不動産投資の融資状況・2019年をチェックする

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キャッシュのみで不動産投資を行う人は非常に稀ですから、常に不動産投資と融資はセットで考えなければなりません。特に、金融機関の融資状況や融資に対するスタンスは、不動産市場や金融市場の状況によって刻々と変化します。
そこで、本項は金融機関の融資状況や融資スタンスについて「不動産投資の融資状況・2019年をチェックする」と題して、いくつかの局面から状況を探ります。

  • 2019年の融資状況はどうなっているのか?
  • 2019年の審査状況はどうなっているのか?
  • 融資に積極的な銀行はどこなのか?

これらを少しでもお考えなられたことがあるなら、当ページがお役に立つと思います。

不動産投資の融資状況・2019年~2020年を展望する

2019年の融資状況をチェックする

昨年、不動産価格の上昇に陰りが見えたタイミングでスルガ銀行不正融資事件が発覚し、これらを契機に金融庁は地方銀行を中心に不動産投資ローンに対する金融検査を実施しています。ですので、地銀各行は金融庁の指示・指導を参考にしながら、貸付債権の内容や融資の審査体制の点検に入っています。

また、メガバンク各行は審査が規定どおり適正に行われているのか、自行の営業現場をチェックしています。加えて、現地調査や不動産業者への聞き取りなど増やしながら、物件の評価に時間をかけ厳密に行っています。

その結果、これまで不動産投資ローンに積極的だった金融機関は新規融資に対して及び腰で、様子見に徹している銀行も多いようです。

一方で、これまで不動産投資ローンを余り行ってこなかった銀行や信用金庫の中には、自行の不動産投資ローンのシェアを少しでも増やそうという努力が見えます。
また、ネット銀行やノンバンクは金融庁の動きを余り気にすることもなく、融資できる相手先には融資を続けています。ただ、いずれの金融機関も規定通りの審査が行われているのかというポイントと、物件評価を厳格に行うというポイントについては厳守していると考えられます。

金利選択によるメリット・デメリット

金利の種類 メリット デメリット
変動金利 固定金利より金利が低い 債権市場の影響で金利が変動し返済額が増える可能性がある
選択型固定金利 一定期間後(3〜5年)に固定化変動か再度選べる 固定期間終了後に金利が上がる可能性がある
全期間固定金利 金利は一定で返済計画が立てやすい 取扱金融機関が少ない
不動産投資2019・融資はいくらまで受けられるのか?

不動産市場の過熱感が指摘されてからしばらく経ちますが、昨年来、スルガ銀行不正融資事件の影響もあり不動産投資ローンに対する審査が厳しく・・・

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2020年の融資状況を展望する

東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まって以来、首都圏の不動産市況は活況を呈してきましたが、誰もが考えるように東京オリンピック・パラリンピックの開催まで1年を切った現在、2020年問題とでも呼ぶべき壁が市況に立ちはだかっていると言えます。過去、リオデジャネイロやロンドンでも見たように、祭りの後の相場は悲しい現実を突きつけることも少なくないからです。

そこで、2020年以降の東京で考えられることの1つ目は、首都圏不動産価格の推移の二極化です。つまり、これまで東京圏というだけで市況全体の動きに引っ張られてきたエリアについては、下落傾向が出て来ることが考えられます。一方で都心の千代田・中央・港の人気3区や新宿区に城南3区(世田谷・目黒・渋谷)を加えたエリアは、若者や女性に人気のエリアで大きく値崩れするようなこともないはずです。

そして、もう1つ考えられる二極化は不動産業界の二極化です。
特段の強みや特色もなく市場の活況という時流に乗ってきただけの不動産会社も多いからで、それらの会社は資金繰りが悪化し業界内で淘汰されていくはずです。一方で独自のコンセプトや強みを持つ会社は逆にビジネスチャンスが拡大するのではないでしょうか?
なぜなら、東京オリンピック・パラリンピックが終わった後も、東京圏の若者を中心とする人口流入は続くからです。

不動産投資ローン金融機関別適用金利(変動金利)

