どんな投資にも成功パターンと失敗パターンがありそうですが、
とくに不動産投資においては成功パターンと失敗パターンが色濃く見えてきます。
そこで、今回は不動産投資の成功パターンと失敗パターンを様々な切り口から深堀します。成功者のパターンはどんなパターンが多いのか、失敗者はどんな失敗パターンに陥っているのかを読み取って頂ければ幸いです。
これらを少しでもお考えなられたことがあるなら、当ページがお役に立つと思います。
不動産投資のパターンは、まず、キャピタルゲイン狙いとインカムゲイン狙いに分けられます。つまり、物件の値上がり益を狙うキャピタルゲイン狙いと、アパートマンションの家賃収入を狙うインカムゲイン狙いに分けられます。
そして、キャピタルゲイン狙いでは1年~2年の値上がり益を狙う短期と5年~10年狙いの中期、それ以上の長期に分けられます。
短期狙いは割安な不動産を購入して購入価格以上の値段で売却を繰り返していくという短期売買の不動産投資で、市況が活気づいている時に価格が高値圏であっても売買を繰り返して利益を積み重ねます。中期と長期は比較的、じっくり値上り益を狙います。
一方、インカムゲイン狙いに短期は有り得ませんから長期狙いは同じですが、投資対象が新築・中古のワンルームマンション・ファミリーマンション・高級マンション・1棟アパート・1棟マンション・シェアハウス等に分けられます。
マンション投資にもさまざまなパターンがありますが、それぞれのメリットとデメリットをよく考えて検討することが重要です。
まず、区分マンション・分譲マンションのメリットとしては、投資金額が1,000万円前後から1億超えまでと選択肢が豊富なことです。また、複数所有する場合はエリアを分散することができますからリスクヘッジにもなります。
一方、デメリットとしては値下がりリスクや空室リスクがあります。
また、新築・中古のワンルームマンションは区分・分譲マンションよりも低価格の物件が多く、その意味でより多くの物件を購入できますからメリットを生かすことができます。
一方でデメリットである空室リスクは立地の良い物件であれば、区分・分譲マンションよりも低いと言えます。
東京23区 | -1.5%の5,459万円 |
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東京都 | -2.1%の4,898万円 |
埼玉県 | -1.0%の2,302万円 |
千葉県 | ±0.0%の2,039万円 |
神奈川県 | +0.9%の2,909万円 |
大阪府 | +0.7%の2,535万円 |
兵庫県 | +1.1%の2,020万円 |
愛知県 | -0.1%の2,098万円 |
通常、一戸建ては投資目的ではなくマイホームとして建てられていますから、そもそも、投資を目的とした価格設定にはなっていません。つまり、新築物件は一次所有者が買い易い価格設定になっている場合が多いので、周辺環境などを考慮して上手に購入すれば賃貸に出して高利回りを狙うことも可能です。
ちなみに、2019年7月の首都圏の新築一戸建て平均価格は前月比-1.1%の3,995万円・近畿圏は-0.7%の3,138万円・中部圏は+2.0%の3,068万円・福岡県は+2.3%の3,032万円となっています。
したがって、一戸建て賃貸経営で高利回りを狙うには、中古一戸建て中心の投資が有利です。また、マンション・一戸建て以外の不動産投資としては、以下の投資が考えられます。
一般的に多くの不動産投資メリットがあることは広く認識されていますが、不動産会社の営業トークだけを鵜呑みにすると後で痛い目に合うことも多い世の中です。・・・
アパート経営成功の1つのパターンは古くからの土地持ちオーナーのパターンです。例えば、大東建託などの大手不動産会社が郊外の地主や農家・お寺などと組み、アパートを建設し管理するシステムは1つのアパート経営成功のパターンとして根付いています。もともと、このパターンは土地持ちオーナーを対象にしていますから、投資金額がアパートの建築費だけで済むところが成功の要因です。
2つ目のパターンは立地の良いエリアを選んでアパートマンションを建設するパターンで、現在のような不動産の好況時に増えるパターンと言えます。
このパターンでは空室リスクが低く今後の成長が期待されるエリアに早めにアパートマンションを建設することが肝心ですから、現在のような市場の成熟期においては土地代や建設費が嵩む恐れが出てきます。
3つ目のパターンは中古の割安物件を購入し購入後にリフォームし空室を改善するパターンです。あるいは、リフォームし空室を改善した上で転売することも目指しています。特に、郊外などで賃料が下落した物件や空室が目立つ物件を安値で買い取り、リフォームなどを行って付加価値を高めることがこのパターンのミソと言えます。
