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副業解禁で広がるサラリーマンの不動産投資メリット

副業解禁で広がるサラリーマンの不動産投資メリットのイメージ

昨年、厚生労働省が「モデル就業規則」から副業禁止の規定を削除して以来、
兼業・副業を容認・推進している企業は全体の22.9%から今年3月には36.9%に 約14%増えています。

つまり、サラリーマンの3人に1人は副業ができることになりますが、今後は副業で何をやるのかが問われており、にわかに注目を集めているのが副業で不動産投資ということです。

そこで、今回は副業で不動産投資する場合のポイントやメリットなどとともに、副業としての不動産投資はどこまで許されるのかを考えます。

  • 家賃収入はどこから副業か?
  • 公務員の収益物件投資や駐車場相続はどうなる?
  • サラリーマン大家のメリットを知りたい

これらを少しでもお考えになったことがあるなら、当ページがお役に立つと思います。

副業解禁で不動産投資などの不労所得が注目されている

あらためて副業解禁の内容を確認する

昨年来、「働き方改革」を掲げる安倍内閣は「副業・兼業」の推進に力を入れ、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の「モデル就業規則」から副業禁止の規定を削除しました。

これらの動きにより企業の間で「副業解禁」の動きが広がり、新生銀行が大手銀行としては初めて「兼業」と「副業」を解禁し正社員など約2,700人が本業に加えて異業種の仕事に就くことを認めました。

また、ユニ・チャーム・ソフトバンク・コニカミノルタ・日産・花王・リクルートなどの大企業が副業にGOサインを出しています。

本年においては一気に「副業」を認める会社が目立ってきており、ランサーズが実施した「フリーランス実態調査 2018年」によりますと副業の経済規模は約8兆円にも上るそうです。

厚生労働省「モデル就業規則」「副業・兼業に関する規定」

厚生労働省「モデル就業規則」「副業・兼業に関する規定」
第14章 副業・兼業第67条1項 労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる。
67条2項 労働者は前項の業務に従事するにあたっては、事前に会社に所定の届出を行うものとする。
67条3項 次の各号のいずれかに該当する場合には、会社はこれを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用・信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により企業の利益を害する場合

副業解禁と就業規則とのかね合い

会社が社員に副業を認める場合でも、上記の「モデル就業規則」にある様に禁止または制限する項目を設けています。

例えば、企業秘密が漏洩する場合や会社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、競業により企業の利益を害する場合などです。

具体的にはメーカーの社員がライバル企業のアルバイトをしても良いのか、金融機関の社員の株式投資や不動産投資はどうか、不動産会社の社員の不動産投資は許されるのか、公務員の株式投資や不動産投資は許されるのかなどです。

つまり、ここでは「副業」解禁を考える前に社員の「本来業務」は何なのかを明確にすべきです。

そもそも、社員の「本来業務」が何なのかを明らかにしなければ「副業」を認めるのか認めないのかが判断できないケースが増えそうで、社員の「本来業務」が何かを明確にしなければ「競業」かどうかも解りません。

ですので、「副業解禁」を契機として日本企業は会社が社員に期待する「本来業務」は何なのかを明示することで、社員は規定の労働時間の中でそれに応える義務が明確になりそうです。

その結果として、「本来業務」に支障のない範囲で「副業」が認められることになります。

はたしてこの様な問題に対してどこまで日本企業が割り切れるか注目されます。

副業解禁と国家公務員法・地方公務員法とのかね合い

公務員はお堅い仕事の代名詞とも言える職業で「副業」とは対極に位置付けられてきました。これまで、公務員は国家公務員法・地方公務員法により厳しく兼業の禁止が徹底されていました。

ところが、民間の「副業解禁」の流れと2018年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」の中で国家公務員の兼業を後押しするような記載があったため、新聞で報道されインターネットなどでも話題になりました。

その結果として、以下の国家・地方公務員法に触れない現行法令の範囲内で、兼業を許可することは可能というコンセンサスができつつあります。

つまり、法令上の整理としては法改正を伴わない運用の改善として、以下の副業が認められつつあると言えます。

国家公務員法・地方公務員法の副業範囲

これまで可能な副業 今後可能な副業
不動産賃貸業 NPOでの勤務
株式・FX・仮想通貨投資 地方活性化に取り組む団体での勤務
大学の教員・講師・講演・本の執筆 消防団
農業・家事手伝い 地域のスポーツクラブでの審判コーチ