金融機関 金利 特徴
メガバンク 1%前後 金利は一番低いが審査基準も一番厳しい
地方銀行 1.5%~4.5% 金利と審査基準はメガバンクに準ずるが住所地域以外での物件購入ができない場合がある
信用金庫・信用組合 1.5%~4.5% 融資に積極的な信用金庫・信用組合も増えている
日本政策金融公庫 1.2%~1.9% 融資条件は最も融資が受けやすい
ノンバンク 1%~9% 審査基準が緩く決済スピードが早いが金利は高い

住宅ローン・不動産担保ローンのスペックはどうなる?

最近の住宅ローン・不動産投資ローン・不動産担保ローンのスペックを見ますと、奇妙な現象が起きていると言えます。つまり、前項でも説明しましたように不動産市況はピークアウト感も出てきているということと、金融機関のローンに対する審査姿勢は厳しくなっています。

したがって、通常、ローン金利は上がるはずですが最近の各種ローン金利は若干ですが下がる傾向を見せています。つまり、本来は上がるはずの金利が長引くデフレ経済の影響なのか世界的な景気減速の影響なのか、下がり気味の状況です。

これを利用者から見ますと、金融機関の審査や融資姿勢は厳しくなっているのに反し、金利に代表される融資条件は緩和されているのです。 つまり、利用者目線で考えると今の状況を利用しない手はありません。

住宅ローンと不動産投資ローンのスペック

項目 住宅ローン 不動産投資ローン
変動金利 年0.5%~2.0%程度 年1.5%~4.5%程度
融資額 年収の5~8倍程度 年収の10倍~20倍程度
返済期限 最長30年 最長30年
審査内容 個人の返済能力 属性 収益性+個人の返済能力
年齢制限 70歳未満 70歳以上も可

不動産担保ローンのスペック

金融機関 金利(変動型) 融資限度額
住信SBIネット銀行 2.95%~8.9% 300万~1億
楽天銀行 2.79%~9.39% 100万~1億
セゾンファンデックス 6.8%~10.9% 100万~3,000万円
三井住友トラストL&F 4.9%~8.8% 300万~10億円
新生プロパティF 4.475%~8.475% 300万~3億円
不動産投資・良い融資条件を得るための4つのポイント

不動産投資と融資は切っても切れない関係で、とくに、現在のような歴史的な低金利時代では良い融資条件を得ることが不動産投資の成否を決する場合・・・

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不動産投資の融資状況・過去を振り返ると

過去の融資状況をチェックする

銀行の不動産投資向けローンが顕著に拡大したのは2016年からですが、金融庁の「銀行投資用不動産向け融資実行額と残高」によりますと2016年の銀行の投資用不動産向け融資残高は28.1兆円となっています。

その後、2017年3月末の融資実行額は5.4兆円・2018年3月末の融資実行額は4.7兆円と高水準が続き、融資残高は2017年3月末に2.4兆円・2018年3月末に2.1兆円増加し好調が続きました。 ところが、2018年に明るみになったスルガ銀行の不正融資事件を受けて、金融庁は銀行と信用金庫・信用組合を対象に不動産投資ローンの貸出額や残高・融資審査の中身についてアンケート調査をしました。また、各地方銀行に対して順次、金融検査を実施しています。

その結果、2018年4月以降、各銀行の不動産投資向けローンに急ブレーキがかかり、2018年9月末の増加額は0.5兆円に留まっています。

つまり、2018年のスルガ銀行の不正融資事件以降、各銀行の不動産投資向けローンに急ブレーキがかかり、特に、それまで積極的に不動産投資ローンを行っていた数行の地方銀行は実質的に新規ローンを停止しています。

銀行投資用不動産向け融資実行額と残高(金融庁資料より抜粋)

融資実行額 融資残高
平成28年3月 4.6兆円 28.1兆円
平成29年3月 5.4兆円 30.5兆円(+2.4兆円)
平成30年3月 4.7兆円 32.6兆円(+2.1兆円)
平成30年9月*(半期) 1.9兆円* 33.1兆円(+0.5兆円)*

