不動産売却の計算方法 実例でわかりやすく解説します

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不動産売却で計算しなければならないこと

マンションや一戸建てなどのマイホームを売却の際に必ず計算しておかなければならないことがあります。

それは、不動産売却の際に発生する所得税、住民税や取得費、減価償却費、確定申告の方法を調べる必要があります。

このページでは不動産売却で必ず計算しておかなければならない税金の「計算」方法をお伝えします。

税金の計算は正直とてもややこしいです。普段、生活していても聞き慣れない用語なども出てくると思いますが、なるべくわかりやすく解説します。ぜひ、最後までお付き合いください。


ペンギン生徒

税金って何やら難しそうなので苦手です・・・


アザラシ先生

税金ならではの専門用語が出てくるが基本は、足し算と引き算で計算できるので以外と簡単なんじゃよ!

譲渡税(所得税・住民税)の計算方法

税金(所得税・住民税)=課税譲渡所得(利益)×税率

不動産売却での税金は、課税譲渡所得(利益)×税率で計算します。

居住用不動産を売却した際、売却益が発生しますと、所得税と住民税が課税されます。

売却益(譲渡所得)とは、利益のことを指し、売却額(譲渡価格)から取得費用(譲渡費用)を引いた金額のことを指します。

所有期間の長い住宅ですと、建物としての資産価値も経年とともに下がるため、「ウチは関係ないよ」と思われる方は、「少し待っていただきたい!」です。

後で解説しますが、もしかしたら、売却益が発生して譲渡所得税などの税金が発生するかもしれませんよ。


ペンギン生徒

なるほど!利益に対して課税されるわけですね!


アザラシ先生

税金は、利益つまり儲けが出れば課税される

課税譲渡所得(利益)の計算方法

まず、はじめに不動産を売却した場合の利益(課税譲渡所得)を計算します。課税譲渡所得の計算方法は以下の通りです。

税金(所得税・住民税)=課税譲渡所得(利益)×税率=譲渡価格-取得費-譲渡費用-特別控除額

わかりづらい単語が並んでますので、もっとかみ砕いてご説明しますと

売却益=売却金額-購入金額-売却時の経費-特別控除額

となります。

譲渡価格とは、売却した価格を指し、譲渡費用は仲介手数料や登記費用など売却時にかかった経費を指します。さらに、特別控除額を差引くことで売却益を計算します。

要するに上記の計算式で、「いくら儲かったのか?まずば、利益を計算しましょう。」という話です。それでは、この4つの計算要素を順番に見ていきましょう。


ペンギン生徒

課税譲渡所得ですか!聞きなれない用語ですね。


アザラシ先生

課税譲渡所得は、最終利益だと思っておけばよいじゃろう!課税譲渡所得に税率を掛ければ税金を計算することができるぞよ!

売却金額(収入金額)=譲渡価格

売却金額とは、売却(譲渡)によって得られた収入金額を指します。通常は、買主側からの契約時に入金される手付金、決済時の残金、さらに固定資産税を精算した際は精算代金の合計額となります。

意外と思われるかも知れませんが「固定資産税の精算金」は、売却金額(収入金額)に含める必要があります。

固定資産税の精算金は、売買契約書に記載されないため忘れがちですが、固定資産税は、1月1日現在の不動産所有者に請求されます。

通常、固定資産税の精算は、引き渡し日を境にして払い過ぎている固定資産税を売買金額とは別に買主から受け取ります。

この金額も収入金額に含める必要があります。

売却金額(収入金額)=手付金+残金+固定資産税の精算金


アザラシ先生

固定資産税精算金は譲渡価格に含める必要があるので、くれぐれも忘れずにな!