上記の不動産賃貸は投資としての不動産の賃貸業も含まれますが、営利目的のキャピタルゲイン狙いの投資は微妙な状況です。

また、株式・FX・仮想通貨投資は収入が500万円ラインを超えると許可が必要になり、本業とは別に確定申告しなければ罰則が与えらます。

加えて大学の教員・講師・講演・本の執筆は謝礼金も受け取ることもできます。

国家・地方公務員法の兼業禁止

国家公務員法第103条 職員は商業・工業又は金融業その他営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員・顧問若しくは評議員の職を兼ね又は自ら営利企業を営んではならない。
同第104条 職員が報酬を得て営利企業以外の事業の団体の役員・顧問に従事し、若しくは事務を行うにも内閣総理大臣及びその所轄庁の長の許可を要する。
地方公務員法第38条 職員は任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員に就くこと、若しくは私企業を営み又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

副業解禁で不動産投資は増えるのか?

それでは、現実問題としてサラリーマンが副業を始めるとしたら、一体、どんな副業が現実的でしょうか?

まずは得意分野を生かして肉体労働などの労働集約型の副業を探すか、デスクワークでできる知識・資本集約型の副業を選ぶかです。

前者の具体例としては祭日や土曜日にコンビニや宅配便でバイトすることや、タクシー・工場勤務などが考えられます。

また、後者としては転売やアフィリエイト広告収入や不動産投資・執筆活動などが考えられます。

もちろん、株式・FX・仮想通貨投資も副業として考えられますが、これらはある程度の資本と売買のための時間が必要で必ずしも手軽な副業とは言えません。

一方、不動産投資は長期投資が前提ですから、一定の知識は必要ですが売買のための手間ひまはかかりません。

また、資金的にも不動産投資に対しては銀行ローンが整備されており長期の低い金利で融資を受けることができますから、資金のない若いサラリーマンが参入しやすい副業と考えられます。

副業解禁で増えるサラリーマン大家や不動産投資家

サラリーマン大家のメリット

「副業解禁」で若いサラリーマンや公務員が不動産投資に参入することが考えられますが、サラリーマンや公務員を続けながら大家をすることのメリットを考えてみましょう。

サラリーマン大家のメリット
  • 銀行から融資を受けやすい。
  • 本業+副業での収入が2本立てになる。
  • 節税効果を得られる
  • レバレッジ効果で複数棟のオーナーになれる。

メリットの1つ目は銀行からの融資を受けやすいということです。

銀行が融資審査の属性として最も重視することは勤務先と年収ですから、その点についてサラリーマン投資家や公務員は自営業者などよりも審査ポイントは数段高くなります。

その結果として早い審査で低い金利での融資が受けられることになり、ケースにもよりますがサラリーマン投資家や公務員は自営業者などよりも1%程度低い金利が適用され必要なキャッシュ比率も低いのです。

メリットの2つ目は2本目の収入源を作ることができることで、言うまでもなく本業の収入と副業の収入の2本立てになります。

3つ目は節税につながることで、相続税・所得税・住民税などを節税することができる場合が出てきます。また、法人化することで経費計上などさらなるメリットも加わります。

4つ目のメリットはサラリーマン投資家や公務員が副業の不動産投資で成功した場合、不動産投資特有のレバレッジ効果で2軒目・3軒目ゆくゆくはアパート・マンションの1棟オーナーも夢ではないことです。

公務員の不動産投資は副業なのか?

前項でも触れましたが公務員の不動産投資のうちで家賃によるインカムゲインについては、公務員の副業として許される場合があります。ただ、以下の場合は副業の範囲を超えると判断されます。

人事院規則

人事院規則
戸建て・マンション 5棟以上の戸建て10室以上のマンションの賃貸
土地 10件以上の土地の賃貸
その他 劇場・映画館・ゴルフ練習場・旅館・ホテルなどの賃貸

また、収入が500万円ラインを超えると許可が必要になり、本業とは別途で確定申告しなければ罰則が与えらます。

そして、これらの規定には例外があり次のような場合には不動産の賃貸が認められる場合があります。

人事院規則

人事院規則
管理業務を事業者に委ねることで職務の遂行に支障が生じない場合
当該事業が相続・遺贈等により家業を継承したもので職員以外の者を当該事業の業務遂行責任者としている場合
職員と事業者のあいだで特別な利害関係がない場合
所轄庁長等の承認があった場合

一方で公務員のキャピタルゲイン狙いの不動産投資は微妙な状況です。前提として国家公務員法や地方公務員法で営利目的の兼業が禁止されているからです。

公務員の収益物件や駐車場相続はOKなのか?