過去の金利をチェックする

前の項でも触れましたが不動産市場のピークアウトやスルガ銀行の不正融資事件を受けて、現状は普通なら金利上昇しても不思議はない状況です。

ところが、現在は逆に金利低下の傾向にあります。これらは上記のポイントを不動産市場の内部要因とすれば、先進各国のデフレ経済や伸び悩む世界景気などの外部要因から来ていると考えられます。

一方、過去の金利の推移を振り返ってみますと、1980年頃から徐々に上昇した金利が変動金利型で一番高かったのは1991年の8.5%で、その後、バブル崩壊の影響を受けて金利は徐々に下がり1995年には2%台となっています。

つまり、5年~10年の期間を経て金利の5%程度の上下は十分に有り得ることを、過去の歴史は教えていると言えます。

借入金利別返済額の違い(融資額3,500万円を30年返済の場合)

 
適用金利1.29% 適用金利2.92% 適用金利5.5%
毎月返済額 103,600円 133,139円 187,955円
総利息額 852万円 2,092万円 4,395万円
総返済額 4,352万円 5,592万円7,895万円

不動産投資融資・2019年審査状況は?

2019年審査状況は?

銀行融資の審査の多くは属性審査をメインに行っています。例えば、カードローン審査の場合は申込者の属性情報だけの審査ですし、他の多目的ローンの場合も同様です。

一方、住宅ローンや不動産投資ローンの場合は、属性情報と物件情報の2つの審査を厳密に行います。カードローンなどと同様に一義的にはローンの申込者の属性情報を審査しますが、属性情報に問題が無ければ物件情報の審査に移るという具合です。

特に、2019年の不動産投資ローンに対する審査状況を見ますと、物件情報の審査の重要性が増していると言えます。なぜなら、銀行の不動産投資ローンに対する姿勢が守りに入っているため、担保評価に慎重になっているからです。

そのため、物件のエリア・資産価値・物件の収益性に対する評価が厳しくなっており、例えば、物件のエリアについては融資を出すエリアと出さないエリアを決めている銀行も目立ちます。

また、物件そのものの価値を見極めるために、路線価と残耐用年数から土地評価額と建物評価額を出し物件の資産価値をわり出す作業を重視しています。

加えて、物件を運用することでいくらの収益が見込めるかを厳密に確認し、十分な利益がでる物件はローンの返済能力が高いと評価される訳です。

これらの作業を通じて銀行は資産価値に対して融資金額が妥当かどうかの判断を行っています。

一方、属性審査は融資審査の入口ですが、申込者の社会的背景と経済的背景を調べることに他なりません。

社会的背景としては申込者の収入の継続性が最も重要で、現在の収入が継続して維持できるかがポイントになります。その意味では大企業の正社員や公務員が最も安定している訳ですから、契約社員・派遣社員・パート・アルバイトの評価は下がります。

また、家族構成も融資に影響します。例えば、配偶者と共働きの場合は収入を合算して評価しますし、逆に小さな子供がいる場合は教育費の負担が考慮されます。これらをポイント制で積み重ねたのがクレジットポイントで、クレジットポイントが未達の場合は審査落ちとなります。また、クレジットポイントにより金利や融資額などの融資条件が決定されます。

個人属性情報の詳細

個人識別情報 氏名・生年月日・住所・電話番号
個人信用情報 過去の借入の状況・残債・返済状況・遅滞の有無など
勤務先情報 会社名・部署・職種・役職・会社住所・電話番号・勤続年数
収入 直近3年の年収
住居情報 持家か賃貸(マンション・アパート・公団)
金融資産 預金・株・保険・確定拠出年金など
家族構成 同居の家族氏名・続柄・配偶者勤務先・勤続年数・年収
連帯保証人 有無

自己資金などの審査基準は?