購入金額(取得費)

取得費とは、売却した土地や建物などの購入代金を指します。
取得費には、次のようなものが含まれます。

  • 1.土地+建物の購入代金
  • 2.建物の建築費
  • 3.収入印紙代
  • 4.登録免許税
  • 5.登記費用
  • 6.住宅ローン費用
  • 7.固定資産税精算金
  • 8.解体費用
  • 9.造成費用
  • 10.測量費用

などが含まれ、取得費用が不明な場合は、売却価格の5%を取得費と見なすことができます。

取得費の中で特に金額が大きいものが土地と建物になりますが、どちらかに該当することで計算方法が大きく変わります。

土地の場合は後で解説します「減価償却」という考えがなく、購入時の金額が取得費となります。

建物部分の減価償却費の計算方法

取得費とは売却不動産の購入額となるのですが、建物部分の取得費は減価償却後の価格で算出します。

減価償却費と聞いて「難しいから無理!!」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、わかりやすく解説しますので安心してください。

・建物部分の購入金額(取得費)の計算方法

建物の取得費=購入代金(建築費)-減価償却費

・減価償却費の計算方法

減価償却費=購入代金(建築費)×0.9×償却率×経過年数

この償却率に関しては、法定耐用年数とともに償却率があらかじめ決まっています。経過年数は、購入時から売却時までの経過年数を指し6ヶ月以上は1年、6ヶ月未満は切り捨てて計算します。

■法定耐用年数(定額法)

構造 非事業用 事業用
マイホーム・セカンドハウス 賃貸マンション
耐用年数 償却率 耐用年数 償却率
木造 33年 0.031 22年 0.046
軽量鉄骨 40年 0.025 27年 0.038
鉄筋コンクリート造 70年 0.015 47年 0.022

アザラシ先生

建物は価値が下がるため、減価償却費を計算する必要があるんじゃよ。

建物部分の取得費計算例

それでは、実際に計算してみましょう。

購入時の建物1,900万円(木造)
・減価償却費=購入代金(建築費)×0.9×償却率×経過年数

530.1万円=1,900万円×0.9×0.031×10

・建物の取得費=購入代金(建築費)-減価償却費

1369.9万円=1,900万円-530.1万円

建物の取得費は、1369.9万円となります。

アザラシ先生

建物の取得費から減価償却費を差し引くことを忘れずにな!

売却時の経費(譲渡費用)

次に売却時の経費は譲渡費用と言われており、不動産売却の際にかかった費用を指します。

  • 1.土地+建物を売却した際の仲介手数料
  • 2.収入印紙代
  • 3.貸家を売るために払った立ち退き料
  • 4.登記費用
  • 5.土地売却のための建物解体費用
  • 6.測量費用
  • 7.売買契約を有利にするため最初の契約者に払った違約金
  • 8.譲渡価額を増加させるため資産の維持や管理にかかった費用
  • 9.借地権を売却するため地主に支払った名義書換料

特別控除額

最後の特別控除額を解説します。最も有名なのが、所有期間の長い短いに関係なく、居住用財産を譲渡した場合、譲渡所得から最高3,000万円までが控除できます。

つまり、3,000万円以上利益が出なければ税金が課税されることがありません。

相続した空き家売却でも特別控除が使えることも

親が住んでいた家を相続した、空き家を売却することになっても居住用と同様に3,000万円の特別控除が適用になる可能性があります。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された。
  • 相続前に親が一人暮らしだった。
  • 区分所有建物ではない。

これは2016年の税制改正で新しくできた制度となります。

所有期間に応じた税率

不動産売却における税金は、譲渡所得(利益)×税率で計算します。
まずは、利益を計算して、そこに税率をかければ終了です。

税率は、売却した不動産の所有期間によって変わります。

■居住用

所有期間 所得税 住民税
5年以下 30.63% 9%
5年超 15.315% 5%
10年超(居住用不動産のみ) 課税譲渡所得6,000万円以下の部分 10.21% 4%
課税譲渡所得6,000万円超の部分 15.315% 5%

※上記に復興特別所得税が加算されています。

譲渡所得を計算(譲渡損失が出た例)