公務員のキャピタルゲイン狙いの不動産投資は問題視される場合が多そうですが、駐車場経営も注意を要するようです。人事院規則には以下の様な規定があります。

人事院規則

駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合
建築物である駐車場又は機会設備を設けた駐車場であること
駐車台数が10台以上であること

不動産または駐車場の賃貸にあっては上記のいずれかに該当するときは、自営に当たるものとして取り扱うものとする。

つまり、人事院規則にもあります様に公務員の収益物件や駐車場の経営・相続につきましては、副業(兼業)が認められない場合があります。

ですので、副業(兼業)を行なう場合は所轄庁長等の承認を貰うことが先決と言えます。

銀行員が副業で大家はOKなのか?

一般的に不動産投資は株式投資などと同一で投資であり副業ではありませんので、副業禁止に当てはまるとは考えられません。

ただ、公務員が国家・地方公務員法・人事院規則に縛られるのと同様に、銀行員は銀行の職務規定や行内規定を守らなければなりません。

現在、多くの銀行の職務規定や行内規定では副業が禁止されており、その意味で銀行員の副業は禁止となります。

ただ、例外的に相続による不動産の賃貸収入を認めている銀行は多い様ですから、公務員同様に銀行員の場合も所属長に相談することをお奨めします。

副業で不動産投資にはテクニックが必要

副業で不動産投資は節税にもつながる

副業で不動産投資することは節税につながることは広く知られていますが、特に、サラリーマンが不動産投資会社を設立することで節税の枠が広がります。

そこで、本項では節税になる仕組みについて詳しく説明することにします。
本来、節税の仕組みは以下の通りです。

不動産所得赤字→損益通算→控除額を繰り越す→税金の支払いを数年間減す

不動産所得そのものは黒字であっても、各種経費を上手に計上することで不動産所得全体を赤字にすることができます。

また、青色申告をすることによって数々の経費の枠組みや控除額の利用が可能になるために節税に活用できるのです。

そして、節税のポイントである不動産所得の赤字化については、「経費の計上」と「減価償却」を活用することが重要です。ここまでを整理しますと、

所得税額=(給与収入-給与所得控除-所得控除)×税率-税額控除
不動産所得の金額=総収入金額-必要経費

必要経費は不動産収入を得るために直接かかった費用を意味し、例えば「固定資産税」「損害保険料」「減価償却費」「修繕費」などが考えられます。

特に、「減価償却費」は不動産価値は経年劣化により年々減少するためその価値減少分を経費計上することができる制度で、資産の購入にかかった金額を法定耐用年数に分けて経費計上していきます。

不動産賃貸業は法人化が有利

アパート・マンション経営を法人化することの最大のメリットは所得税・住民税の節税が見込めることです。

個人が支払う所得税よりも法人税の税率が低いことが1つ目の節税ですが、2つ目は不動産所得そのものを減らすことができます。

例えば、個人の不動産収入が2,000万円で必要経費が1,000万円の場合、不動産所得1,000万円に対して所得税・住民税がかかります。

一方、法人化して上記の1,000万円を社長に役員報酬として支給すると、会社の所得はゼロとなり法人税が課税されなくなります。

また、法人化することで必要経費の選択肢が多くなることは自営業者なら良く知っています。

特に、交際費・会議費などの名目で飲食関連費用が経費化できますし、交通費の領収書を残せば公私の区別は付き難く経費化できる場合が多いのです。

さらに、法人化により相続税も節税になるケースが多くなります。一方で法人化による多少の費用増も無い訳ではありません。

副業で不動産投資はリートも使える

REITとは不動産投資信託の略称で、投資家から資金を集めて不動産を運用して得た賃料収入等を元に投資家に分配する金融商品です。

仕組みがアメリカのREITと異なる点もあるため、J-REITと言われ株式同様に東京証券取引所に上場され毎日売買されています。

ですので、実際にリアルにマンション投資をしてリターンを得るのと、J-REITに投資するのとでは得られる結果は大きな違いは無い様に思われます。

リアルのマンション投資は物件探し・入居者探し・修繕・管理運営などの手間がかかりますが、J-REITは金融商品と同様に購入すれば良いだけです。

ただ、何事も経験なので本格的に不動産投資をめざす人はリアル投資をめざすべきかもしれません。

あるいは、不動産投資をしたいが時間も大きな資金も準備できない人はJ-REITから入る手も考えられます。

以下、直近のJ-REIT銘柄分配金利回りランキングになります。

J-REIT銘柄分配金利回りランキング

J-REIT銘柄分配金利回りランキング
1位 3492 タカラレーベン不動産投資法人 6.52%  
2位 3459 サムティ・レジデンシャル投資法人 6.49%
3位 3470 マリモ地方創生リート投資法人 6.20%
4位 2971 エスコンジャパンリート投資法人 6.18%
5位 3451 トーセイ・リート投資法人 6.14%
6位 3455 ヘルスケア&メディカル投資法人 6.09%
7位 8963 インヴィンシブル投資法人 6.01%
8位 3473 さくら総合リート投資法人 5.85%