物件のオーナーから委託され物件を管理しているのが管理会社ですが、管理会社にはさまざまなパターンがあります。
単に物件の管理だけを行っている管理会社があれば、物件管理と賃貸管理を行っている管理会社もあります。
このような賃貸管理を行っている管理会社は、入居者とオーナーの間に入って入居者の募集・案内・契約を結びますので仲介会社とも言われています。
仲介業者から派生した管理会社 | 不動産仲介業者が賃貸管理業を始めるパターン |
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メーカーから派生した管理会社 | ハウスメーカー系・アパート専業メーカー系・建設会社系の管理会社 |
コンサルティング会社から派生した管理会社 | 不動産の有効活用を行う企画系の不動産コンサルなどから |
ビルメンテナンス会社から派生した管理会社 | 本業が管理なので中立・公平であると言える |
不動産投資オーナーのパターンで多いのは、代々土地を保有している地主が相続税対策で行うのが一般的なパターンでした。このアパート投資のパターンのオーナーはもともと先祖代々土地を保有している地主ですから、後々アパートを手放すということは有り得ません。
ところが、このようなアパートオーナーのパターンが徐々に変わりつつあります。最近の傾向で目立つのは転売型のオーナーが増えていることです。
例えば、新築でアパートを建てたオーナーが、築10~15年後に売却し新たな物件に買い替えるパターンが増えています。
加えて、もともと地主では無い投資家が土地を購入しアパートマンションを建設するパターンも増えています。このようなパターンではエリアの立地に相応しいアパートマンションを建てることができるのがメリットなのです。
不動産投資ローンのパターンは大きく2つの種類に分かれています。
1つ目は不動産会社の提携ローンで、物件を紹介してくれた不動産会社が金融機関も紹介してくれるパターンです。金融機関から見ると提携している不動産会社の物件は一定のレベル以上の物件ですから、一応、融資のテーブルには乗るわけです。
2つ目のパターンは金融機関の不動産投資ローンで、不動産の購入者が自分で金融機関を探すことになります。
そして、いずれのパターンにおいても不動産投資ローンの審査のポイントは同じです。
不動産投資ローンの融資が受けやすい条件の1つ目はマンションへの融資です。
マンションは基本的にRC造ですから法定耐用年数は47年と長く設定されていますし、RC造は耐久性・断熱性・防音性に優れているため融資物件として最も適しています。
条件の2つ目は新築であることで、中古に比べると新築の審査は早く融資はつきやすいと言えます。
条件の3つ目は都市圏であることで、立地が良い都市圏は融資がつきやすいと言えます。
これら3つの条件が揃っていても融資が決まらない場合は申込者の個人の属性に問題があることになります。
以下が不動産投資ローンを取り扱う主な金融機関です。
各行、細かな条件が異なりますので、事前によくチェックしておきましょう。
公的金融機関 | 日本政策金融公庫・商工中金 |
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都市銀行 | みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・りそな銀行 |
地方銀行 | 千葉銀行・静岡銀行・SBJ銀行・関西銀行・みなと銀行 関西アーバン銀行・近畿大阪銀行・池田泉州銀行 |
信託銀行 | 三井住友信託銀行・三井住友トラストL&F |
ネット銀行 | オリックス銀行 |
ノンバンク | セゾンファンデックス |
不動産投資セミナーのパターンは大きく3つに分類されます。
1つ目は不動産投資入門セミナーで、不動産投資の初心者向けの不動産投資セミナーです。初心者ではなくとも知識に不安がある人には何かの勉強になるはずです。
2つ目は区分投資セミナーと言われる不動産投資セミナーで、新築・中古のファミリー向けの区分マンションやワンルームマンションへの投資のためのセミナーです。
そして、最後は一棟投資セミナーでアパートマンションの1棟投資向けのセミナーです。加えて、海外不動産投資向けのセミナーも増えています。
そして、不動産投資セミナーに参加する時には、セミナーの主催会社・セミナーの規模・開催頻度・セミナーの講師・セミナーの参加費などを確認すると良いでしょう。不動産投資セミナーのパターンを細分化したのが以下の一覧になります。