それでは、戸建てにおける譲渡所得を計算します。
例えば3,000万円で購入した家を2,000万円で売却したとします。譲渡費用ですが、話を簡単にするため仲介手数料のみが発生したと想定します。仲介手数料は66万円とします。

物件 物件 経過年数 譲渡価格 譲渡費用
木造戸建て 3,000万円(建物2,000万円+土地1,000万円) 10年 2,000万円 66万円

建物は減価償却の対象となるため、取得費等は以下で計算します。

減価償却費 取得費
2,000万円×0.9×0.031×10年=558万円 建物:2,000万円-558万円=1,442万円
土地1,000万円
取得費=1,442万円+1,000万円=2,442万円

課税譲渡所得は以下で計算します。

譲渡価格-取得費-譲渡費用 譲渡所得
2,000万円-2,442万円-66万円 ▲508万円(譲渡損失)
※税金は発生しません。

譲渡所得を計算(譲渡益が出た例)

同様に上記と同じ条件で譲渡所得を計算します。
例えば3,000万円で購入した家を3,000万円で売却したとします。譲渡費用ですが、話を簡単にするため仲介手数料のみが発生したと想定します。仲介手数料は66万円とします。

物件 購入額 経過年数 譲渡価格 譲渡費用
木造戸建て 3,000万円(建物2,000万円+土地1,000万円) 10年 3,000万円 66万円

建物は減価償却の対象となるため、取得費等は以下で計算します。

減価償却費 減価償却費
2,000万円×0.9×0.031×10年=558万円 建物:2,000万円-558万円=1,442万円
土地1,000万円
取得費=1,442万円+1,000万円=2,442万円

課税譲渡所得は以下で計算します。

譲渡価格-取得費-譲渡費用」 譲渡所得
3,000万円-2,442万円-66万円 492万円(譲渡所得)

このように購入時と同じ価格で家を売却しても譲渡益が発生します。くれぐれもご注意ください。

しかし、居住用財産(マイホーム)を売却した場合は、所有期間に関係なく3,000万円の特別控除が使えますので、ほとんどの方は税金が発生しないはずです。

特別控除を使っても税金が発生してしまう方は最後までご覧ください。


ペンギン生徒

なるほど!マイホームなら3,000万円までなら税金が0円なんですね。


アザラシ先生

そうなんじゃよ!ただし確定申告が必要なので、忘れずにな!

不動産譲渡所得税を安くするコツ

税金を安くする裏技的な技法などありませんが、なるべく安く抑えたい方は、以下も必見です。

所有期間を長くする

中古マンションなどのマイホーム用不動産の場合、所有期間が10年以上経過すると、軽減税率が適用されます。

所有期間 所得税 住民税
5年以下 30.63% 9%
5年超 15.315% 5%
10年超(居住用不動産のみ) 課税譲渡所得6,000万円以下の部分 10.21% 4%
課税譲渡所得6,000万円超の部分 15.315% 5%

アザラシ先生

税率が2倍近くも変わるためなるべく長く所有しておきたいものじゃな。

その他

  • 取得費がわからなくても諦めない。
  • 使える特例は調べて利用する。
  • 取得費と譲渡経費はもれなく集計して計算する。

取得費がわからない場合、売却価格の5%を取得費としかみなされません。そのため、95%が税金の対象となります。

もし、購入金額が不明な場合でも取得費として認められる場合があります。

①購入当時の通帳やメモなどで売主側に支払ったことがわかる。
②分譲当時のパンフレットなどに記載されている金額を参考する。
③ローンの金額を参考にする(ローンを組むと登記簿謄本に借入額が記載される)。
④不動産会社側の取引記録。

詳細は、税務署に確認いただきたいのですが、とにかく諦めないことが重要です。

税理士監修者コメント

本村健一郎

売却した不動産がマイホームなのか賃貸用マンションなのかで税金の計算方法は変わります。ルールを守って税金の計算で損しないようにしましょう。

税理士:本村健一郎の詳細

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