不動産投資5年後を予測する・4つの切り口

不動産投資5年後を予測する・4つの切り口のイメージ

投資とは一定の期間におけるパフォーマンスを目指すものですが、不動産投資も投資である以上、将来を予測することが重要です。ただ、不動産投資の基本は長期投資ですから5年を一区切りとして予測するとすれば、5年後のマーケットや入居者や税金・ローンが気になります。そこで、それらの4つの切り口について深堀していきます。

  • 不動産市場5年後のマーケットはどうなる?
  • 5年後に入居者がいるのかいないのか?
  • 5年後ローンのリスクはあるのか?

これらを少しでもお考えなられたことがあるなら、当ページがお役に立つと思います。

不動産投資5年後のマーケットを予測する

投資で5年後の持つ意味とは?

投資における5年間の意味を考えるとすれば、以下の2つの試算は参考になると言えます。

1つ目は毎月10万円の積み立て投資を5年間継続した場合、5年後の総投資額は600万円に達します。仮に5年間の積立を年率3%で回した場合は5年後には646万円に達しますし、年率10%で回した場合は774万円に達することになります。

また、5年間で3,000万円の資金を貯めるには年率3%運用では毎月464千円の積み立てが必要ですが、年率10%運用では387千円で3,000万円に達します。

これらの2つのことから投資においては、より高い利回りで運用することがいかに大事であるかがわかります。

不動産投資においても利回りが重視される所以はここにあると言えます。

月10万円の積み立て5年後金額

月々の投資額総投資額利回1%利回3%利回5%利10%利15%
10万円 600万円 614万円 646万円 680万円 774万円 885万円

5年間で3,000万円積立投資するには

利回り 1% 3% 5% 10% 15%
月々積立額 487,812円 464,061円 441,137円 387,411円 338,698円

不動産市場5年後のマーケットはどうなる?

ウォーレン・バフェットは世界的に著名な株式投資家ですが、常に「5年後、どうなっているだろう?」ということを念頭に投資を行なっているということです。この「5年後、どうなっているだろう?」というポリシーでウォーレン・バフェットは756億ドル(2017年・日本円約8兆2,000億円)の資産を築きましたが、このウォーレン・バフェットの「5年後、どうしているかを想像して行動する」というポリシーは不動産投資にも通じるポリシーと言えます。

特に、アパートマンションの賃貸経営においては、「5年後、どうしているかを想像して行動する」というポリシーは非常に重要です。

5年後に売却というプランはアリなのか?

今、5年後に確実に起こると予測できることは、団塊の世代が75歳以上になり後期高齢者入りしているということです。また、同じ時期の2022年には施行30年の期間を経て、農地並み課税の軽減措置が切れ営農義務のある生産緑地の8割が農地並み課税から外れます。

つまり、5年後は、不動産市場において需要が減り供給が増えやすくなることが確実に予測されています。

したがって、郊外では5年待ったら不動産は軒並み安くなるという時代になるかもしれませんが、一方で東京や福岡など人口増が続くエリアにおいては、不動産市場の動きを見ながら5年後に売却という戦略も成り立ちそうです。

不動産の宿命として物件の経年劣化という問題を常に抱えていますから、物件が経年劣化する前の5年売却というのも1つのポイントなのです。

仮に5年後に売却するとすれば、以下のポイントのチェックが求められます。

5年後売却のポイント項目

家に費やした経費合計 毎月のローン(元金+利息)・管理費+修繕金・固定資産税・購入時の頭金+諸費用、
売却想定価格 5年後売却想定価格
売却価格-残債 売却価格からローンの残りの金額を差し引いた金額(売却時に手にする現金)
実質家賃 (家に費やした金額+残債-売却想定価格)÷月数
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不動産投資5年後をシミュレーションしてみると

新築マンション5年以内売却シミュレーション

新築マンションとは、築1年以内の物件で人が1度も住んだことのない物件を意味します。

つまり、1年以内でも人が住んだ瞬間から新築でなくなり、人が住んでいなくても1年を超えてしまうと新築表示はできなくなります。

そして、その後値段は下がり続けるのが通常で、特に、日本では新築が好まれるため新築を過ぎると値段が急激に下がります。

以下の「新築を100%とした場合の下落率」を見て頂けると、東京では築20年で平均55%~60%まで下がることがわかります。ところが、その後、築30年・築40年の平均は横ばいとなっており築20年から大きく下がることはありません。

したがって、新築マンションの場合は築10年までの間に利益確定するのがポイントで、その間のマーケット動向を見ながら5年以内売却シミュレーションを作ることになります。

一方で、築20年の物件に投資し30年住み続ける戦略や、築20年の物件に投資し賃貸経営する戦略が有効と考えられます。特に、賃貸料は物件価格に比べて下がり方がマイルドだからです。

新築を100%とした場合の下落率

エリア 築10年 築20年 築30年 築40年
東京 75~80% 55~60% 55~60% 50~55%
大阪 65~70% 40~45% 35~40% 30~35%

5年後に入居者がいるのかいないのか?

