構造部分に不安が残るほか、過去に建てた住宅であるため耐震への対策が十分でない恐れもあります。
その点、ローコスト住宅であれば現在の耐震基準に則った建築が行われるため、安いとはいえ中古住宅よりは耐震性能に優れているのです。
また耐火性能についても、木造住宅の場合は新築の方が優れていることは言うまでもありません。
間取りの自由度が高い
中古住宅を購入して全面リフォームする場合、構造部分の柱は基本的に新しくはしません。そのため、全面リフォームは間取りに関する制約が厳しめです。
一方、ローコスト住宅を新築する場合は自分好みの間取りを設計できるので、自由度が高めになります。ただし選ぶローコスト住宅のメーカーやプランによっては間取りにルールが設けられている場合がある点は注意です。
資産価値が高い
全面リフォームではなくローコスト住宅の新築を選ぶメリットとして、住宅の資産価値が高いことが挙げられます。中古住宅をリフォームしても資産価値は上がりますが、構造部分がそのままなので、新築以上の資産価値になることは稀です。金額の安いローコスト住宅とはいえ、新築直後の資産価値は中古住宅よりも高めになることでしょう。
全面リフォームではなくローコスト住宅を新築するデメリット
次に、中古住宅の全面リフォームではなくローコスト住宅新築を選ぶデメリットを紹介します。
こだわりすぎて当初の予算をオーバーしがち
中古住宅の全面リフォームではなくローコスト住宅を新築するデメリットとして、設備や間取りにこだわりすぎるあまり当初の予算をオーバーしがちな点が挙げられます。
全面リフォームとローコスト住宅を比較した結果「ローコスト住宅の方が安い!」と思って契約しても、オプションをつけすぎて最終的に高くついてしまうケースがあります。きちんと予算管理をしておけばこの失敗は防げますが、「新築だから」と張り切りすぎると予算を大幅にオーバーしてしまうかも?
完成するまでは住めない
中古住宅の全面リフォームではなくローコスト住宅を新築するデメリットとして、
マイホームが完成するまでは住めない点が挙げられます。
中古住宅の全面リフォームの場合、「使えるところは残して、変えたいところだけリフォームする」というのが一般的です。工事の規模にもよりますが、その住宅に住みながらリフォームを進めていくことが可能。
一方のローコスト住宅は、完成して引き渡しになるまでは住むことはできません。それまでの間は賃貸や実家など仮住まいを用意する必要があるのです。
全面リフォームより工期が長い
こちらも工事の規模や進捗によりますが、基本的には全面リフォームよりローコスト住宅新築の方が工期は長くなると考えておきましょう。もし「何月何日までに入居する必要がある」など期限が決まっている場合は、早めに行動を開始するのが得策です。
中古住宅を購入し、全面リフォームするメリット
次に、中古住宅を購入して全面リフォームするメリットを紹介します。「ローコスト住宅を新築するデメリット」でも紹介しましたが、以下の2点については全面リフォームのメリットです。
- リフォーム中も住める
- 工期が短め
さらに、中古住宅の全面リフォームという選択肢にはそれ以外にもいくつかのメリットがありますので、それを紹介します。
条件によっては新築より安くなる
ローコスト住宅を新築するのではなく中古住宅を購入して全面リフォームすることの最大のメリットは、条件によっては新築より安い点です。どのエリアの中古住宅を購入してどの業者へリフォームを依頼するか次第ですが、工夫すればローコスト住宅の新築より価格を抑えて理想の住まいを実現できることでしょう。
駅近など希望の立地を見つけやすい
ローコスト住宅を新築する場合、土地を持っていない方なら土地探しからスタートする必要があります。しかし、人気が高いエリアの場合は希望エリアで条件に合うような土地が見つからないケースも多いです。
土地が見つからなくても、中古住宅が売りに出されていればご家族の希望エリアへ住むことができますよね。もし住みたいエリアで土地が見つからない場合は、中古住宅を購入して全面リフォームという選択肢も考えてみてください。
購入前に中古住宅の状態を確認できる
中古住宅を全面リフォームする場合でも、築年数が浅かったり状態が良かったりした場合は、一部の部屋や設備をリフォームせずに残しておくことが可能です。中古住宅を購入する前にはその物件を自分の目で見て確認できるので、具体的なリフォーム箇所をイメージしやすいです。 また、ホームインスペクションという住宅の診断業者へ依頼すれば、購入前の中古住宅の状態を把握することも可能です。ホームインスペクションについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はそちらもご覧ください。
中古住宅を購入し、全面リフォームするデメリット
中古住宅を買って全面リフォームすることには、どんなデメリットがあるのでしょうか?ローコスト住宅を新築するメリットの項目で紹介した以下の内容は、そのまま全面リフォームのデメリットにもなってきます。
- 構造部分は基本的に古いまま
- 間取りの自由度が低い
- 耐震や耐火に不安があることも
- 資産価値は期待できない
また、それ以外にも次の点については中古住宅を購入して全面リフォームすることのデメリットです。
必ずしも安くならない
注意したいのは、中古住宅を全面リフォームしても、必ずしも新築より安くなるとは限らない点です。
中古住宅には土地も含まれているため、エリアによっては購入にかなりの費用が必要になることもあります。また、全面リフォームの際に設備をグレードアップしすぎると、新築より高額になるケースも。
これを避けるためには、具体的な条件で見積もりを取ることが大切です。ローコスト住宅は外構工事や電気・水道工事、オプションなども含めた見積もりを依頼しましょう。
なお、「ローコスト住宅の見積書の内容が難しくてよくわからない…」という方のために、見積書の内訳の内容を詳しく解説している記事を用意しております。ぜひそちらもご覧ください。
まとめ
今回の記事では、「ローコスト住宅を新築すること」と「中古住宅を購入して全面リフォームすること」を詳しく掘り下げて比較しました。記事の内容を簡単にまとめると、次の通りです。
- 条件によって総費用は大きく変わり、どっちが安いかは一概には言えない
- 資金に余裕があるなら新築の方が耐久性は高い
- 希望の土地が見つからないなら中古住宅も検討
なお中古住宅を全面リフォームする際は、予算や間取りの都合によりなかなか理想を実現できない場合もあります。そのため、マイホームについて具体的な理想や憧れがある方なら、少し値が張っても新築を選ぶことをおすすめします。
二級建築士・インテリアコーディネーター監修者コメント
【監修者】河野 由美子
ローコスト住宅の新築と中古住宅の全面リフォームとでは、条件によってかかる費用が上下するため一概にどちらが安いとは言い切れないのが実情です。安いことにこだわりすぎて希望から離れた家にならないよう、多角的に検討していくことが重要です。
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