現在の審査状況を見る上でのもう1つのポイントは自己資金です。

まず、自己資金についてですが、金融機関の見る自己資金の判断基準は負債と資産のバランスです。つまり、用意された自己資金の何倍まで融資できるかということではなく、担保にする物件の資産価値と申込者が持っている自己資金を含む金融資産のバランスということになります。

金融機関としては融資額よりも物件の資産価値と申込者が持っている自己資金を含む金融資産が多ければ問題ありませんが、少なくとも同等程度の評価を求めている様です。したがって、仮に自己資金がゼロであっても、物件の資産価値が高い場合や金融資産の価値が高ければ問題ありません。

不動産購入時の諸経費
  • 契約書印紙税
  • 不動産会社仲介手数料
  • 司法書士への報酬
  • 融資手数料
  • 管理費・修繕積立金の清算金
  • 固定資産税などの清算金
  • 不動産取得税

不動産投資の融資状況・積極的な銀行は?

融資に積極的な銀行・消極的な銀行はどこか?

昨年来、不動産業界や不動産融資に関連して不祥事が相次いでいます。
シェアハウスかぼちゃの馬車破綻・スルガ銀行不正融資事件・レオパレス21の建築基準法違反・TATERU事件・積水ハウス地面師事件などです。

これらの不祥事により金融庁は事態を重く受け止め金融機関による不動産関連の融資を注視するようになり、銀行に対する金融検査を強化しています。

その結果として上記の不祥事に関わっていた地方銀行や似たビジネスモデルで積極的に不動産融資を行っていた銀行は融資に消極的にならざるを得ません。

一方、不動産融資を積極的に行って来なかった銀行や異なるビジネスモデルで融資する銀行は、今でも積極的な不動産融資を続けています。信用金庫・信用組合の一部やネット銀行の一部・ノンバンクなどがこれに該当します。

不動産投資ローンに対する姿勢2019

積極的 信用金庫・信用組合の一部
ネット銀行の一部
ノンバンク
オリックス銀行・SBJ銀行・静岡銀行
普通 メガバンク
消極的 地銀

一方で不正融資を行ったスルガ銀行を筆頭に似た様なビジネスモデルで積極的に不動産融資を行ってきた数行の地銀は、現在、新規の不動産融資をストップしています。加えて、直近、3期において継続的に赤字が続く地方銀行についても、統廃合を含めた指導を行っています。

つまり、これらの地方銀行については新規の不動産融資どころではないのです。
加えて、銀行業界の模範となるべきメガバンク3行についても、不動産融資をここまで加熱させた責任が今後、問われそうな展開です。

自宅付近の金融機関か物件付近の金融機関か?

仮に最適な条件の不動産投資ローンを見つけたとしても、金融機関によっては対応エリア外の場合も有り得ます。つまり、自宅付近の金融機関か物件付近の金融機関かというような対応エリアの問題も確認しなければなりません。

一般的にメガバンクと呼ばれるみずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行にりそな銀行を加えた4行の対応エリアは、原則として全国となっています。また、ネット銀行とノンバンクの対応エリアも原則として全国となっています。

一方、横浜銀行や千葉銀行・静岡銀行に代表される地方銀行と信用金庫と信用組合は、各支店の対応エリアが決められています。

したがって、住所や物件住所などを示して対応できるか否かを金融機関に確かめる必要があります。また、信用金庫と信用組合の場合は、簡単な手続ですが組合員になる必要があります。

不動産投資ローン審査に対する評判

審査が厳しい メガバンク
審査は平均的 地方銀行
信用金庫
信用組合
審査は比較的緩い ネット銀行
ノンバンク
日本政策金融公庫

まとめ

不動産融資に対する金融機関のスタンスは不動産市場や金融市場の状況によって刻々と変化します。したがって、利用する金融機関により融資条件は大きく異なります。一方で申込者の自己資金や属性により金融機関の審査がありますから、必ずしも申込者の希望通りに融資を受けられる訳ではありません。
つまり、申込者と金融機関の最適なマッチングが求められる訳で、そのためには事前の準備が大切となります。ですので、最適な金融機関を調べた上で、実際に融資が受けられる金融機関を見つけなければなりません。

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