> > 増築をするの?しないの?リフォーム増築を徹底分析

増築をするの?しないの?リフォーム増築を徹底分析

PR

増築をするの?しないの?リフォーム増築を徹底分析のイメージ

現在お住まいの間取りは快適ですか?水廻りが狭いから大きくしたい。家族が増えたから部屋を増やしたい。この様な声に対応するリフォームが増築です。しかし、増築を希望していても、予算や耐震性など気になる点も出てきます。

当ページでは、

  • 増築はどれくらいの予算でできるのか?
  • 最近地震や台風が多いけれど、増築したら家が崩れるのでは?
  • そもそも本当に増築は必要か?他に良い方法はないのだろうか?

などの疑問について詳しく解説します。

の記事を最後までご確認頂ければ、増築費用の相場や建築基準法に対応する施工方法、そして増築の必要不要が判断できる等の情報をご提案しますので、増築に対する心配を解消できるはずです。増築は今までの生活を一変させるリフォームなので、是非そのお手伝いをさせてください。

そもそも増築ってどんなリフォーム?

建築基準法上でも増築とは、新築、改築と同じカテゴリーに分類される「建築」とひとつであり、それぞれ、違った意味合いで分類されています。ここでは増築とその他の意味合いを紹介します。

増築

既存建築物の床面積を同じ敷地内で広める工事です。例えば、平屋を2階建にリフォームしたり、子供部屋を既存の部屋はそのままに、新たに増やしたりすることが増築です。建て替えよりも費用負担が少なく、生活しながらの工事も可能なリフォームです。

改築

既存建築物の床面積を変えずに間取りの変更を行う工事です。畳の部屋をフローリングにしたり、二部屋を広い一部屋にしたりするリフォームなどが挙げられます。

新築・建て替え

新築とは、区画された土地に新たに建築する建築物の事で、工事完了から1年以内で、誰も入居したことがない住宅のことです。一方建て替えとは、区画された土地に既に建築されている建築物を解体撤去して、新たに住宅を建築することです。どちらも工事中はそこに住むことができないため、別の場所で生活をする必要があります。また、費用も工事期間も最もかかる建築となります。

増築が必要なパターン、リフォームで対処可能なパターン

子供部屋をもう一部屋増やしたい、L型キッチンを設置したいので台所を広げたいなど、増築にはいろんな要望に応えることが出来るリフォームですが、本当に増築が必要なのか?増築以外に希望を叶えるリフォームはないのか?など考えられていると思います。

ここでは、増築が必要なパターンと、増築までしなくともリフォームで対応できるパターンを紹介していきます。

理想のリフォームとなるように以下の状況を把握して増築か改築かじっくり検討しましょう。

平屋から2階建に変更したい

「家族が増えて1階だけでは手狭になり2階に部屋を建築したい」「1階が隣地と密接しているので、2階にLDKを設けて眺望を楽しみたい」などという場合は、増築が最も適しています。このパターンでは、階段や家の構造計算も必要となるため、建築士が所属している業者に依頼すると良いでしょう。

家が狭すぎるので広くしたい

家族構成の変化は家の変化で対応する必要があります。広い家で、部屋も余っているなら問題ないですが、家が狭い場合は増築し、部屋を増やす必要があります。

二世帯住宅にしたい

二世帯住宅は、昨今の不景気による追い風を受けて、トレンドになりつつあります。
両親に子育ての援助をしてもらうことや、両親だけでは心配な場合に決心する方が多いようです。

実家をリフォームして二世帯住宅にするのか、現在の自宅を二世帯住宅にするのか?どちらかの住まいをリフォームする必要がありますが、二世帯住宅に関しては増築でも改築でも計画次第で対応可能です。

キッチンやトイレ、お風呂などの住宅設備を共有する、既存の部屋をそのまま使用する場合は、共同生活がしやすいように建具や間取りの変更をするだけでOKなのでリフォームで済みます。住宅設備を2つずつ設ける、部屋を増やす、などの場合は増築が必要となります。

和室から洋室へ変えたい

日本の住宅は以前までは、どの居室も畳敷きが多かったのですが、最近ではフロアが多く、一部屋のみ畳敷きの和室で設計するプランがトレンドとなっています。しかし最近の若い世代には和室よりも洋室の方が好まれる傾向があり、和室を洋室へ変えたいと考える人も増えています。和室→洋室への変更はリフォームで可能で、比較的簡単な工事で済みます。

増築の費用相場と工期

増築は狭い住まいを広くして、動線、水廻り、部屋数と希望を叶える住宅工事ですが、希望は多ければ多いほど費用と工期がかかってしまいます。今回は増築の坪数と概算費用の相場及び工期を紹介します。希望と予算に合った増築の目安を把握しましょう。