副業で不動産投資メリット・デメリット

これだけある副業で不動産投資のメリット

副業での不動産投資デメリット
  • 副業での不動産投資メリット
  • 不労所得が得られる。
  • 法人化による節税メリット。
  • 自己資金が少なくても可能。

副業で不動産投資のメリットの1つ目は何と言っても不労所得が期待できることです。

サラリーマンの場合、本業の給与収入は65歳か70歳で無くなりますが、不動産からの不労所得は年金の様に一生涯受け取ることが可能です。

2つ目は不動産投資による収益を節税することができることです。特に、法人化による節税メリットは大きく、この点は既に述べました。

3つ目は自己資金が少なくても投資が可能なことでこの点も既に述べましたが、特に、現役のサラリーマンは銀行のローン審査には有利な属性と言えます。

ただ、あくまでも不動産投資は副業ですから本業に支障がない範囲で行うことが長続きの秘訣です。特に、会社の就業規則や公務員の場合は公務員法や人事院規則をチェックする必要があります。

副業で不動産投資のデメリット

副業での不動産投資デメリット
  • 値下がりリスク
  • 金利上昇リスク
  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク

一方で投資にはリスクがあることも忘れてはなりません。特に、不動産投資のデメリットとしては値下がりリスクがあることは言うまでもないことです。

また、ローンを組んでいる場合はローン金利の上昇リスクも想定しておく必要があります。

さらに、マンション・アパートの賃貸経営をする場合は空室リスクや家賃滞納リスクなども考えられます。

また、不動産投資は株式投資などの有価証券投資には無い経年劣化というリスクもあります。

マンション・アパートが古くなると空室リスクが高まると同時に修繕などで経費がかかることになります。

大事なことはこの様な不動産投資のデメリットについて、投資家自身が全てを把握し納得した上で投資に踏み切ることです。そうすれば、おのずとデメリットに対する対策も見えてきます。

絶対にやってはいけない投資スタイルは不動産会社などの業者が描いたバラ色の絵に飛びつくことで、たとえ顧客と言えどもこの世の中に将来の損失を肩代わりしてくれる不動産会社などの業者は皆無ということです。

投資の世界は全てが自己責任の世界なのですから・・・

メリット

  1. 不労所得が得られる。
  2. 法人化による節税メリット。
  3. 自己資金が少なくても可能。

デメリット

  1. 値下がりリスク
  2. 金利上昇リスク
  3. 空室リスク
  4. 家賃滞納リスク

副業の確定申告はどうするのか?

一般的に、副業が給与所得ではない人で副業での所得が年間で20万円未満の場合は確定申告は不要ですが、
不動産投資では年間所得が20万円未満は少数派かもしれません。

いずれにしても、年間所得が20万円以上の場合は確定申告が必要と理解しておくべきです。

その上で控除が受けられる費目も少なくない訳ですから、副業を始めた段階で何でも領収書を貰うクセを付けた方が良いのです。

飲み会で自営業者の人達は必ず領収書を貰いますが、飲み食いや交通費などの領収書はチリも積もれば山となるのです。

ですので、最初は月毎に領収書をまとめておき、確定申告前に簡易簿記を付ければ間に合います。

もう1つのポイントは副業での所得を事業所得として青色申告してみることです。

青色申告で複式簿記を付けた場合は65万円の特別控除が受けられますし、簡易簿記の場合でも10万円が控除になります。

あらかじめ青色申告は税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出する必要がありますが、今はネットでダウンロードして郵送することも認められています。

まとめ

ここまで副業解禁で広がるサラリーマンの不動産投資メリットについて述べてきましたが、何事も簡単に成し遂げられるものから得られる利益は大きくはないものです。

つまり、副業としての不動産投資で一攫千金などあり得ないことですから、地道に副業としての不動産投資の経験を積むことが重要です。

まずはワンルームマンション1室の投資家から始めて、数年かけて少しづつ増やしていくスタイルが地道です。

その間に本項で指摘したメリットを実際に経験することで、投資家自身の不動産投資スタイルが確立されればそれに敵うものはありません。

世の中には過去に成功した多くの投資スタイルが溢れていますが、そのスタイルで将来も儲かる保証はないのです。

 
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