賃貸経営の場合は5年後の予測が重要になってきます。今後、10年間で日本の人口は約700万人減ると予想されており、生産年齢人口は7,000万人まで落ち込むと考えられます。特に、地方においては減少傾向が顕著です。

例えば、2015年4月までの5年間で全国の99市町村のうち190集落が消滅し、JR北海道やJR四国では単独で採算の取れない路線が増えています。

つまり、人口増が続く首都圏・近畿圏・福岡市を除くと、不動産賃貸経営では5年後に入居者がいるのかいないのかということを自問しながらの経営が求められます。

賃貸経営を続けるエリアにおいて人口が増えていればベストですが、少なくとも大きく減るエリアではないことが条件となります。

また、都市の再開発や大学・企業の誘致などがあるかというのもポイントですし、今後、大きなポイントに浮上するのは外国人が増えるエリアであるかどうかではないでしょうか?

日本の5年~10年毎の予想人口(総務省国勢調査)

2010年 128,057千人
2015年 126,597千人
2020年 124,100千人予想
2030年 116,618千人予想
2040年 107,276千人予想
2050年 97,076千人予想

5年間の家賃保証はアリなのか?

今やアパートマンションの賃貸経営ではサブリース契約の家賃保証は当たり前ですが、特に、新築で物件を購入した場合はサブリース契約を利用するケースが多くなっています。

一般的にサブリース契約の家賃保証は5年間の家賃保証・10年間の家賃保証が多く見られますが、中には30年間の家賃保証を行なっている大手会社も存在します。

ただ、どのようなサブリース契約の家賃保証システムであっても不動産会社は利益を目的に行っていますから、儲からない場合には容赦なく契約を見直してきます。

つまり、サブリース契約の家賃保証システムには必ず「保証金額の見直し」や「契約条項の見直し」という条項が盛り込まれています。

したがって、当初の契約時に営業マンの言葉を一方的に信じるのではなく、契約内容をオーナー自身が納得することが重要です。

最近のオーナーと不動産会社のトラブルで多いのは、家賃保証金額の減額を求められたオーナーが契約破棄を申し入れたところ破棄できなかったという事例です。契約破棄についても当初の契約に持り込まれていますから要注意です。

サブリースの問題点

・ 家賃は必ずしも保証される訳ではない
・ サブリース会社への手数料が高い
・ 入居者をオーナー側で選べない
・ 不動産会社が指定した建物を建てなければならない
・ サブリースは簡単に解約できない
・ サブリース会社が倒産する可能性がある

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不動産投資5年後の税金を考える

譲渡所得税とは?

不動産投資で5年後を考える時に必ず出て来るのは譲渡所得税です。

譲渡所得税とは不動産の譲渡益に対して課税される税金のことで、 譲渡した不動産の所有期間により5年以内を「短期譲渡所得」・5年超を「長期譲渡所得」として区別します。 譲渡所得にかかる税金は短期譲渡所得が39.63%・長期譲渡所得が20.315%となっています。

また、不動産の所有期間が10年を超える場合は10年超所有軽減税率の特例として、税率が軽減されています。詳しくは以下の「譲渡所得の税率表」をご参照ください。
これらの譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用

収入金額とは売却金額を意味しますが、取得費と譲渡費用については以下のような費用を意味します。

取得費=土地建物の購入代金や建築代金+購入時の税金+仲介手数料+測量費・整地費・建物解体費・設備費・改良費+一定の借入金利子
譲渡費用=仲介手数料+印紙税+借家人に支払った立退料+建物解体費+違約金+借地権の名義書換料など

(建物はの購入代金からは減価償却費を差し引くことになる)

譲渡所得の税率表

 
期間5年以下 5年超 10年超所有軽減税率の特例
居住用 39.63%(所得税30.63%・住民税 9%) 20.315%(所得税15.315%・住民税 5%)①課税譲渡所得6,000万円以下の部分14.21%(所得税10.21%・住民税4%)
②課税譲渡所得6,000万円超の部分20.315%(所得税15.315%・住民税5%)
非居住用 39.63%(所得税30.63%・住民税 9%) 20.315%(所得税15.315%・住民税 5%) 20.315%(所得税15.315%・住民税 5%)

購入後5年以内の売却は短期譲渡所得で高率の税金

上記の通り購入後5年以内の売却は短期譲渡所得で高率の税金がかかります。

短期譲渡所得が39.63%に対して長期譲渡所得は20.315%と半分になりますから、短期と長期の分かれ目となる5年以下なのか5年超なのかが重要なポイントになってきます。
しかも、5年以下なのか5年超なのかの期間計算が通常の計算方とは異なります。
例えば、平成23年3月に取得し平成28年4月に売却した場合、通常の計算では5年と1ヶ月となります。ところが、譲渡所得の計算では売却した日の属する年の1月1日で判定します。