増築工事の概算

1坪(3.31㎡) 中連窓1箇所含む ¥950,000 工期25日程度
2坪(6.62㎡) 中連窓2箇所含む \1,500,000 工期30日程度
3坪(9.94㎡) 中連窓1箇所内部建具1箇所含む \1,800,000 工期35日程度
4坪(13.25㎡) 中連窓2箇所内部建具2箇所含む \2,100,000 工期40日程度

※増築工事には、基礎工事、建て方木工事、外壁工事、電気工事、内装工事、屋根工事を含んで概算を出しています。目安のため、契約前に依頼業者に再度確認しましょう。
※10㎡を超えると確認申請業務が必要となるため、別途申請費用と行政確認で日数がプラスでかかります。

設備工事の概算

水廻りの充実化も増築の希望要件が多い工事の一つです。ここでは、設備工事の概算を紹介します。上の増築工事の概算にプラスして予算組しましょう。

ハイグレードの設備工事

システムキッチン工事 食器洗い乾燥機付 \1,600,000 工期5日程度
システムバス工事 浴室暖房乾燥機付 \1,500,000 工期7日程度
トイレ工事 タンクレスタイプ \500,000 工期3日程度
洗面化粧台工事 三面鏡・壁水栓タイプ \400,000 工期2日程度

スタンダードの設備工事

システムキッチン工事 長さ2,700サイズ \900,000 工期5日程度
システムバス工事 広さ一坪サイズ \800,000 工期7日程度
トイレ工事 ウォシュレット付 \350,000 工期3日程度
洗面化粧台工事 幅750サイズ \300,000 工期2日程度

※設備工事には、既存設備の撤去処分、及び必要な給排水工事、機器組み立てを含んで概算を出しています。目安のため、契約前に依頼業者に再度確認しましょう。

上記の他に、確認申請代行費用として、\150,000程度かかります。
※8坪程度の確認申請費用 既存図面、敷地図、新築当時の確認済書が揃っている場合

建築基準法と増築の関係性

増築を計画する時に避けては通れない大きな壁となるのが建築基準法です。
この建築基準法は隣地との日照日影問題、火事での延焼や天災から家や隣家を守る構造、街並みを整える面積など、実はあなた自身とあなたの家を守るための法律なのです。

建築基準法を守れば、問題なく工事が進み、隣家とも争うことなく、すべてがうまくいくという確約をとれるわけではありませんが、万が一争った時にでも裁判では負けないリフォームとすることが出来るのです。

ここでは増築と建築基準法との密接な関係を紹介しますので、増築の計画前に把握して、建築基準法上、出来る増築、出来ない増築をある程度区別出来るように念頭に入れましょう。

増築の確認申請

まずは、建築基準法の第一歩となる確認申請を説明します。確認申請が不要であれば、申請業務が不要となるため、申請費用も不要となり、建築基準法からの縛りも緩くなります。では、確認申請が必要な増築を紹介します。

まず、設計士なら増築と聞いて最初に確認する項目が希望増築の床面積の大きさです。6畳の床面積は約9.94㎡ですが、確認申請が必要となる床面積は10㎡を超える増築です。標準の6畳までの増築は確認申請が不要であり、悪い言い方をすれば、役所に黙って増築することができるのです。しかし、役所に黙って増築するにせよ、建築基準法に沿った増築をしないと、違反建築物は近隣から通報され、手直しが必要となるので注意が必要しましょう。

そして、防火地域や準防火地域は、火災の被害が起きやすい地域や火災を防ぐために火災を予防しなければならない地域として都市計画法で定められています。防火地域や準防火地域で増築を計画する場合は床面積に係らず確認申請が必要となります。また、この地域でのサッシは防火サッシと指定があるので、注意が必要です。

増築時に気を付けたい建築基準法

増築のリフォームは今までなかった場所に建築物が建つため、近隣に少なからず影響を与えるようになります。その影響を建築基準法で規制するため、ある程度把握しておくと、設計を計画しやすくなるためいくつか紹介します。

建蔽率、容積率の制限

まず抑えておきたい建築基準法がこちらの二点です。
簡単に説明すると建蔽率とは建物を真上から見た時の面積で「敷地の中で家を建てられる割合」の事です。次に容積率は1階と2階の延べ床面積の合計で「敷地の中に建築可能な延べ面積の割合」の事です。

敷地は都市計画法で定められた用途地域によって区分され、建蔽率も容積率もその用途地域によって割合が替わります。例えば、閑静な住宅街の場合は割合を低くして、敷地に対して家が小さくなるよう誘導して調整しています。このように、まず用途地域と既存住宅の大きさ、そして増築予定の面積次第で、始めから増築不可能となる場合があるので注意が必要です。

