不動産投資を新しく始めたい人はどのように始めれば良いのでしょうか?
まず、最初に現在の不動産市場の状況や仕組みなどを理解する必要があります。
そこで、今回はそのような不動産投資初心者が決めなければならない投資の始め方や、
物件の選び方・投資目的などの重要なポイントを掘り下げます。
不動産投資を新しく始める人達の参考になれば幸いです。
これらを少しでもお考えなられたことがあるなら、当ページがお役に立つと思います。
不動産投資は株式投資やFX投資など他の投資と比較してみますと、比較的、初心者にとって始めやすい投資と言えます。
株式投資やFX投資はネットトレードですからパソコン操作に慣れる必要がありますし、
企業業績や経済情勢・チャート・テクニカルなどの基礎的な知識が必要です。
一方、不動産投資は投資法や物件選択を絞り込めば、それほど特別なスキルやノウハウは必要ありません。
また、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの長期投資ですから、自らリスクや資金のコントロールをすることができますし家賃収入などで安定した収入を確保することも容易です。
そして、不動産投資の仕組みとしては、不動産投資で収益を得る方法としてインカムゲイン狙いとキャピタルゲイン狙いの2種類があります。
インカムゲイン狙いは不動産を購入し第三者に賃貸することで毎月家賃収入を得ていきます。キャピタルゲイン狙いは不動産を安い価格で購入し価格が上昇した時に売却することで差額の利益を得ることができます。
したがって、不動産投資の仕組みは非常にシンプルですが、ローンの利用法や管理会社の利用法・物件管理・長期修繕計画の作り方など付随する業務に対する知識・経験やノウハウが大事になってきます。
キャピタルゲイン狙い | 区分マンション投資 ワンルームマンション投資 一戸建て投資 |
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インカムゲイン狙い | アパート経営 マンション経営 戸建て経営 シェアハウス経営 |
不動産投資は他の投資に比べてローンを利用しやすいのも大きなメリットです。
不動産投資は長期投資が前提ですから、物件を担保にすることで金融機関が低い金利で融資を実行しやすいという特徴があります。
そのため、不動産投資における自己資金の作り方も投資の重要な要素になってきます。
通常、物件価格の20%~30%程度が平均的な自己資金の水準ですが、不動産市場の状況により自己資金の比率は前後します。
また、自己資金を貯めてから投資するのが良いのか、不動産市場の状況を見ながらローンを使ってタイムリーに投資するのが良いのかは「鶏と卵」の世界です。
ただ、間違いなく言えることは、自己資金が多ければ多いほど、後々の資金繰りは楽であることです。以下、一般的な自己資金に対する考え方です。
自己資金が少ない状況 | 不動産市場上昇期 低金利 |
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平均的な状況 | 物件価格の20%~30%の自己資金 |
自己資金が多い状況 | 不動産市場成熟期 高金利 |
どんな投資においても必ず儲かる投資法があるはずはありません。
もし、必ず儲かる投資法があると断言する人がいるとすれば近寄らない方が良いでしょう。
なぜなら、本当にそんなに儲かる方法があるのなら人に奨めるはずはなく、
コッソリ自分だけが儲けようとするのが人間の性だからです。
ただ、不動産投資においても上手な始め方として必要不可欠な要素がありますから、
それらを忘れてはなりません。
①自分自身の投資目的を決めること
インカムゲイン狙いなのかキャピタルゲイン狙いなのかなどの投資目的を決めなければなりません。
②自己資金額を決めること
これにより金融機関との付き合い方が決まります。
③不動産業者とどのように付き合うかが重要
不動産業者から提示される良い物件が必ずしも良い物件である可能性は残念ながら限りなく低いでしょう。
④投資家自身にとって良い物件とはどんな物件なのかをよく検討すること
投資用のマンション・一戸建てなど初めての物件選びで大事なことは、
ご自身が賃貸住宅に住む場合に選ぶ基準が第一です。
例えば、駅からの距離・平米数・設備・デザイン・日当たり・眺望・周辺環境などです。
ただ、投資物件に関してはもう1つ別の視点も必要になります。
つまり、投資家自身が住むのであれば状況が変われば住みかえることもできますが、
投資の場合は物件とより長い付き合いになりますから長期的な視点も欠かせません。
したがって、将来的に発展性のある地域か否かという要素も考える必要があると言えます。
加えて交通事情や街並みを曜日時間を変えて確認することと、最近は多重ロックや防犯カメラの設置状況を確認すると万全です。
また、将来的に再開発エリアの変更もありますから用途地域の確認も必要です。
用途地域 | 建てられる主な建物 |
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第一種低層住居専用地域 | 低層一戸建て・マンション・保育園等 |
第二種低層住居専用地域 | 同上 |
第一種中高層住居専用地域 | 上記+中高層マンション・大学・病院 |
第二種中高層住居専用地域 | 同上 |