つまり、平成28年中の売却では平成28年1月1日が判定の基準日となりますから、取得日が平成22年12月31日以前のものしか長期譲渡所得に該当しません。したがって、上記の例は短期譲渡所得に該当しますので要注意です。
譲渡所得の定義をまとめますと以下の通りです。

短期譲渡所得=売却した年の1月1日において所有期間が5年以下のもの

長期譲渡所得=売却した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの

短期譲渡所得が1,000万円の計算方法

・ 所得税 1,000万円×30%=300万円
・ 住民税 1,000万円×9%=90万円
・ 復興特別所得税 300万円×2.1%=63,000円
・ 税金の総額 3,000,000円+720,000万円+63,000円=3,783,000円

長期譲渡所得税の対象になるまで待つべきか?

長期譲渡所得税額は短期の場合のほぼ半分ですから、「短期譲渡所得よりも税率の低い長期譲渡所得のほうがお得」と考える人が多いのは当然です。

ただ、土地と違い経年劣化する建物は築年数が短いほど売却時の価格は高くなりますから、5年以内の物件と10年ほど経過した物件で価格に大きな差が生じ譲渡所得税額に影響を与える場合も出てきます。

また、譲渡所得税だけで考えると長期の方が税額は低くなりますが、固定資産税を含めて考えることも必要です。固定資産税は期間による増減がほとんどありませんから、長期譲渡で譲渡所得税を節約できたとしても固定資産税を支払うと結果として高くつくことがあります。例えば、固定資産税評価額が1,000万円の場合、毎年支払う固定資産税は14万円になります。

長期譲渡所得が1,000万円の計算方法

  • 所得税 1,000万円×15%=150万円
  • 住民税 1,000万円×5%=50万円
  • 復興特別所得税 150万円×2.1%=31,500円
  • 税金の総額 1,500,000円+500,000円+31,500円=2,031,500円

不動産投資ローン5年後の残債はどうなっているのか?

5年後残債をシミュレーションしてみると

簡単に5年後残債をシミュレーションできますが、今後の金利が上がるのか下がるのかによってシミュレーションの結果は大きく異なります。

現状の市場金利は日銀による超金融緩和政策により超低水準に抑えられていますが、5年後の市場金利は日銀総裁にも予測不能です。

過去の例を参考にしてみるとわかりますが、市場金利は予測と異なる動きをすることがしばしばあります。特に長期金利は将来の経済予測を先読みして動く傾向がありますので、現在の予測不能な世界的な政治経済リスクを前にして長期金利だけを予測するのは不可能だからです。
したがって、5年後の金利を独断で予想するよりも、不動産投資ローンの中の固定金利・変動金利・期間限定固定金利の割合を考えた方が良いと考えられます。
金融機関が推奨する変動金利を増やすよりも、固定金利・変動金利・期間限定固定金利を2割・4割・4割などのバランス型も考えられるからです。

3,000万円のローンで5年毎に金利が1%上がる場合

(毎月返済額)

変動金利 固定金利
5年間 79,544円 89,957円
6年目~10年目 91,669円 89,957円
11年目~ 102,760円 89,957円

5年後ローンのリスクはあるのか?

5年後のローン金利上昇リスクを考える時に、変動金利型の「5年ルール」と「125%ルール」の理解が重要になってきます。

金利水準が急上昇した場合に、変動金利型で金利が上がっても毎月の返済額が急には増えない「5年ルール」と「125%ルール」を導入している金融機関が多いからです。

「5年ルール」とは金利が上昇しても5年間は毎月返済額を変えないというルールを意味し、「125%ルール」は5年ごとに返済額を見直す際にそれまでの1.25倍までしか毎月返済額を上げないというルールを意味します。

つまり、将来、急激な金利上昇局面が訪れた場合でも5年~10年間は返済額が急に増えることはありません。

しかしながら、返済額の中の元金返済と利息返済の割合が変わるだけで、利払いの負担増を免れるわけではありません。そして、最悪の場合は金利上昇の10年目以降に、返済が後ろにずれ込んだ元金部分の返済額が一気に増えることになるのです。したがって、余裕のある内に元金部分の返済を進めておくことが重要になります。

5年ルールの返済例

(金利が急激に上昇した場合)

当初 返済額10万円 元金返済6万円・利息4万円
半年後 返済額10万円 元金返済5万円・利息5万円
1年後 返済額10万円 元金返済4万円・利息6万円

まとめ

現在、不動産投資において、5年後のマーケット・入居者・税金・ローンについて様々な不確定要素があることがお解かり頂けたと思います。 これらの事に対して不動産投資の専門家でも明確な指針を出すことはできませんが、大事なことはコマーシャルベースに左右されることなく投資家自身がリスクを理解し自分の判断で対策を講じておくことです。
そうすれば予想外の状況に直面した場合でも冷静に対処することができる筈だからです。

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