高さ制限

次に増築した箇所の高さに対する制限が建築基準法にて定められています。
この制限は、①道路から②隣地から③北側からのどこから図ってもクリアできる高さでないとクリアできない基準法であり、特に③北側からの高さ制限が最も厳しくなる可能性があります。この計算方法は複雑な為割愛しますが、この基準法により、隣家の日照、日射が最低限守られるのでかなり大切なものとなります。ちなみにこの制限は斜線と言い、北側からの高さ制限を通称、「北側斜線」と言います。増築を配置する場所が北側に寄り、棟が高ければ隣家の南側に影ができ、日照が確保できないために出来た基準法です。

高さ制限が厳しい時にはこの屋根形状で対応しよう

新築もそうですが、増築で高さ制限が後少しのところでかかってしまう時は、屋根の形状を工夫するとクリアできる場合があります。

高さに余裕があれば切妻や寄棟など、既存の屋根と同じ形状にすれば違和感がないのですが、高さに余裕がない場合は板金仕上げの片流れ屋根がお勧めです。高さの制限が厳しい方に水下を向けてやると良いでしょう。また、板金と指定した理由は屋根の勾配が緩くできるからです。コロニアルや瓦だと4寸~4.5寸勾配必要ですが板金であれば1寸~1.5寸の勾配で雨漏りしない屋根仕舞となるのです。ちなみに勾配は寸の数字が低いほど緩くなります。単純計算だと、1寸勾配は4寸勾配の1/4の傾斜となるのです。

エキスパンションジョイントをつかった増築

増築の確認申請は増築部分の基準法確認と既存部分の基準法確認が必要となります。
増築部分はこれから計画するので大した作業ではないのですが、既存部分の基準法確認は骨を折る作業となります。しかも、現行の基準法に遵守されていれば良いのですが、基準法改定前の建築物(既存不適格の建築物)などは、筋交いを既定の耐力が出るように既存部を再度リフォームする作業や、採光が規定の数値を下回っているため、窓を設置するなど、既存部の改修にも費用が掛かってしまいます。

そんな建築物の増築に最適な建材がエキスパンションジョイントです。
簡単に説明すると、既存住宅部と新規増築部を基礎、外壁、屋根と全て切り離して建築し、お互いのジョイント部分をこの建材で接続することにより成り立つ施工方法です。

イメージをしては電車の車両と車両をつなぐフレキシブルな部材みたいなもので、地震にも強いと言われています。エキスパンションジョイントで増築すると、地震や台風による揺れがあった際、存建築物と新規増築部は別々に揺れるため、損害を最小限に抑えることができます。

また、存建築物と新規増築部の構造等を揃える必要がないので、確認申請も増築部をメインに申請することが出来ます。よって既存不適格と認定された既存建築物も最低限度の修繕で増築の申請が可能となるのです。

増築の流れと施工の注意点

簡単ではありますが、ここで増築の流れと施工の注意点を紹介します。

増築の流れ

以下がおおまかな増築の流れです。

まずは、増築予定の敷地を掘削し、増築位置の確定を行います。
そして、位置が決まると基礎打ち、建て方、棟上げとどんどん工事はすすんでいきます。そして、一つのターニングポイントである屋根仕舞を済ませます。この屋根仕舞いが上手くいけば増築リフォームは半分成功したのも同然です。そして、屋根葺きにより雨仕舞も完了しているので、次からは内部の造作工事と内装工事に移っていきます。ある程度増築部分が完成したところで既存住宅部の壁を解体して、増築部分との出入り動線を確保します。後はその回りを内装歩数卯して完了です。

増築施工の注意点

次に増築施工の注意点ですが、一番気になるところは雨仕舞です。
雨仕舞が悪いと屋根や外壁及びサッシ回りから水は侵入してきます。どんなに良い内装で仕上げても雨漏りすると意味がありません。しかも雨漏りしていると気づけば良いのですが、目に見えない箇所の雨漏れは構造体を腐食させる原因となるのです。これらは瑕疵となるので発見次第施工業者に報告しましょう。

また、基礎と建て方のタイミングにも注意が必要です。
基礎打設後の養生期間が短いうちに建て方をすると、基礎に無理がかかり、ひび割れや割れの原因となる場合もあります。しかし、これらは施工業者の瑕疵なので、あらかじめ瑕疵担保保険に加入していれば、施工中、第三者から審査してもらえるので安心ですし、実際に雨漏りした場合も保険で補修してもらえるので安心です。

まとめ

増築は現在の住宅をより快適に過ごすために適したリフォームだと言えるでしょう。しかし、プランや計画、費用や施工精度と、いくつもの分岐点が存在しているリフォームでもあります。他のリフォームに比べても費用や施工期間、施工とどれもが他のリフォームとは一線を画すのです。憧れの住まいを手に入れるには業者任せでは叶いません。是非、自分自身も増築の知識をインプットして、良いリフォーム増築を成功させてください。
 
ページのトップへ