お金を貯めるのが預金の役割とすれば、お金を殖やすのが投資の役割です。ある調査によりますと実際に投資をしている人は約26%に留まっているということで・・・
不動産投資で儲かるサラリーマンの1つ目のパターンは所得税などの節税ができる人で、給与収入などが高い高額所得者が多く見られます。つまり、節税するための1つの手段として、不動産投資を行い所得の損益通算を図ることになります。
具体的には年収が1,500万円以上のエグゼクティブサラリーマンは所得控除があったとしても所得税が高いので、不動産投資による節税効果は高いと言えます。
2つ目のパターンは年収4~500万円のサラリーマンが副業で不動産投資に挑戦するパターンです。ただ、サラリーマンの所得が低い場合は、不動産投資で損益通算をして効果を生み出そうとしても難しい場合が多いと言えます。
投資においては経験が長い人が必ず儲かると決まっているわけではありません。
不動産投資も同様で以下のような投資家は経験が長くても損するパターンの人と言えます。
損するパターンの1つ目はコスト意識が薄く経費を厳密に考えない人で、帳簿を付けることもないような投資家です。不動産投資は長期投資が前提ですから、小さな利益の積み重ねが大事なのです。
損するパターンの2つ目は契約内容を十分に確認しない人で、このような人が後々契約内容について文句を言うことが多いのです。
損するパターンの3つ目は家賃設定を真剣に考えない人で、家賃が髙過ぎても安過ぎても改めることが少ないケースが多く見られます。やがて、空室率が高くなることが多いと言えます。
損するパターンの4つ目は不動産会社の担当者と上手く付き合えない人で、不動産会社の担当者にとっての優先順位が低くなってしまいます。その結果、良い情報を得られ難くなるということになります。
このようなパターンに陥っている場合は経験が長い投資家でも損することになるのです。
不動産の契約内容をしっかり把握し、積極的に取り組むことが重要です。
レントロールと賃貸契約書 | レントロールとは不動産の賃貸借条件を一覧表にしたもの |
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支出項目 | 共用部の水道代・電気代・エレベーター費用・インターネット費用・ケーブルテレビ費用・外部駐車場などの金額を確認 |
引き継ぐべき付帯契約 | 管理会社・エレベーターメンテナンス会社・ガス会社・清掃会社など様々な業者との契約内容 |
修繕履歴 | 過去にどんな修繕をしたのか |
売買面積と境界杭 | 測量をして実測面積を出すことと、境界の杭が入っているか否か |
瑕疵担保責任 | 売買の対象物に隠れた瑕疵がある場合、売主が買主に対して責任を負う |
融資特約 | 融資を受けられなかった場合に契約を白紙にすることが可能 |
現状融資売買 | 契約から決済までの間に状態が変わっても売主は責任を負わないこと |
最近の不動産投資初心者で成功を収めている人に多く見られるパターンは、安定収入のある大企業サラリーマンか公務員で年収400万~500万以上の人です。このような属性の人は金融機関からの融資を受け易いので、融資をうまく利用し資産形成を効率よく行うことができます。
例えば、現在、月120万円の手取り家賃を得ている脱サラ投資家のNさんは、サラリーマン時代の30歳の時に300万円の資金を元に不動産投資を始め現在は29部屋のオーナーとなっています。15年前に不動産投資を開始し平均すると毎年2戸のペースで物件を買い進めてきました。成功しても一気に投資額を拡大しなかったところが非凡な感じを受けます。
また、現在、月40万円の手取り家賃を得ている公務員のAさんは、都心の割安な中古ワンルームマンション専門に投資してきました。主な理由は物件が割安なこと・家賃は市場平均並み・資産価値が高い・賃貸需要があるなどということです。
一方で初心者の失敗パターンで殆どの人に共通しているのが「営業マンの話を鵜呑みにした」ということです。顧客を騙そうとする営業マンは多くはありませんが、会社の都合で物件を奨めて来る営業マンは多いので営業マンの話を鵜呑みにすると儲からないことが多いのです。
不動産投資の成功パターンと失敗パターンを様々な切り口から分析して見ますと、投資において成功パターンと失敗パターンがあることが鮮明に見えてきます。現在の世の中ビッグデータ分析の世の中になってきましたが、不動産投資の世界も投資家自身によるビッグデータ分析とパターン分析が重要になってきました。そのような中で営業マンが推奨する物件に価値を見出すことは、ますます、難しくなっていきます。