第一種・第二種住居地域・準住居地域 | 上記+オフィス・商店・ホテル |
商業地域 | 上記+デパート・銀行・小規模工場 |
準工業・工業地域 | 上記+工場・倉庫 |
一般的に少額不動産投資とは投資金額1,000万円以内の不動産投資を意味しますが、
加えて自己資金が極端に少ない不動産投資を少額不動産投資に含める場合があります。
まず、一般的な少額不動産投資は以下の通りです。
J-REIT(不動産投資信託) | 不動産投資法人が投資家から資金を集め投資する |
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不動産小口化商品 | 1つの不動産を出資金を出した投資家全員で共同所有 |
クラウドファンディング | インターネットを通じて多くの人から出資を募る |
少額で買える投資用物件 | 地方区分マンション 築古物件 格安物件 競売物件 |
ここでは上記の4つの少額不動産投資の中で「少額で買える投資用物件」に注目します。特に、その中でも地方区分マンション・築古物件・格安物件は、不動産投資初心者が投資し易い物件が多く見られます。
主に少子高齢化による人口減少や過疎化で実体価値以下の流通価格に放置された地方区分マンション・築古物件の中には、リフォームすれば十分に住める物件も少なくありません。
また、リゾート開発の失敗で放置された格安物件も400~500万円程度の価格で投資することができますので、学習を兼ねた最初の不動産投資物件としてはおもしろそうです。
投資物件選びでは利回り重視で物件選びをするのが常ですが、最近は不動産価格の上昇で良い物件の利回りは低下しています。一方で高利回り物件は高利回りだけで飛びつくと大怪我することも少なくありません。
そこで、物件の状況を良く知った上での利回り重視というスタンスが求められます。
そのようなスタンスの第1のポイントは、物件選びは自分の目の届く範囲で行うことが重要で、要は現地調査を徹底することです。
第2のポイントは、やはり、立地となりますが、都内であれば新宿・渋谷・池袋・東京・上野・品川等の主要ターミナル駅から30分前後で通うことのできる物件がベストです。
主要ターミナル駅から30分前後で通う事の出来る物件ということは、都内のどこに行くにも1時間以内という立地となります。
そして、第3のポイントは不動産会社選びとなりますが、
要は積極的にリーシングしてくれる不動産会社がベストということになります。
1 | 葛飾区 | 7.57% |
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2 | 足立区 | 7.27% |
3 | 中野区 | 6.39% |
4 | 世田谷区 | 6.35% |
5 | 杉並区 | 6.33% |
6 | 江戸川区 | 6.23% |
7 | 練馬区 | 6.15% |
8 | 大田区 | 6.13% |
不動産の投資目的は大きく3つに分類できます。
その中で不労所得の確立を目指す人は不動産運用で稼ぐことを目的とした「資産運用タイプ」と考えられます。
一方である不動産会社の調査によりますと、不動産投資初心者の平均像は、 「性別は男性が84.9%・年齢は30代~40代が65.9%・職業は会社員・公務員が62.4%・年収は500万円~999万円が42.3%」という結果になっています。
つまり、「30代~40代の年収500万円強の会社員・公務員」が脱サラ・脱公務員して、自営の不動産賃貸業で不労所得を目指すパターンが多いということになります。
不動産投資初心者の年収調査は以下の通りです。
500万円未満 | 17.4% |
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500万円~700万円 | 18.5% |
700万円~1,000万円 | 23.8% |
1,000万円~1,500万円 | 17.7% |
1,500万円以上 | 22.6% |
将来、年金だけでは暮らせないことが確実な世の中になりつつありますので、
若い世代ほど年金に代わる資産の形成に熱心です。
その中の1つの選択肢として不動産運用で年金代わりを目指し将来に備える「リスクヘッジタイプ」が増えています。
つまり、不動産賃貸による家賃収入を将来の年金代わりにしようという考え方です。
年金と合わせてリタイア後の月収目標額を30万円~40万円程度に設定するとすれば、
区分マンションなら2戸~3戸でアパートなら1棟~2棟の賃貸が必要です。
立地にもよりますが実際に区分マンション2戸~3戸・アパート1棟~2棟の賃貸収入は月額30万円~40万円を上回りますが、管理費・修繕費などの様々なコストを差し引くと30万円~40万円程度残ることになります。
その意味で上記の収入を得るには、アパート投資額で1億円程度の投資が必要になってきます。
つまり、頭金で500万円~1,000万円程度必要となるケースが考えられますから、年収700万円以上で資産が2,000万円以上の投資家が検討できるイメージでハードルは高くなります。
ローン返済費 | 賃貸物件をローンで購入した場合の返済費用 |
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管理委託料 | 管理を不動産管理会社に依頼する場合の管理委託料 |
仲介手数料 | 賃貸を仲介してもらった際の費用 |
建物修繕費 | 損傷箇所や劣化した部分を修繕するための費用 |
保険料 | 所有物件で加入している各種保険の費用 |
税金 | 固定資産税など各種税金 |
諸経費 | 入居者募集の広告宣伝費・接待交通費・共有部分光熱費 |
節税することを目的に不動産投資を始める人もいますが、多いのは相続税の節税を狙った不動産投資です。
<例えば、1億円の現金を相続するよりも1億円の不動産を相続する方が相続税は低くなりますから、相続対策として不動産投資を行う人も少なくないのです。特に、現金をアパート経営や駐車場経営に投資するケースが目立ちます。
併せて、不動産投資のための器として法人を設立し配偶者や子どもを法人の役員にすることで、贈与税や相続税を節税する方法もあります。
法人化することで不動産投資の利益にかかる税金が、所得税・住民税から法人税になることで税率が下がる効果も見込めます。
また、法人化しなくても不動産投資を行い事業が赤字になった場合は、確定申告することで赤字の分だけサラリーマンとして給与から納税した所得税を還付してもらうことができ住民税も確定申告をすることで軽減することが可能です。これを損益通算といいます。
今や不動産情報サイトは物件選びには欠かせないツールですし、不動産投資ブログは投資家の生の声を聞くことができる貴重なツールです。
また、良い不動産会社を選ぶために「不動産一括査定サイト」などの不動産情報サイトを使う手もあります。
「不動産一括査定サイト」は売却査定を無料でやってくれる便利なサイトですが、複数社からの提案を見比べることで最適な不動産会社を選ぶこともできます。情報をフォームに入力するだけで複数の不動産会社に査定依頼できますので、5~6社に依頼して最適な不動産会社を選べば良いのです。以下、主な不動産一括査定サイトの一覧です。
すまいValue | 住友・三井・野村など大手6社に一括査定依頼できる |
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おうちダイレクト | Yahoo!とSRE不動産が共同運営する不動産プラットフォーム |
イエウール | 1,700社に依頼でき利用者数ダントツの不動産査定サイト |
HOME4U | 日本初の不動産一括査定サイト。売却査定数35万件以上を誇る |
LIFULL HOME’S | 全国1,783社以上・最大10社に一括査定できる |
サイト名 | URL | 運営会社 | コメント |
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SUUMO | https://suumo.jp/ | リクルート住まいカンパニー | 顧客満足度調査で1位を多く獲得 |
LIFULL HOME’S | https://www.homes.co.jp/ | LIFULL | 総掲載物件数No.1日本最大規模 |
アットホーム | https://www.athome.co.jp/ | アットホーム | 利用不動産店数約55,000店舗 |
特に、不動産投資と他の投資(株・FXなど)との違いや、不動産投資の仕組みメリットやリスクなどをわかりやすく学べます。また、セミナーによっては提携する金融機関などを紹介してもらうこともできます。
上手な活用法の2つ目は不動産投資の視野が広がることです。投資セミナーでは実績豊富なプロ直伝の収益の良い物件の見分け方や、家賃収入を安定させる方法などの実践を学べます。
上手な活用法の3つ目は不動産投資セミナー終了後に個別相談を設けてくれるセミナーが多いので個別に専門家に相談できることです。特に、第三者の立場から客観的に評価して貰えることは貴重な経験となるはずです。
投資先 | 運営会社名 | URL |
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マンション・アパート | ベルテックス | https://vertex-c.co.jp/seminar/ |
新築アパート投資 | アイケンジャパン | https://aikenjapan.jp/ |
中古マンション | FJネクスト | https://www.fjnext.com/ |
中古マンション | ジーイークリエーション | http://www.ge-creation.co.jp/ |
新築マンション | グローバル・リンク・マネジメント | https://www.global-link-seminar.com/ |
新築マンション | シノケンハーモニ | http://www.fudosantoushi.jp/ |
海外不動産 | ビヨンドボーダー | https://global.sekaiproperty.com/ |
今回は不動産投資を始めたい人の始め方や物件の決め方などのポイントを説明してきました。もちろん、不動産投資を始めたい初心者にとってはそのような基本知識は必要ですが、それらに増して大事なことは投資家自身が最適と考える投資先のイメージです。なぜなら、全く同じ間取りのマンションでも階数や日当たりを含めると1つとして同じ部屋は無いように、投資家自身が最適と考える投資先のイメージも千差万別です。ですので、最初に投資家自身が最適と考える投資先のイメージを確立することが重要なのです。